干支・十二支

十二支に「ブタ」がいないのはなぜ? いえ、実はいました。

Written by 言祝(kotoho)

十二支の由来

中国が発祥

十二支は中国が発祥といわれています。

歴代の王朝の暦を覚えやすい動物の名前に置き換えたものが十二支なのだそうです。

ところで十二支の中には「イヌ」はいますが、「ネコ」「ブタ」はいません。

これらの除外された動物は人間にとってとても身近な存在なのに不思議に思いませんか。

とくにブタは中国では多産や幸せのシンボルとされているようです。

こんなに縁起の良い動物なのだから十二支に選ばれても良さそうなものです。

日本の十二支のエピソード

日本には十二支の動物に関するエピソードが残されています。

大昔の年の暮れのこと、神様が動物たちにお触れを出しました。

「元旦の朝にワシのところに挨拶にきた動物たちのなかで先着12名に限りそれぞれ順番に一年間、動物の大将にしてやろう」

こうして集まった動物たちで十二支が構成されているそうです。

ちなみに「ネコ」はネズミにだまされ挨拶が一日遅れたため、十二支に加わることが出来ませんでした。

ネコはそのことを今でも恨んでいます。だからネズミを見ると追いかけるようになったとか。

「亥」は「豚」

実は十二支の中にブタがいないのは日本だけです。

中国でも韓国でも十二支の中にはブタがふくまれています。

実は「亥」は本来は「豚」を指しているのです。

中国で「亥」といえば豚も含めた呼称であり、特にイノシシは「野猪」や「山猪」と呼んで区別しています。

日本でも昔はブタのことを「亥(イ)」と呼んでいました。

時代とともにそれが変化しイノシシのことを「イ」と呼ぶようになったのだそうです。

十二支の「亥」は実はブタのことだったのです。



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ブタは世界中で愛されている

縁起がいい

「このブタ野郎」などと、日本ではどちらかといえばあまりいいイメージではないブタですが、じつは海外では縁起の良い動物とされています。

先述した中国はもちろんのこと、韓国では金運を上げるといわれていますし、ドイツではよいことがあったとき「ブタを手に入れた」という表現をするそうです。

また、誕生日や新たなスタートを切るときは四つ葉のクローバーとブタを組み合わせたフィギュアを交換する風習もあるようです。

ブラジルでは正月にブタの丸焼きを食べる習慣があります。

ブタが前に進む動物であることから

「前向きに一年を過ごせるように」

という願いが込められています。

もし今でも「亥」が「豚」であったなら

日本でも「亥」が「豚」という意味のままであれば、ブタ年生まれの人が存在するわけです。

もし恰幅(かっぷく)がよかったら

「お前、ブタ年生まれだから太ってるんだ」

なんて理不尽なことをいわれそうです。

海外の人からはうらやましがられるかもしれませんね。

新年がブタ年だったらブタのイラスト入りの年賀状を作ることになるんですね。

なんだかかわいいと思います。ブタはデフォルメしやすい動物ですからね。

まさケロンのひとこと

日本で豚はあまり良いイメージがないみたいだけど、他の国々からは愛されてるんだね。日本人のみんな、もっと豚を愛してあげて!

masakeron-oko


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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」