日本は後進国?
外国人観光客の不満
2020年に東京オリンピックが開催される予定です。
きっと多くの外国人観光客が日本を訪れることでしょう。
日本を訪れる外国人観光客がもたらす経済効果も計り知れないほど大きいと言われています。
2010年に日本を訪れた外国人観光客は約861万人でした。これは過去最高記録だそうです。
そして、もし1000万人もの外国人観光客が日本を訪れた場合、その経済効果は5兆8000億円になるとの試算があるそうです。
ただし多くの外国人が日本を訪れた際「不満」に思うことがあるそうなのです。
それは、
「無料Wi-Fiが無い」
ということ。
たとえば米・ニューヨークではログイン不要、無料で使えるWi-Fiがとても整備されています。
ホテルや空港といった観光客が集まる場所は、ほぼ100パーセント無料Wi-Fiが使えますし、レストランや商業施設、個人経営のバーなどでも無料Wi-Fiは当たり前なのだそう。
そのため街中であればネット利用には全く困らないと言われています。
意外にもベトナムの都市部も無料Wi-Fiが整備されており、東京よりも便利なのだそうですよ。
外国人観光客としてはネットで観光情報を収集したり、SNSを通じてリアルタイムで旅行記録を更新させたいのだけれど、日本にはその環境が整っていないのが残念に思えるということなのでしょう。
このような背景からようやく日本の都市部でも無料Wi-Fiの整備が進められてきているように思われます。
東京に限って調べてみると、
- JR山手線全域
- 都営バス車内(一部路線に限る)
- 東京メトロ・都営地下鉄の主要駅
などで、無料Wi-Fiが利用できるようになってきました。
今後オリンピック開催が近づくにつれて、無料Wi-Fiが利用できる環境が広がっていくことでしょう。
実際に試してみました
自宅の近所にコンビニがあります。
ここに無料Wi-Fiが設置されているので、実際に試してみました。
ちなみに筆者は通信会社と契約して、月額利用料を支払ったうえで自前のWi-Fiルーターを使用しているため、基本的に無料Wi-Fiは使用していません。
まずコンビニの前に行き、スマートフォンのWi-Fi設定画面を表示させました。
利用可能なネットワークのSS-ID(ネットワーク名のようなもの)のなかから該当するものを選択します。
これで接続が完了しました。Wi-Fi接続につきものの、パスワード入力も必要ありません。
通信速度も普段使っている自前のWi-Fiルーターと比べて、特に大きな差はないと感じられました。
今後、日本において無料Wi-Fiが普及し、ネット利用に困るようなことがなくなれば、自前のルーターは必要なくなるのではないかと感じました。
無料開放の落とし穴
野良Wi-Fi
Wi-Fiの電波は通常暗号化されているのは広く知られているところです。
接続には暗号を解除する必要があります。そのために必要なのがパスワード入力。Wi-Fi電波の暗号化解除という目的を知らなくても、Wi-Fi接続のためにはパスワードの入力が必要であることは、多くの人がご存知かと思います。
なぜ電波を暗号化するのか? 答えは簡単、セキュリティのためです。
『暗号化しなければ、丸見え状態』ですからね。
前述したように無料Wi-Fiを利用する際、パスワードの入力は基本、必要ありません。
これは利便性の為です。無料Wi-Fi利用時にパスワードの入力が必要になってしまうと、そのパスワードはどこで確認すればいいのか、ということになってしまいます。
ちょっと適切なたとえではないですが、公共の喫煙場所に入るために鍵が必要だということになると、どこでその鍵をもらうのか? ということになりますし、喫煙場所ごとの鍵が必要になってきますので、混乱します。
無料Wi-Fiは基本、暗号化されていない、と考えると、セキュリティについては残念ながら無防備ということになってしまいます。その気になれば通信の内容を第三者が簡単に閲覧できてしまうのです。
サービス事業者がはっきりしている無料Wi-Fiについてはそれほど神経質になる必要はないと思われます。
また利用に事前登録が必要なものに関してもおおむね危険はないようです。
危険なのは俗に
「野良Wi-Fi(のらワイファイ)」
とよばれるサービス提供者が不明の無料Wi-Fiです。
「野良Wi-Fi」に接続した場合、『通信内容がすべて盗聴される』と考えた方がいいでしょう。
ユーザーIDやパスワードの漏洩の恐ろしさはいまさら説明するまでもないことです。
また「野良Wi-Fi」によっては、『接続した端末への不正アクセス』を試みたり、『ウイルス感染』を行おうとするものもあります。
スマートフォンやパソコンだけではありません。
携帯ゲーム機も無線Wi-Fi接続して使用する場合があります。
いまのところはゲーム機に関する悪意ある攻撃の例はありませんが、今後被害が発生するかもしれません。
「野良」にはノラない
対策として一番望ましいのは「使用しない」ということです。
無料だからといって安易に接続するのは避けましょう。
特にSS-IDに「Free」や「Public」という文字が使用されているものには注意が必要です。
それでも「野良Wi-Fi」に接続するのであれば、
「盗聴される恐れがある」
という意識を持つことが大切なのではないでしょうか。
仮に悪意ある第三者に覗き見されても全く困らないような操作に限定するしかありません。
- 意識してクレジットカード情報の入力やパスワードの入力を伴うような操作はいっさい行わない
メールのやりとりについても同様です。
- 社内の重要な情報はけっして送信しない
それぐらいの慎重さが必要だと筆者は思います。
タダより高いものはない、という言葉があります。
無料Wi-Fiは本来は使用者に利便性を与えるもののはずなのですが、その分リスクも発生してしまうのはしかたがないことと諦めるしかないのでしょうか?
無料Wi-Fiも「これは安全性・セキュリティが確保されていますよ~」てのが見ただけでわかればいいんだよね。
たぶんそのうちなると思うから、それまでは利用するときに「盗聴される恐れがある」ことを意識しよう。