健康・医療の豆知識

AEDを使用した結果、相手が助からなかったら責任は問われるのか? 

Written by 言祝(kotoho)

AED、目にすることが多くなったが…

もし、倒れている人を発見したら

もしあなたが、倒れている人を見つけたら、どのような行動をとるでしょうか?

まず声をかけるでしょう。意識があるかどうかの確認ですね。意識がなければ、たぶんほとんどの人が救急車を呼ぶと思います。

医者や看護師といった医療関係の職についていて、専門知識と技術を身につけているのなら別ですが、一般市民には救急車を呼ぶことぐらいしかできません。

炎天下で倒れている人を発見したとして、日陰に移動させたほうがいいのかも、迷ってしまいます。

炎天下でそのままにしておくのは、良くないことぐらい素人にも判断がつきますが、もしかしたら移動させたことによって、なにか問題が起きてしまうとも限らない。

ちょっと神経質すぎるかもしれませんが、人の命にかかわることなので、筆者などはそれぐらい臆病になってしまいます。

どれだけの人がAEDを積極的に使用するか?

通報から救急車が到着するまでの時間は平成25年のデータでは「約8.5分」となっています。

意外に時間が掛かるという印象です。患者の状況、特に心臓発作では、心停止してから3分経過してしまうと、生存率は50パーセントに低下してしまうそうです。

心臓発作で救急車を呼んだ場合は、到着まで何もしないとかなり危険であるということがいえると思います。

そのためにAEDがあります。AEDについては皆さんもよく見かけることでしょう。

駅や公共施設には必ず設置してあります。

AEDは

「Automated External Defibrillator」

の略で正式には

「自動体外式除細動器」

と呼びます。

けいれんが原因の心停止にたいし、電気的な刺激を与えることで、心臓の機能を回復させる目的の医療器具です。

医療器具ではありますが、非医療事業従事者、つまり一般での使用が認められています。

動作が自動化されているからです。

音声のアナウンスが流れ、専門知識がなくとも適切な処置が施せるようになっているので、まったく経験がない人でも救急車到着までのあいだに必要な処置を行うことができます。

でも、やっぱり躊躇してしまうことが多いのではないでしょうか? 

使用が認められている、動作が自動化されているといっても人命に関わるわけですから積極的にAEDを使用する人は少ないと思います。



スポンサーリンク

人命救助に伴なう責任

責任について

AEDに関して、筆者が個人的に心配しているのは、

「もし、AEDを使用したにも関わらず、相手が助からなかったら責任が問われるのではないか?」

ということです。結論を先に述べてしまうと、責任を問われることはありません。

人命救助目的での使用であれば、免責されます。

逆に、校内で心臓発作を起こし、病院搬送後死亡した小学生の両親が

「AEDを使用しなかった」

として学校側を訴えた例があります。

ということは

「AEDを使用して何か問題が起きたら困るので、使いたくない」

という考えは人命救助という観点からはズレているものと考えることもできます。

でも責任は問われないから、安心だ、というわけではありません。

講習会参加のすすめ

医療に携わっている人たちは、国家試験を受けています。

国が認めなければ医療行為に従事することはできません。

それに見合った知識、技術が求められるのです。AEDの使用も医療行為だと、筆者は思います。

医療行為である以上、誰でも行っていいということにはならないと筆者は考えますが、皆さんはどう思いますか?

少なくとも、講習会参加者以外はAEDを使用しないべきではないか。

自動化されているからといって、それまでまったくAEDに触れたこともないのに使用することができるか?

筆者は自信がありません。だから、機会があれば救命講習を受けようとも思います。

AEDを一般人は安易に使用するな、と主張したいわけではありません。

AEDを使うことにより人の命を守ることができるのであれば、それは素晴らしいことだと思います。

でも人命に関わることなので、慎重に行動しなければならないという考え方もあるということを伝えたかったのです。

まさケロンのひとこと

まさケロンは車の運転免許の教習でAEDやったな~。ちょっとずつだけど、基本的な医療行為も国民の義務になっていくのかな。

masakeron-normal


スポンサーリンク

あなたにオススメの記事&広告

筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」