お酒飲めますか? それとも苦手ですか?
社会人と酒
皆さんは、自分は社会人になったんだな、と実感した瞬間を思い出せるでしょうか?
内定をもらったとき、入社式に臨んだとき、もしかしたら初めて給料を手にしたときかもしれませんね。
筆者は「初めて上司や先輩に囲まれてお酒を飲んだとき」に社会人になったんだなあ、と感じました。新人歓迎会だったと思います、両脇を先輩に抑えられて、徹底的に飲まされました。
お酒が弱く、飲むとすぐ気持ち悪くなってしまう筆者にとってはとてもつらい経験で、気分が悪くなってトイレに駆け込み、なんとか落ち着いてまた席に戻ってくると、さらに、畳みかけるように一気飲みをさせられました。
アルコールハラスメントなんて言葉はない時代のこと、どんなに飲まされても酔っぱらった様子が全くない同期がうらやましいと思いながらも、下戸である筆者はとにかく頑張ってついていくのがやっとでした。
「自分はお酒が苦手です」
と断ることもできたはずなのですが
「ここでお酒を断ったら、きっと、この新人はつまんない奴だなあ」
と思われてしまうかもしれないと考え、自分に鞭打って耐えたのです。
このような考え方や風潮が良いのか、悪いのかは別として「付き合い」というものは決して軽く見てはいけないな、という教訓を筆者は得ました。
この教訓は社会人になるためのパスポートのようなものだったのかもしれません。後に多くの場面でとても役に立ったことを覚えています。
酔いのメカニズムを知ろう
身体をめぐるアルコール
とはいうものの、お酒に関しては弱い人、強い人がはっきりしています。どんなに飲んでも大して酔わない人もいれば、ビールコップ一杯で酔ってしまう人もいる。この差はどこから来るものなのでしょう。
そもそも「酔い」とはどのようして起こるのものなのか、も気になりませんか?
まずお酒を飲むと、胃や腸で吸収されたアルコールが肝臓に運ばれます。
肝臓はアルコールを分解する役割を担っていますが、処理に時間がかかるため、ほとんどが血液により身体に運ばれます。
運ばれたアルコールが脳に達すると「酔い」が始まります。「酔い」とはアルコールによって脳の機能がマヒした状態のことをさします。
血中のアルコール濃度を調べることで「酔い」がどこまで進行しているのかを調べることができるそうです。0.4パーセントを超えると脳のすべての機能がマヒし、死に至る場合もあるとのこと。
これが酔いのメカニズムです。簡単にいえばアルコールが脳に悪さをするということになりますが、お酒の飲みすぎは死に至るケースもありうるということだけはしっかりと認識しておかなければならないでしょう。
次にお酒に「強い」「弱い」の差はどこから来るのかをみていきましょう。
肝臓がアルコールを分解する際に活躍するのが「アルデヒト脱水素酵素」。
これはアルコール分解の際に発生する「アセトアルデヒト」の毒性を無効化してくれる頼もしい酵素で、アセトアルデヒトの濃度が低いときに作用するものと高いときに作用するものの2つのタイプがあるそうです。
濃度が低いときに作用する方の酵素の力が足りないか、酵素自体が無いと、初期の段階でアセトアルデヒトを抑えることができないため「酔いやすい」体質になってしまいます。これが「強い」「弱い」の差ということになります。
アルデヒト脱水素酵素については遺伝が大きくかかわっていると見られています。「飲めば飲むほど強くなる」といわれることがありますが、これは根拠のない風評と考えたほうがよさそうです。
コミュニケーションを円滑にする一方で…
社会人になるとコミュニケーションがとても大切なスキルとして求められる場合が多々あります。その際に役立つのが「お酒」。コミュニケーションを円滑にしてくれます。ただしあくまでも節度を守った飲み方を心掛けなければなりません。
お酒に弱い、強いは体質なのだから、本人はもちろんですが、周囲もそのことをちゃんと理解して、バランスある飲み方を楽しみたいもの。お酒は、決して酔っぱらうことが目的で飲むものではないのですから。
ほどほどに調子に乗っていいと思うんだ。でもリミッターは残しておかないとね!乾杯!!