まるで自転車のサドル
航空機の積み荷を減らす座席装置
離着陸時には着席ランプが点灯し、乗客は座席に座ることを義務づけられてきました。
このところ格安航空会社が脚光を浴びています。
食事や荷物預かりなどを極力カットしてその分航空券の価格を下げる。
これも一つのビジネスモデルだと思います。
しかし座席に座るというスタイルは変更しようがないため、コストカットにも限界があります。
理由は座席を設置する必要から自ずと一回のフライトで運べる乗客の人数に限界が出てしまうからです。
乱暴な言い方ですが航空機の場合、乗客も一種の荷物です。
だからといって貨物室に放り込んでおくことも出来ません。
離着陸時の衝撃に備えるためシートベルトの着用がどうしても必要になるからです。
そんななか、注目を集めてきたアイデアが飛行機の立ち乗り。
座席を極限まで簡素化し、
そのあまりにも突飛な発想から、結果として実用化はされないだろうと一部でささやかれてきたこのアイデアが、もしかしたら実現するかも知れません。
フランスの航空機メーカー、エアバス社が
立ち乗りシートの特許申請を米国に対して行ったのです。
短距離飛行に有効
自転車のサドル程度の腰掛けと必要最低限の大きさに小型化した背もたれが並んでいます。
この座席に着席すると限りなく立っている姿勢に近くなります。
立ち乗りシートと言っても差し支えないデザインです。
特許申請書類にはこのシートについて、
との説明が記されています。
座席を立ち乗りスタイルにすることで従来の座席が占有していたスペースを有効活用することが出来るのです。
と言うことです。
デメリットもあります。
ほぼ立っている姿勢に近いため長時間のフライトでは乗客の体への負担が大きくなると予想されます。
2~3時間の短距離飛行に有効と言えるでしょう。
立ち乗りという選択
格安航空会社の目を引くアイデア
もし立ち乗りシートが実用化されれば、立ち乗りという選択肢が追加されます。
利用者にとっても大きな選択肢となり得ますが、まず航空会社がこれを採用するかによって今後の動向に影響が出ることは必至でしょう。
特に格安航空会社としてはコストダウンの大きな可能性となり得ます。
短時間のフライトにしか向いていないというデメリットはあるものの、これまでよりも格安な料金で利用者に空の旅を提供できるのです。
「春秋航空」は立ち乗りに前向き
中国の格安航空会社、
春秋航空
は早くから立ち乗りを検討してきた航空会社です。
「春秋航空」はエアバスを所有していますが、充分な機体数を確保しておらず乗客数を増やす方法として立ち乗りシートの導入に前向きでした。
「春秋航空」の調査では立ち乗りを導入すれば乗客数を40パーセント増やすことが出来るという結果が出ています。
立ったまま空を飛ぶ、少し前では冗談としか思えなかったこのアイデアが現実となる日も、意外と近いかも知れません。
立ったまま飛行機に乗るって、絶対に疲れるやん・・・
でも、値段が安いなら一つの選択肢になるなぁ~