覚えないといけないことが山ほどある時に限って、
- ついついTVの番組が気になったり、
- 趣味の楽しいことの妄想が頭の中に沸いてきたり、
- 大好きなアイドルのことを考えてしまったり・・・
「ちっとも集中できないよー」と、焦ってしまった経験はありませんか?
TVは消したほうがいいと思いますが、
- アイドルのポスターを壁に貼ったり、
- フォトスタンドに入れて飾ったり、
- 雑誌のグラビアをめくったり、
“「思わず美人に見とれてしまう」ことは、逆に記憶力を高める効果がある”
という研究発表をしたアメリカの心理学者がいます。
ほんとかなぁ・・・なんか怪しい気もします。
美人の写真とそうじゃない人の写真を見る実験
美人を見ていると記憶力がアップする
2015年12月、アメリカ・イーストカロライナ大学心理学部のマイケル・ベーカー助教授らによる研究チームが、男女の学生を対象に行った2つの実験について発表しました。
ひとつ目の実験は、58人の学生に、物語を聞きながら、7秒間、異性の写真を見てもらうものでした。男女それぞれ、半分の人には美しい顔立ちの異性の写真を見せ、残りの半分には普通の顔の写真を見せました。その後、物語について質問をすると、
“美しい顔の異性を見ていた人のほうが、物語の詳細をより覚えていた”
という結果がでました。
ふたつ目の実験は、100人余りの学生に、同じように物語を聞かせるものでしたが、今度は、話を聞く前後に写真を見せました。
- 美しい異性の写真を見てから物語を聞き、終わったら普通の顔を見る
- 普通の顔の異性の写真を見てから物語を聞き、終わったら美しい顔を見る
- 聞く前も聞いた後も、普通の顔の写真を見る
という3グループにわけて実験しました。
結果、“事前に美しい異性を見たグループが、最も記憶力が良かった”のです。
美しい人を前にすると、自分をよく見せようとする?
ふたつの実験とも、女性はわずかな差にすぎませんでしたが、
“男性の方が、美人によって記憶力が高まる傾向が顕著に表れる”
ということがわかりました。
研究チームでは、
“集中力を高める”ことにつながり、結果“記憶力が高まる”
と、分析しています。
欧米人男性は、女性より肉食系のようで、
「より自分を売り込もう」とか、
「相手を喜ばせるポイントを探ろう」とか、
ついつい気張ってしまう傾向が強い、ということでしょうか。
ぶっちゃけ“男性の方が、下心が働きやすい”のかもしれません。
ちなみに、これは付き合っている異性がいる・いないに関係なく、無意識に働く作用であるということです。
本当に美人の写真一枚で賢くなれるのであれば、男性の皆さんは常に美人の写真を見えるところに置くといいかもしれません。
女性と男性が出会うことが、認知能力に与える影響
女性と一緒にいると、男性の認知能力は低下する
さて、ベーカー助教授のチームの実験より以前に、オランダ・ラドバウド大学の研究チームが別の実験を行っていました。それは、人の“認知能力”が、異性によって影響されるかどうかを調べた実験でした。
- まず、40人の男子学生を個別にそれぞれ女子学生と出会わせ、共に過ごした後、男女とも認知能力がどうなったか調査しました。
- 次に、53人の男性と58人の女性を同じ部屋に入れ、自由に交流させた後、同様に認知能力を調べました。
どちらの実験でも、女性はそれほど差が出ませんでしたが、
“男性は女性と過ごすと、その直後認知能力が大きく低下する”
という結果が出ました。
この実験でも、男性に彼女がいてもいなくても関係ありませんでした。
女性の気を惹くために気を遣い過ぎて、脳が疲れてしまう?
この理由について、研究チームのヨハン・カマンス教授は、
「男性は女性の気を惹くため、常に”印象作戦”を展開する生き物。女性に良い印象を与えようと絶えず頭を使い続け、相手の些細な反応に対し 自らの言動を逐一修正している。そのため男性は、女性と出会った後には脳が疲労しており、認知能力が低下せざるを得ない」
と、分析しています。
男性が異性を意識して「下心を働かせる」ことは、アメリカの実験の分析と同じです。が、
一方は「集中力を高めるから記憶力が高まる」といい、
もう一方は「脳が疲労するから認知能力は低下する」といっています。
アメリカチームは、
「実際に一緒に過ごすのと写真を見るのとではストレスが全然違う」
と、矛盾の原因を説明しています。
写真だけなら脳は疲れないということですが・・・う~ん、なんともいえませんね。
女性と一緒にいると、男は賢くなる?馬鹿になる?
しかし、社会学の分野では、
“男性ばかりの部署に女性を数人配置すると部署全体の業績が上がる”
ということは半ば常識になっています。
実例も、ビジネス現場や部活のマネージャーの影響など、枚挙にいとまがありません。
実験は学生対象なので、若い年齢層に特徴的なこと、かもしれません。
ひとつの能力だけでは、賢いか馬鹿かの判断はできない、ともいえます。
一個人の能力が低下しても、チーム全体の能力は高まる、という見方もできます。
草食系男子が多い社会では、違う傾向が出る可能性もあります。
男女の心の機微というのは、そう単純なものでもないようですね。
美人に見とれすぎて結局なにも覚えられなかった、なんてことにはならないように気をつけたいね!