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イースター
街には卵やうさぎの形のお菓子や飾りが並んでいる店もあります。
キリスト教の祭典だということは知っていても、なぜ卵とうさぎなのか?
何をする日なのか?
実はあんまりよくわかっていない人もたくさんいそうです。
検索しても、キリスト教用語が多くてイマイチ内容がつかめなかったりもします。
多くの日本人にはあまり馴染み深くないキリスト教文化、初歩の初歩から噛み砕いて説明してもらいたい人のための解説です。
キリスト教初歩の初歩 基礎知識
教祖はイエス・キリスト
キリスト教はヨーロッパの宗教だと思っていますか?
もともとは西アジアから起きた宗教です。
古代エジプトやローマが栄えた時代、ギリシャ神話のように多数の神様が存在する信仰が多かった世界で、
と説く教えが、カナンの国(イスラエル近辺)で起きました。
ユダヤ教です。
紀元前35年頃生まれたイエスが育った当時は、とても戒律に厳しい宗派が強く、人々は宗教的権力者の都合のいいように作られた細かい規則に縛られて苦労していました。
イエスはやがて、戒律よりもほんとうに困っている立場の人を救うことを大事にする教えを説き初め、底辺の人々から絶大に支持されるようになります。
が、権力者はそれを不満に思い、政治犯としてイエスを処刑します。
しかし、神の子であったイエスは、3日後に蘇るという奇跡を起こします。
以来、イエスが起こした様々な奇跡とその教えを多くの弟子たちが語り継いで広めていったのがキリスト教です。
弟子たちの話をもとにイエスの生涯とその後の布教を記録したのが新約聖書です。
イエスが蘇った奇跡を祝福する祭典が復活祭
その後熱心な弟子たちによりヨーロッパ各地での布教が進められます。
流派がいくつも別れてはいきましたが、数百年の後には西洋のほとんどの国の国教がキリスト教になり、政治や道徳の基本にキリスト教の宗教観が影響するようになりました。
イエスの復活こそが神の奇跡の証であり、この時に教えを迫害するすべてのものに打ち勝ち、キリスト教が絶対のものとして人々を導くものになったと考えるため、復活の年を紀元とする年号が生れました。
イエスは金曜日に処刑され、日曜日に蘇ったので、毎年
にイエスの復活を祝福するお祭りを盛大に行いました。
それが復活祭=イースターです。
イエスが人間として生まれた日(クリスマス)よりも、神の子として蘇った日のほうが、キリスト教徒にとっては祝福すべき日であり、復活祭は最も重要な祭典なのです。
復活祭とは家族で集まってご馳走を食べる日
大事な日のためには準備も大変
復活祭がいかに重要扱いかというと、キリスト教の教えでは、その日のための準備に46日間もかけることになっています。
この準備期間は
四旬節(しじゅんせつ)
と呼ばれ、改めて教えを身に染みて考えるために、
- 祈り
- 節制
- 慈善
を行います。
節制と慈善とは、自分本位な生き方を反省して他者に尽くすことに努めることです。
具体的には祝宴を自粛して断食を行い、慈善活動に勤しみます。
46日間完全に断食すると死んでしまうので、肉や卵など、いくつかの贅沢で美味しい物が食べられないものとして決められています。
断食あけの復活祭には思いっきりご馳走を
46日の断食を経て迎える復活祭当日、晴れて何でも食べられる日になるわけで、礼拝の後はみんなで集ってご馳走を食べるのがメインイベントでした。
新たな命の誕生の元である卵は、特にイエスの復活の象徴とされ、殻をイエスの血と生命を表わす色=赤に染めて供えました。
卵とうさぎの由来
野原に赤い卵を隠して、子どもたちに見つけさせる遊びもしました。
これがエッグハントです。
卵が隠してある茂みから、野兎が飛び出すのを見た子どもが、卵はうさぎが隠したと思ったことから、イースターエッグを運ぶイースターバニーの定説が出来ました。
まだ寒い46日前から準備して、麗らかな春を迎える頃に当日を迎えるので、復活祭は春の到来を祝福するお祭りでもあり、豊穣の象徴うさぎは農繁期を迎える前の縁起ものでもあったのです。
現代のイースター
正教会と呼ばれる宗派では、今でも断食を行う人もいるそうです。
カトリックやプロテスタントなどの宗派のほとんどは、近代の頃から厳密な断食ではなく、何か自分の好きなものを我慢するなど、緩やかな解釈になっていきました。
イースターエッグの装飾は時代と共にどんどん華やかになってきました。
ご馳走やお菓子のバラエティも豊かです。
現代では断食については形骸化しています。
しかし、家族が集ってご馳走を食べながら、神の教えを思い出して普段の自分をちょっと反省する、というイベントを大事にする文化はずっと続いているのです。
イースターは、キリストの復活祭やてんなぁ~
一つ偉くなったわ!