21世紀になって早くも15年超、IT機器や情報管理の環境についての考え方は、15年前とは比べ物にならないほどに変化発展してきました。
今や、携帯電話を持たない人はほんの一部となり、SNSというサイバー空間での関わりが、日々の人間関係の多くを占める人も大勢います。
そんな時代にも関わらず、日頃のスケジュール等の管理に関しては、スマホのアブリをフルに活用するなどしてデジタルな情報管理に依存する人はまだ少なく、若い大学生までもが、まだまだ7割以上は「手帳」というアナログ手段を使っているそうです。
スマホより手帳がいい!という人の理由
メーカーやwebサイトのアンケートの結果や、ブログなどのコラムを見ていると、アナログ手帳を使っている人たちの支持する点は、だいたい以下のようなものに集約されるようです。
アクセスのよさ
- PCやスマホの電源を入れて、
- カレンダーアプリや手帳アプリを起こして、
- 日付やカテゴリーや細かい項目をひとつひとつクリックして・・・
と、開いていくより、
「手帳をパラパラとめくる方が早い!」
という意見が圧倒的に多いです。
書き込むほうはなおさら、
「パッと開いてパッと書き込める手頃さ」
は、デジタル入力ではかないません。
管理内容の少ない人なら、カレンダーの一か月予定一覧をパッと見るくらいでいいかもしれませんが、複数の項目の予定や細かい時間、必要なメモ書きなど、詳細な情報を確認しようとすると、たどり着くまで面倒臭い!と感じる人も少なくないようです。
見やすさ・わかりやすさ
詳細を把握するのに次々タグを開いていく展開は、項目整理はしやすい反面、見たいことが見えづらい面もあります。
いろいろな予定を全体的に見渡したり、メモ書きや関連予定などとの関係を並べて見比べたりするには、隙間にいろいろ書き込みを重ねている予定一覧のような雑多な形のほうがわかりやすいのです。
また、書き込んだ時系列に沿ってページをめくっていくと、そこに至るまでの流れや、過程のメモなども自然と目に入ってきます。それらの周辺情報から何か大事なことに気付く場合も、案外多いものです。タグで必要な予定だけをピックアップすると、そういう余計な情報が目に入ってきません。
外観の印象のよさ
スマホも確かにスタイリッシュではありますが、洗練されたデザインの手帳を使う姿は、大変品よくスマートな印象を与えます。人気の高いブランド品はもとより、昨今は100均ショップの手帳ですら、使いやすそうでおしゃれなデザインのものが大変多いです。
電車の中で下を向いてスマホをチェックしていると、周囲への心配りを欠いて自分の世界に没頭している人のように見える場合もあります。手帳を開いていても、あまりそういう感じは与えません。
会議中、おもむろに手帳を開くと、仕事の都合を考えているように見えますが、スマホをいじり始めると、「こいつ会議中に何やってんだ」みたいな目で見られるかもしれません。
セキュリティの心配
手帳アプリ等は比較的安全ですが、グーグルカレンダーや、クラウドサービスなどに情報保管する形だと、情報漏れが心配だという人も案外たくさんいます。手帳は人の手に渡さない限り中を見られることはありませんが、スマホやPCは情報抜き取りウイルスなどにやられてしまうリスクはどうしてもあります。
記録の保存性
スマホを紛失したり、PCがクラッシュしたりすると、記録してあった情報もパア!ということを心配する人も多いです。日々新たに書きこんだり修正したりするスケジュール管理は、毎回バックアップをとることは無理です。
また、何年か前の出来事を確認したいと思った時、取っておいた手帳はすぐに開けます。買い替え前に使っていたスマホを再起動させるのは手帳よりだいぶ面倒です。
デジタル化も決して悪いことではない
今後はデジタルの使い勝手はさらに進化する
どの理由も、納得できる部分がたくさんあります。とはいえ、デジタル管理のほうも、ハード・ソフト共に日々進化しているので、機能面の問題は追々解決していくと思われます。
人々の機器の使いこなしも洗練されてくるでしょう。デジタル管理する人が増え、手帳アプリ等の知識ももっと一般に広まれば、いずれ外観の印象も変わってくるはずです。
手帳はパッと開けるけれど、カレンダーアプリを開くのは面倒、という人も、ホーム画面にカレンダーを掲示し、リマインダー(予定通知)機能を使うなど、開かなくても予定がわかるようにすると、だいぶ便利になりそうです。
ノートアプリを使い、カテゴリー分けは極力減らし、記載した時系列に情報が並ぶような形にできれば、手帳をめくるように情報をまとめて把握しやすくなるかもしれません。
アナログは新たな付加価値を呼び起こすかも
アナログ手帳の良さは、手触りや万年筆等で手書きする味わいなどもあります。これからは、機能の面ではデジタルの利便性が上がってくるかもしれませんが、アナログはアナログにしかない付加価値の見直しが、更に進む可能性も大きいです。
アナログにこだわる人も、デジタル化を目指す人も、自分にあった機能を上手に使いこなしながら、便利でおしゃれなスケジュール管理を今後も追及してください。
実はまさケロンも手帳派なんだよね。でも音声認識がもっとすごいことになってきたらスマホで全部やっちゃうかも。「どっちが手軽か」ってところでまだ「手帳」なんだと思うな~。