知られたくないものは、隠す
マイナンバーカード
先日、マイナンバーカードを受け取りに行ってきました。個人番号制度に関しては様々な意見があります。しかし運転免許を持たない筆者としては「身分証明書」として必要なものであるので、申請したわけです。
窓口でカードと一緒にケースを渡されました。ケースといっても、ペラペラのビニール製で簡単に破けてしまいそうなものですが、これに入れることにより個人番号などの重要事項がマスキングされて見えなくなるのです。窓口係の女性曰く、
「このケースに入れたままで提示してください」
とのこと。
なるほど、いろいろと気を使ってくれているのだなと感心しましたが、逆にいえばこのカード、かなりの重要な情報が記載されているということになりますよね。
「性別」は個人情報なのか?
「情報保護ケース」(と勝手に筆者が命名しました)に入れた状態で隠されるのは、
- 「個人番号」
- 「臓器提供意思表示欄」
- 「性別」
です。
あれ、ちょっと待ってください。「性別」って個人情報なのでしょうか?
男か女かなんて顔を見れば、すぐに判別できますよね。
または名前でも判断できます。そもそもマイナンバーカードは顔写真付き。だからわざわざ性別欄を隠してもまったく意味がないのではないか? それなのにあえてマスキングしているのはなぜなのでしょうか。
最初に頭に浮かんだのは「トランスジェンダー」に配慮した結果なのではないかということ。しかしどうもそうではなく「個人情報」保護が目的のようなのです。
個人情報は奥が深い
特定の個人を「識別」できるもの
個人情報とは「特定の個人を識別できる情報」のことを指します。
個人情報といえば、まず「名前」が思い浮かびますが、厳密にいえば「名前」だけでは個人を特定することはできません。
それでは「名前」と「住所」ではどうでしょう?これならほぼ完全に個人を特定することができますよね。
筆者が疑問に感じた「性別」ですが、これは個人情報に含まれます。もちろん「性別」だけでは個人の特定などできるわけはありませんが、「名前」と「住所」に「性別」が加われば、特定は容易です。
また「生年月日」も個人情報として扱われる情報です。「性別」同様に「生年月日」もほかの情報と照合させることで個人の特定が可能になってしまいます。
いまや誰もが持っている携帯電話やスマホ。これらの「携帯電話番号」はもちろん個人情報に該当しますが、一部の団体が、
と主張しているそうです。
その根拠は、
とのこと。
是非はここでは問いませんが、なかなか面白い主張ではあります。
「個人情報」と「プライバシー」
個人情報は「個人を特定できる情報」ですが、よく聞く「プライバシー」とはどういったものでしょうか?
プライバシーとはざっくり解説すると、
- 個人の私生活に関する情報で
- 公にはなっておらず、
- 公開したくない
情報ということになります。たとえば「LINE ID」が個人情報だとしたら、メッセージの内容がプライバシーに該当するといった感じでしょうか? 個人情報とはちょっと異なりますが、重なる部分も多いようですね。
「身長」や「体重」はプライバシーの代表的なものですし、「職業」や「年齢」も知られたくないと考えている人もきっと多いと思います。「性別」や「生年月日」は個人情報でもあるし、プライバシーでもあります。
個人情報は流出事故などの報道を通じて、非常に関心が高まってきていますが、プライバシーの尊重も、同じくらい大切なものなのではないでしょうか。
性別も個人情報ってことは、それだけ大事な情報なわけだ。安易に公開するのはよくないんだね!