7月7日は七夕です。
天の川の東西に離れて暮らす
織姫と彦星
の夫婦が、年に一度だけ川を渡って会うことが許される日、という伝説が残る東アジアの国々では、それにちなんだ七夕祭のイベントが行われています。
もとは中国の漢の時代に出来た伝説ですが、伝承の過程で、違うバージョンの話が作られたり、土地の民話と合体したりして、二人が離れ離れになるエピソードは、何通りも伝わっています。
あなたが知っている話はどんな風?
中国の伝説
一番ポピュラーでロマンチックな話
中国の最古の伝説記述は紀元500年代に書かれた歳時記に載っています。
簡単に言うと、天帝(一番偉い天の神様)の娘の機織り名人織女と天上人の働き者牛飼い牽牛が結婚しますが、ラブラブすぎて仕事もせずデートに専念したため、天上の着物の布が不足し、牛が衰弱してしまいます。
それを見た天帝が怒って二人を引き離す、というストーリーです。
相思相愛の夫婦愛が強調されたロマンチックな話です。
天の川の誕生話とセットの伝説
中国の地方に伝わる伝説で次に目立つのが、牽牛が人間の男で、天女の織女と結婚したために、織女が天に帰る時に別れないといけなくなる話です。
この系統の伝説は、いろいろなバージョンがあるのですが、多くの場合、織女の羽衣を牽牛が隠して帰れなくし、無理やり妻にするので、織女は、天まで追ってくる牽牛から逃げています。
捕まりそうになった時、二人の間に天の川が生じ、牽牛は渡れなくなります。
しかし、一緒に追ってきた子どもたちの母を慕う姿にほだされた天帝が、七夕の夜だけ家族が再会することを許します。
話によっては、織女も情が湧いて、帰りたくないのに天帝に連れて帰られるパターンもあります。
が、自力で羽衣を見つけて、そのまま子どもを置いて逃げ帰るほうが多く、追ってくる牽牛に機織の道具を投げつけたりしています。
中には、結婚後織女に機織りさせて牽牛は働かなくなる、なんて話もあり、ロマンチックどころか織女が気の毒になります。
日本の伝説
七夕伝説の絵本は中国伝来のストーリー
日本では、絵本や七夕の解説本では中国の伝説がほぼ忠実に伝えられています。
ラブラブ説が元来の伝説とされるものがほとんどですが、牽牛が追ってきて天の川ができる話も別説として紹介されています。
民話として語り継がれている羽衣伝説
一方で、各地に民話として残る羽衣伝説は、中国伝説の影響を受けていると思われます。
天女が帰る所で終る話もありますが、夫が妻を追って天に昇る話もあり、その場合、天女は七夕星(織姫)に、男は犬飼星(彦星)になっています。
中国では牽牛が天に昇る手段は、牛の皮を着ると行ける、というのが多いですが、日本では、草履を百足作って埋めるなど、課題が与えられる話が目立ちます。
なぜか飼い犬を連れて行くため犬飼星なんです。
天の川で隔てられて一年に一回の逢瀬が許される話になるものは、ほとんどが
瓜は日本独特かもしれません。
日本独自の蛇の伝説
蛇が長者を脅して
と言い、末娘が身を捧げると、蛇の中から美男が出てきて豪邸で幸せに暮す話もいくつか残っています。
美男は実は天の神の息子で、ある時天に帰りますが、娘が夫を追って天を訪ね歩き、舅に出された難題をこなして、最後は一年に一度二人が逢うことを許される、というストーリーです。
二人を示す天の星が織姫と彦星です。
他の国にはないパターンですが、人間の妻が神の息子である夫を探して苦難を乗り越えていく所は、ギリシャ神話のエロスとブシュケにとてもよく似ています。
韓国とベトナムの伝説
七夕の夜に降る雨は二人の嬉し涙
韓国とベトナムに伝わっている伝説も、中国のラブラブ説が主流です。
地方により、天帝が怒る理由がちょっと違っているパターンが見られます。
二つの国で特徴的なのは、七夕の夜に雨が降ると、
二人の嬉し涙
と解釈されている所です。
翌朝に雨が降れば、
別れの涙
と言われます。
中国や日本では、雨だと川が渡れなくなりますが、その時はかささぎの群が身を重ねて橋になってくれます。
韓国とベトナムでは、雨でも晴れても鳥が橋をかけてくれます。
但し、韓国はかささぎとカラス、ベトナムはカラスが定説です。
織姫と彦星が隔てられたストーリーって、意外にたくさんありました。
それぞれの詳しい伝説は、検索するといろいろでてきますよ。
中国と韓国では、七夕は恋人の日としてバレンタインデーのようなお祭になっています。
あなたもぜひ、星を眺めて、大切な人のことを考えてみてはいかが?
恋人のひって解釈は、間違ってないなぁ~
もうすぐ七夕やから、何お願いするか考えとかんとな!