熱が上がれば、休むしかない?
熱についてもっとよく知ろう
「熱があるので、休みます」
魔法の言葉なんて言ったら語弊がありますが、会社や学校を休む理由として「熱」はもっとも分かりやすい症状ですし、「そんなことで休むな」などといわれることも(ほぼ)無いでしょう。
それはたぶん多くの人が風邪などで高熱を経験したことがあるので「熱がある」という状態がすぐに想像できるからだと思われます。
高熱で、仕事や学校を休んだ経験がない人はあまりいないのではないかとさえ思われるほどポピュラーな症状である「熱」ですが、逆にポピュラー過ぎて詳しいことはあまりよく分からないという人も多いことでしょう。
例えば自分の平熱、把握できていますか?
正確に把握している人の方が少ないのではないか。でも「熱がある、ない」の判断はできますよね。
なぜなら「37度」というボーダーラインがあるからです。37度を超えていると熱が高い状態だといわれてきました。
だだし最近では「37度はボーダーラインではない」とする説もあるのです。そのために自分の平熱を知ることはより大切になってきました。
さらに、熱は人間にとって敵か味方か、という問題もあります。熱が上がるのは良いことなのか、それとも悪いことなのか?
今回は身近ではあるが、ちょっと謎な部分も多い「熱」について考えていきたいと思います。
ボーダーラインは別にある?
ヒトには「平熱」というものがあります。
普段の、健康な時の体温のことです。体温が「平熱」を上回ったとき「熱が出た」という状態になります。同様に「37度」を超えても熱があると判断してきました。
この「37度」というボーダーラインは昔から利用されていますが、最近になって事情が変わってきています。
「37度」はボーダーラインとして適切な体温ではないというのです。
ある研究によれば日本人の平均的な正常時の体温は「およそ36.89度」。これってほぼ37度だといっても差し支えない数字です。
ということは37度超えイコール高熱、と必ずしもいえないということになりますよね。
むしろ「平熱」の数字に近いわけです。なぜ37度がボーダーラインだったのかは、実ははっきりとしていません。むかし各家庭に普及していた「水銀式の体温計」にて37度の部分が赤文字だったことが原因だとする説もあります。
「平熱」を知ろう
ただし37度は高熱の部類に入らない、ということではありません。いうまでもなく「平熱」には個人差があります。日本人の平均的な「平熱」が37度に近いというだけであって、37度は「熱が高い」状態であるという人も大勢います。
重要なのは自分の「平熱」をしっかりと把握するということ。
「平熱」を把握するには、
- 朝起きたとき、
- 午前、
- 午後、
- 夜
の計四回体温を測り、確認します。
人間の体温は一日を通して変化するために、時間帯ごとに測ったほうがより正確な体温が把握できるとのこと。それほど難しくありませんので、ぜひ実践して健康管理に役立てましょう。ちなみにインフルエンザなどの感染症の疑いがある場合は自己判断は避け、必ず専門医に診てもらいましょうね。
発熱は身体に悪いのか?
発熱時、身体の中では何が起きているのか?
風邪をひくと、だいたい熱が上がります。平時よりも体温が上がって、だるくなったり、頭痛がします。休養が必要な状態になるのです。
なぜ、発熱するのでしょうか?
発熱は体に悪いことなのでしょうか?
次に「発熱は善か悪か?」について考えてみましょう。
風邪をひくと体温が上がるのは、侵入してきたウイルスと闘うためです。実際に戦うのは、免疫性の細胞などですが、熱は援護のために上がります。
侵入してきたウイルスの増殖を防ぐためだったり、白血球(侵入してきたウイルスを食べてしまう頼もしい戦士です)の活動を活発にするために発熱するのです。だから熱が高いということは、身体の中で激しい戦いが繰り広げられているということになりますね。
だから、発熱は「敵か味方か」という問いに関しては、何ともいえません。侵入者と闘っている状況なのですから、良い状態に戻そうとしているわけであって、少なくとも「このままでは悪い影響を与えるから、すぐに発熱を抑えなけれならない」ということではなさそうです。
「熱っぽいなと思っても、絶対に体温は測らない。熱があったとしても知らなければなんとか頑張れる。下手に測って、熱が高いことを知ってしまったら、途端に頑張れなくなる」
この気持ちは分かります。特に社会人になると、今は絶対に休めない、という状況が少なくなかったりします。でも身体の中ではウイルスとの闘いが行われているのですから、援護するつもりで療養するということも必要かもしれないですよ。
普段から体温をはかる癖をつけておけば、カラダに異常があったときにすぐ気づけるもんね!歯磨き並に習慣にしたいかも。