シワシワって
ふつうの名前のことでしょう?
最近、地味にネット上で話題になっているような気がする「シワシワネーム」が今回のテーマです。
最近流行の、奇抜な名前を指した「キラキラネーム」に対して「シワシワネーム」というのが注目されているそうです。
具体的には
- 「○○子」
- 「○○男」
といったごくふつうの名前を指しています。
ニュアンスとしては特に昭和を感じさせるちょっと古風な名前に対して「シワシワネーム」と呼ぶみたいです。
それにしても「キラキラ」に対して「シワシワ」とは、ずいぶんとひどい扱いではないですか?
要はふつうの名前のことでしょう?
昭和=古い=シワシワ
ちなみに筆者は昭和42年、西暦だと1967年生まれ、この年で人気ランキングナンバーワンの名前を調べてみました。
男の子は「誠」
女の子は「由美子」
まあふつうです。誰でも読むことが出来る名前ですね。
印象に残るほどインパクトが強いというわけではありませんが、立派な名前です。
今現在子供に「誠」とか「由美子」とか名付けても別段おかしくはありません。
ちょっと古風じゃないかという意見もあるかもしれませんが、「誠」も「由美子」も名前としては立派に役目を果たしているわけです。
それで話を戻してこの2つの名前が「シワシワネーム」に該当するかというと、たぶん含まれるのでしょう。
「由美子」なんて「子」で終わっているから、見方によっては古風な名前になってしまうのです。
さて、古風な名前を表すのに「シワシワ」という単語を使うのか?
古い=シワシワ
という発想なのでしょうが、これ、大変失礼です。
どう言い訳しても、
- 古い=じいさん
- ばあさん=シワシワ
という意味ではないですか。まあ素直な発想ではありますが…。
そもそも人の名前とは?
名前を考えたこと、ありますか?
親になると、まず最初にしなければならないのが子供に名前を付けるということ。
これ、けっこう悩みます。筆者も経験がありますが「名前辞典」のような本を参考にしたり、画数とか姓名判断も調べたりしました。
親によって異なると思いますが、筆者の場合は子供が高齢者になっても通用する名前と、呼びやすさを優先して名前を考えました。
最終的には「キラキラネーム」ほどではありませんが、まあ、現代っぽい名前を娘に付けることになりました。
名前は一生ついてまわるもの。ひとりの人間が生まれてから死ぬまでついてまわるものなのです。
商品名ではないのですから、あまり突拍子もない名前を付けるのはどうかと個人的には思います。
特に「キラキラネーム」は名前というものを軽く捉えてしまっているような気もします。
名前に流行があるのか?
夏目漱石などに代表されるかつての文豪の小説を読んでみると、言葉というものは進化しているものなのだと実感できます。
最近は新版なども出て、より現代の言葉に近く、読みやすく改訂されている名作もありますが、原典のまま読んでみると旧仮名遣いなどが出てきたり、現代ではまったく使われない言い回しなどが出てきたりで、ちょっと立ち止まって考えてしまうこともしばしば。
名前もそのときの時代を反映していると思われます。
例えば、そのときにブレイク中のアイドルの名前が、名前ランキングの上位になったりします。
私の友達に「トオル」という名前の男性がいますが、この名前の由来は当時流行っていたボクシングを題材とした漫画に登場する主人公のライバルから取ったのだそうです。
そういう意味では名前には流行というものがあるのかもしれません。
シワシワネームは原点回帰?
温故知新
ちょっぴりネガティヴな響きがある「シワシワネーム」ですが、この古風な名前が意外にも人気があるのだとか。
やりすぎの感も否めない「キラキラネーム」に対して、親しみやすくどこか懐かしい感じも伴う「昔ながらの名前」をあえて子供につける親も増えているのとの話もあります。
少し前までは女の子は必ず「○○子」という名前でした。
古風な名前をネライでつけるというパターンもあるそうです。
落ち着いたネーミングへの原点回帰といったところでしょうか?
「シワシワネーム」も「キラキラネーム」も親の願いが込められている
「美勇人(みゅうと)」であっても「和男」であっても、「姫星(きてぃ)」であっても「好子」であってもそれは親がつけた名前に変わりはありません。
名前には名付けた親は無意識だったのかもしれませんが、親としての願いが込められているものです。
- 「美勇人」なら美しくしかも勇敢な男の子になって欲しい
- 「和男」は平和を重んずる男性に育って欲しい
- 「姫星」なら姫のように愛され、星のようにたたえられる女性になって欲しい
- 「好子」なら人に好かれるような女性になって欲しい
子供に、
「ねえどうして私は○○っていう名前なの?」
と質問されたときに、親はその由来をかならず答えられるものなのです。
話は戻りますが…
しかし、「シワシワネーム」はひどい。
だいたい女の子につける「子」という名称は本来高貴な身分の女性につける敬称のようなものだったので、そう簡単にはつけることが出来なかったんです。(という話を祖母からきいたことがあります)
このような伝統的な事柄に対して「シワシワ」とはちょっと浅はかすぎませんか。
そのうち
「おまえ、コテコテのシワシワネームじゃんか」
なんて会話が成り立ってしまうに違いないと思うのです。
今からでも遅くない、「シワシワネーム」に変わる新たな名称を考えましょう。
そもそも「キラキラネーム」に対してのネーミングなのだから、
「ホンワカネーム」
なんてどうでしょう?
もしくは、渋いという意味で
「シブネーム」
趣があるという願いを込めて
「アジワイネーム」
そして、最近静かなブームになりつつある「大和言葉」にちなみ
「ヤマトネーム」
なんてどうでしょう。
「おまえ、コテコテのヤマトネームじゃんか」
なんて言われたらちょっといい気分かもしれません。
最後にみんな、さぞかしこのネーミングに対してご立腹だろうなと思い、ネット上の意見を探ってみると、目から鱗の発言があり、何となく納得してしまいました、それは以下のような投稿でした。
まさケロンは、名前の響きが「似合う」とか「似合わない」とか「使える」とか「使えない」とかそういうのはないと思うんだよね。その人の『個性』であって、精一杯愛せばいいと思うんだ。みんなもそう思ってくれるといいいな~。