春です。桜前線が順調に日本列島を北上中です。
お花見のお供に、午後のお茶どきに、「桜餅」なんてあると、なお春らしさが盛りあがります。
最近はコンビニやスーパーでも、この時季には安価な桜餅が売っています。が、たまに老舗の高いやつを食べると、やはり全然違う美味しさです。
スーパーなどの品物は、どうしても固くならないよう、砂糖が多めで、保存料などの添加物も複数入っています。
子どもたちなどにはできれば無添加のものを食べさせてあげたいですね。
近所のホームメイドの和菓子屋さんなら、比較的庶民的な値段で無添加手作り品が買えます。
が、無添加な分、半日店頭に並んでいただけで、作り立ての軟らかさや美味しさは、やっぱりちょっと落ちてしまいます。
添加物がなくて、出来立ての香りとしっとり軟らかい美味しさを味わいたいなら、いっそ、自宅で手作りしてしまいましょう。
道明寺の桜餅の由来
ツブツブのピンクの丸い桜餅
桜餅のことを「道明寺」と呼ぶ人がいます。
ツブツブのご飯のような餅であんこを包んだ丸い形の桜餅は、もともと関西が発祥で全国に広まりました。
関西以西は桜餅といえばほぼこのタイプです。
一方、東の方では、日本海側や北海道ではこの道明寺が主流ですが、関東甲信地域と太平洋側の東北地方、石川県では、ちょっと違うタイプのものを桜餅と呼んでいます。
薄いクレープ状の生地であんこを巻いたタイプが、これらの地域の桜餅です。
そして、ツブツブタイプは「道明寺」とか「道明寺餅」と呼んで区別しています。
道明寺が発祥の地、だったわけではないんです
関東の桜餅は、「長命寺」と言います。
東京向島のお寺、長命寺の門前で売られた名物だったからです。
「道明寺」は大阪の藤井寺にあるお寺です。が、道明寺餅はそこが発祥の地、ではありません。
餅の材料が「道明寺粉」なので道明寺餅なんです。道明寺(寺)は、道明寺粉の発祥の地です。
道明寺粉とは、もち米を水に浸して、蒸して、干して、荒くひいた粉です。
戦国時代、戦場に携帯する保存食として重宝されていました。
現在は、保存食としての用途はほとんどなく、もっぱらおはぎや桜餅の材料として使われています。
桜餅をうちで作ってみよう
レンジがあれば簡単です
和菓子屋さんでは、道明寺粉をよく水に浸してふやかしてから、せいろで蒸して、アツアツの時に砂糖を練り込んでいく、という作り方をしています。
家で作ろうと思っても、蒸しものって道具も使うし、冷めないうちに上手に生地を練り込んでいくのは結構大変です。
が、ご心配なく。
今は「電子レンジ」というスグレモノがあるので、材料を全部ボウルに入れてチンするだけで、手軽にハンドメイド桜餅が作れます。
『一番簡単で、失敗しにくい作り方』をご紹介します。
材料
砂糖:12g
ぬるま湯:150cc
赤い食品用着色料:少々
桜の葉の塩漬け:10枚
つぶあんorこしあん:200g
『10個分』です。
ぬるま湯は、水よりも砂糖を溶かしやすく、道明寺粉をふやかす時間が早めるために使います。
水でもよいのですが、粉が馴染むまでの時間を長めにしてください。『早くしたい人は熱湯を』使ってください。
作り方
[準備]
- 桜の葉は表面の塩を洗って、水気を拭いておく。
- あんこは10等分してまるめておく。
[餅をつくる]
- 耐熱ボウルに道明寺粉、砂糖、ぬるま湯を入れて砂糖を溶かすようによく混ぜる。
- 着色料をほんの少し混ぜ、薄いピンク色にする。
- ラップをしてそのまま30分くらいおき、粉を十分ふやかす。
- 500wのレンジで2分30秒、600wならば2分加熱。
- ラップをしたまま15分蒸らす。
- しっとりもっちりしてきたら、木べらで数回練って粘りをだす。
レンジの時間は目安です。
まだ粉っぽさが残っている感じなら、『30秒ずつ追加でチン』してください。
[仕上げ]
- 手で持てるくらいに冷めたら、生地を10等分して軽くまるめる。
- 水をつけた手のひらで平らに伸ばし、あんこを乗せて包む。
- 桜の葉をくるっと巻いて、出来上がり。
餅生地は、冷め過ぎると固くなってまるめにくくなります。
火傷しない程度に冷まして、まだ熱いところで手早く形作ってしまいましょう。
生地がベタベタして手にくっついてしまう時は、『ラップにのせて』やってみましょう。
まとめ
小麦粉生地で作る長命寺に比べると、練ったり丸めたりの技が若干高度な道明寺。あんこを包むのは、最初は難しいかもしれません。
やっているうちに慣れてきますから、だんだん素早く綺麗にできるようになります。最初は不恰好でも、臆せず頑張って作りましょう。
まだほんのり温みが残るくらいのできたての道明寺は、香りもたって、餅のふんわり感が心地よく、本当に美味しいです。
試してみる価値おおいにありなので、良かったらぜひやってみてください。
関西風の桜餅はブツブツしててピンクのおはぎみたいにあんこが内側にあるんだ。「道明寺」の桜餅といえばこれ!
ふんわり香るできたての道明寺を堪能しよう!