書店はもっと本を置くべきではないのか?
「本が無い」書店が多すぎる気がする
紀伊国屋書店が、日本を代表する作家である村上春樹氏の新作エッセイを「買い占め」たことが話題となっています。
これはインターネット書店への対抗策として打ち出されたもの。
初版10万冊の9割を出版社から直接、買い取り、全国の紀伊国屋書店などで、いわば「独占販売」に近い形で販売することでネット書店に対抗しようというものです。
紀伊国屋書店のこの施策、ネット書店に押され気味の「リアル書店」の復興のきっかけとなるのか、いち読書ファンとして注目しています。
紀伊国屋書店も含め、全国の書店にさらに提案があります。それは、
「もっと本を置いてほしい」
というものです。
筆者は、
「本はナマモノ」
だと考えています。
読みたい本を見つけたら、その時に買っておかないと、二度と入手できないという意味です。
と考えると、ほぼ間違いなく、その本は入手できません。
後日改めて書店に行くとお目当ての本は跡形もなく消えていることでしょう。
たぶんこれは
「売れない本は出版社に返品できる」
という原則が背景にあると思われます。
と思う人もいるかもしれませんが、実はそうでもありません。
たとえば、いま、どこの書店に行っても平積みされているような人気本があったとします。でも一ヶ月も経てば、新たな新刊や別の人気本にその座を奪われ、数冊しか残っていないということは珍しくありません。誰でも名前を知っているような人気作家の本でさえこのような扱いです。
だから筆者は、「もっと本を置いてほしい」と思うのです。
ネット書店には「本がある」
対照的なのはネット書店です。相当マニアックな本でも在庫があります。
ネット書店では「本はナマモノ」ではなく
「ナマモノだけど、冷蔵保管しているからいつでも提供できます」
という感じです。
さらにいえば、絶版になってしまい古書でしか入手できないうえ、それなりにプレミアがついている本が「電子書籍」という形で、安価に購入できる場合もあるのです。
筆者はどちらかといえば電子書籍よりも紙の本が好みですが、
「伝説の入手困難な本」
が読めるのであれば電子書籍でもOKです。
こういったところがネット書店の最大のメリットであり、「リアル書店」が押され気味になっている原因のひとつなのかもしれません。
リアル書店が復興するためには
リアル書店でしか体験できないもの
それでも筆者はリアル書店の方が好きです。
何千、何万も陳列されている本の中から、面白そうなものを選ぶという体験ができるからです。
ネット書店でも
「関連する書籍」
だとか
「あなたにお勧めの商品」
などのリンクをたどっていくと、とんでもないお宝を見つけることがありますが、リアル書店のそれには適わないと筆者は思っています。
リアル書店は文字通り“リアル”なわけですから。
それから
「この本が私を呼んでいる」
的な体験もリアル書店でなければできませんよね。
最近はあまりやりませんが、
「本のジャケ買い」
というのも面白いですよ。だいたい失敗しますが…。
得意分野をつくってみては?
どんな本でも入手できるというネット書店のメリットを、そのままリアル書店に適用するのは難しいでしょう。
限られた店舗面積のなかでの在庫を考えた場合、やはり売れる本を優先してしまうのは当然のことです。
以前住んでいた街の書店に、
「医学書コーナー」
がありました。
規模はそれほど大きくないのですが、その分野ではけっこう有名だったようで、学生さんや、おそらく現役の医師と思われるお客さんで賑わっていました。
このように特化するというのもひとつの方法かもしれません。
筆者はただの本好きですがこのような書店があれば、多少遠方でも足を運ぶと思います。関係者の方々、いかがでしょうか?
リアル書店のほうがワクワクするんだよね。でも実際に本を買うとなるとネット書店が多いかも。なんでかな。。