黒糖焼酎の勘違いポイント
黒糖焼酎はその名の通り、黒糖、つまり黒砂糖が原材料です。筆者は黒砂糖が大好きなので、あの独特のコクのある甘味のお酒が出てくると思って飲んだことがあるのですが、ぴりっとした辛めの味でした。
色も透明で、
「黒糖なのに?」
と首をかしげてしまいました。
基礎知識その1:黒糖焼酎は奄美諸島だけの名産
黒糖焼酎は沖縄産である→✕間違い
黒糖焼酎は鹿児島県奄美諸島だけで製造が許可されている焼酎です。黒糖焼酎と呼ばれていますが、正式な名前は
「奄美黒糖焼酎」です。
黒糖と言えば沖縄の名産のため、黒糖焼酎も沖縄で製造されていると思われがちですが、これは間違いです。
黒糖焼酎の歴史
黒糖焼酎の歴史は江戸時代にサトウキビから作られた密造酒から始まります。もっと古くから作られていた可能性もありますが、文献に登場したのはこの頃です。明治時代から自家醸造が盛んになり、酒造所が作られ、製造が本格化しましたが、戦争中の米不足、酒蔵の破壊によって、蔵元が壊滅します。
戦後、奄美諸島は米軍の占領下に置かれ、経済発展のため特例で自家醸造が認められました。それでも、島では米の生産量が限られていたため、本土に出荷できなくなり、余っていた黒糖で焼酎が作られるようになりました。
「奄美黒糖焼酎」は地域団体商標として登録されている
たとえば、東京都の小笠原諸島でもサトウキビを使って酒造りをしていますが、造っているのはラム酒です。原料が同じでも、黒糖焼酎は奄美諸島だけでしか造られていません。
2009年、「奄美黒糖焼酎」は、奄美大島酒造協同組合の地域団体商標として登録されました。地域ブランドとすることで、黒糖焼酎の品質を保ち、新たな酒造りと黒糖焼酎の発展に取り組んでられます。
基礎知識その2:黒糖焼酎は蒸留酒
黒糖焼酎は甘い→✕間違い
筆者も勘違いしていて、実際に飲んで驚いたのですが、黒糖焼酎は甘くないです。黒糖焼酎は奄美諸島の島によって製造法も味も異なります。中にはほんのりと甘い風味が残るものもありますが、基本的には「クリアな辛口」です。
黒糖焼酎は黒い?→✕間違い
黒砂糖の褐色そのままの色かと思いきや、黒糖焼酎は「無色透明」です。これは黒糖焼酎が蒸留酒なためです。蒸留とは、不純物を取り除き、濃度を高めることです。
黒糖焼酎は糖質ゼロ→◯正しい
黒糖焼酎の蒸留方法の多くは、いちど90度まで熱して、混合物を完全に分離する常圧蒸留です。小学生の頃の理科の実験を思い出してください。フラスコで水を沸騰させ、蒸気をガラス管に通して冷やすと、純粋な水ができましたよね。あれと同じ方法です。結果、純粋なアルコール分だけが残り、色も無色透明に、味は糖分が抜けて辛口になります。
糖分がゼロのため、
- カロリーが低い
- 血糖値が上がりにくい
という、うれしい効果があります。
黒糖焼酎は体に良い→◯正しい
糖分だけでなく、ビールや日本酒に比べると
- プリン体が少ない
- アルコールに含まれる血栓溶解酸素が多い
そのため、他のお酒より、「健康志向」に合っていると言えます。
基礎知識その3:黒糖焼酎はどこで飲める?
奄美群島内だけでなく、日本全国に流通していて、手軽に購入できます。
- 焼酎の種類をたくさんそろえた居酒屋
- 大手酒店、スーパーマーケット
- オンラインショップ
- 鹿児島の物産展
全国で消費されている焼酎の中で黒糖焼酎の割合は2%と、まだまだマイナーです。酒店、スーパーマーケットで手に入るのは大手酒蔵のもので、その他の黒糖焼酎はインターネット通販や、デパートの催事で鹿児島物産展があるときにチェックしてみてください。もちろん、奄美の島々を訪れ酒蔵で購入するのも一興です。
基礎知識その4:黒糖焼酎の飲み方は?
焼酎ですので、
- ストレート
- オンザロック
- 水割り、お湯割り、ソーダ割り
- サワー
- ウーロン茶割り
と、さまざまな飲み方が楽しめます。
「牛乳」や、「ジンジャーエール」、「オレンジ」でカクテルにするのもおすすめです。水割りにするときは、割り水といって、飲む前日に水で割って寝かせると、おいしくなりますよ。
ご注意ください!
低カロリーで健康志向に合ったお酒でも、高カロリーなおつまみと一緒に飲むとダイエット効果は得られません。
また、黒糖焼酎の健康効果はあくまでも
「他のお酒と比べて良い」
ということです。体に良いとからと飲み過ぎると健康に悪影響を及ぼします。飲み過ぎに注意して、適量の飲酒を心がけましょう。
「黒砂糖」が好きだから「黒糖焼酎」も好きになる、とはかぎらないわけだね~!