4月23日は、国連の定める国際デーのひとつ
世界図書・著作権デー
です。
親しい人に本のプレゼントをしよう、という出版業界の呼びかけも高まる日です。
日本では、2001年に
を定め、この日を子ども読書の日としました。
毎年、子どもたちの読書意欲を高めようと国や自治体が率先して、キャンペーン活動を行っています。
読書なんてしなくても立派な大人になれるのでは?
読書の勧めは子どもにとって良いことなのか?
確かに、多くの人が子どもの頃から
読書は大切
だと教えられ、感想文の宿題などによって自分の好き嫌いに関係ない本を読まされる機会も多くありました。
読むうちに本の魅力に目覚めて、読書好きになる子もいましたが、中には、活字を読むのが苦手な子もいました。
そういう子は強制的に読書させられることが苦痛でしかなかったかもしれません。
そんな子は大人になってもずっと読書嫌い・苦手なままでいる人もいます。
読書によって知識が広がったり、思考力が高まることを否定する人はいないですが、読書が嫌いな子にも本を読むことを進めるのは、必ずしもいい面ばかりではないのではないか?
という人も中にはいます。
インターネットとTVがあれば、本は要らない時代?
今、インターネット(以下ネット)がこれだけ発達すると、本を使わなくてもいくらでも調べものができる時代になりました。
日々のニュースも友人とのコミュニケーションも、ネットで十分足りて不便なく仕事も生活もできます。
文章を読む力をつけるには、物語もTVや映画ではなく文字がいいと思いますが、それも今はネットで読める話がたくさんあります。
本を読ませるよりネットの検索の仕方を正しく教えるほうが役に立ちそうな気がします。
なぜ子どもには読書をさせたほうがいいのか?
子どもの読書活動の推進に関する法律では、
と謳っています。
ネットやTVではその役目を担うことはできないのでしょうか?
言葉を身に着ける過程で、わかる言葉に出会える
まず、一番初めの言葉を学びという部分で、本は大きな力を発揮します。
言葉を知らない赤ちゃんが物の名前(言葉)を認識して語彙を獲得していく過程では、周囲の人の言葉を自分のペースで繰り返し聞かせてもらうことが必要です。
TVの画面は一方的なスピードで次々流れていくので、興味を持ったところで止まってくれません。
気になったところだけ音声反復してもくれません。
赤ちゃんがTVを見ているだけで言葉を覚えていくことは難しいのです。
絵本の読み聞かせは、赤ちゃんの理解ペースに合わせて言葉を聞かせてあげられます。
言葉の存在が認識ができるようになると、大人が読んでくれない時でも、赤ちゃんは自分から興味を持った本の絵を自分で何度も見たり触ったりして確認し、そのうち自分でも声を発するようになります。
本のページは赤ちゃんが自分の興味に合わせてめくれますが、ネットの操作は赤ちゃん一人では扱いきれません。
子どもがたくさんの中から自由に自分で選べる
知りたい時に知りたい情報にどんどん出会うことで、学ぶ喜びが育ちます。
ネットの情報はまだまだ世の中の書籍の情報量には及んでいません。
最新情報は早いでしょうが、子どもが楽しく興味を引き、次々知りたくなる情報は、専門知識やニュースではなく、物語なんです。
物語を通して疑似体験をすることが、道徳や社会の仕組みを自然に学んでいくことにも繋がります。
物語を探すのに、ネットの検索と、本屋さんや図書館の児童書コーナーを見ることを比べたら、どちらがより自由に多くの楽しいものに出会えるでしょうか。
壊れたり無くしたりするから大事にする
子どもは好きなものを宝物にします。
それこそ豊かな感性と想像力から生まれる表現です。
自分で管理する必要もなくどこのパソコンからでも取り出せる物語のページを宝物にする子はほぼいませんが、自分だけの本を宝物にして大事にする子はたくさんいます。
ネットがあれば事足りると思うのは、必要なものだけ取り出せればいい大人の発想です。
無作為に多くのものに触れ、好きなものを発見して、それをとことん大事に楽しみ、自分の中で膨らませていく・・・
そういう感性と表現力と想像力の欲求を満たしたい子どもには、活字媒体の持つ力は計り知れないのではないでしょうか。
本嫌いになる子は、本の喜びを感じる力がないのではなく、その子に合う本と出合う環境を周りの大人が作ってあげていないだけかもしれません。
子どもに、本を読め読め言っても絶対に読まんと思うわぁ~
ガミガミ言うんじゃなくて、その子に合ったペースで読んでもらう必要があると思うねん。
読み聞かせてあげるのも効果的かもしれへんな!