野外フェス初参戦
消費カロリー3124kcal
- 歩数:32828歩
- 距離:25.11km
- 活動時間:311min
- 消費カロリー3124kcal
この数字、なんだか分かりますか?
今年も恒例の「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015」が5月23、24日の2日間にわたり開催されました。
筆者は5月23日の1日だけ参加したのですが、上の数字は「その日の健康管理アプリが示したデータ」なんです。
ちょっとしたスポーツをしたあとのような結果が出ています。
実は、このような野外フェスに参加するのは生まれてはじめてでした。
以前から興味があったのですが、今年は運良くスケジュールが空いていたため、思い切って参加したのです。
受け身ではいられない、まさに「参戦」
コンサートやLiveといったものは時々行っていたのですが、野外フェスというものがどういったものなのか全く想像がつかず、
「なんだか楽しそうだな」
という程度のイメージしか持っていませんでした。
参加しての感想は、ズバリ
「これはスポーツだ」
と強く感じました。
野外フェスといえども出演アーティストがいて、入場者は観客ですから、受け身のままでいることもできます。
でも、積極的に参加した方が2倍も3倍も楽しむことができるんです。
それではこれからなぜ「スポーツだ」と感じたのかを話していきます。
そもそも野外フェスとは?
基本はロック
野外フェスとはそもそもが1960年代のアメリカを中心としたロックの盛り上がり期に開催された、ロックに特化した大規模な音楽会が発祥です。
屋外での複数アーティストによる演奏が特徴です。
この時期のアメリカの有名な野外フェスとしては
- 「モントレー・ロック・フェスティバル」
- 「ウッドストック・フェスティバル」
などがあります。
日本ではロックという音楽ジャンルの集客率が弱かったことが原因で屋外での大規模な形ではなく、1969年に厚生年金ホールにて「日本ロックフェスティバル」が開催されたのが始まりといわれています。
現在のような屋外での大規模なイベントに発展するのは1980年代末、俗にいう「バブル景気」の時代です。
大きな力をもつスポンサーのバックアップにより、国内の有名アーティストのみならず海外アーティストを呼んだ大きなイベントとして、この時期に定着していきました。
バブル崩壊後、一時期は下火となりましたが、1990年代後半の欧米における野外フェスの盛り上がりの影響を受け、再び開催されるようになり、一部は毎年の恒例として多くの参加者が集い、今に至っています。
「これは運動会だろう」
さて、筆者が参加した「TOKYO METOROPOLITAN POCK FESTIVAL」(以下METROCK)に話をもどします。
今年のMETROCKはメインステージをふくめて3つのステージが用意されていました。
開催された場所は都内の海浜公園です。キャンプ場として地元では人気を博している場所で、普段であればテントを張ってキャンプを楽しんだり、バーベキューを行うような場所にステージが設営されていました。
ステージとは別にフードコートや休憩スペースが設置されており、参加者はここをベースとして、タイムテーブルに従いお目当てのアーティストが出演するステージへと向かいます。
各ステージの入り口でチケットと引き替えたリストバンドのチェックがあります。
公園なので芝生があります。邪魔にならない後方の端であればレジャーシートを広げることも許可されている様子で、多くの人がレジャーシートを敷いて寝転がったり、食事をしたりしていました。
筆者はこの光景を見て、こう思いました。
「これって運動会と一緒じゃん」
みなさん、運動会を思い出してください。
校庭の周りを取り囲むようにしてクラスごとに座って観戦したり、競技したりしますよね。
「METROCK」もまさにこのスタイルだったんです。
フードコートやレジャーシートをベースとして、見たいアーティストのステージへ向かう、まさに「運動会スタイル」そのものです。
ベテランは服装からしてスポーツを意識している。
これまでお気に入りのアーティストのツアーは何度か見に行ったことがあるのですが、それはすべて会場が屋内でした。
しかも座席指定でLive中は座ることはなかったとしても、開演前はいすに座ってじっくりと待つことができます。
そのようなスタイルになれていた筆者にとって、野外フェスの「運動会スタイル」は衝撃的でした。
フェスに慣れてるのベテランさんたちは「野外フェスはスポーツである」ということを熟知しているようでした。
会場へ向かう途中で、まるでこれからジョギングをするような服装の人たちを少なからず見かけて不思議に思っていたのです。
レギンスの上に短パンをはき、上は速乾性のありそうなランニング用のTシャツ、ランニングキャップをかぶり、サングラスという出で立ちの人をたくさんみかけてちょっと違和感を感じていたのでした。
「なんでこの人たち、ジョギングみたいな格好をしているんだろう」
そんな疑問に対する答えを、後に筆者は身を持って知ることになるのです。
サークルモッシュからのヘドバン、ジャンプ
生まれてはじめてサークルモッシュを目撃する、しかも至近距離で
METROCK初日は10時会場、開演はステージによって異なりますがだいたい12時前後でした。
筆者のお目当てのアーティストが出演するのは20時、会場時間30分ほど前に到着したので時間は充分あります。
この日出演するアーティストは全16組。
筆者にとって、お目当てのアーティスト以外は名前は聞いたことがあるものの曲を聴いたことがないアーティストばかりです。
「まあ時間はたっぷりあるし、できるだけ多くのステージを見てみよう」
軽い気持ちでメインステージのオープニングアクトのLiveを鑑賞するため入場しました。
まだ、オープニングなのでそれほど混雑していません。
筆者はこのアーティストは知りませんが、METROCKのオープニングを任されるアーティストだけあって、人気があるようです。
周囲にはこのアーティストのロゴが入ったTシャツを着ている人がたくさんいました。
時間になりLiveが始まりました。
彼らの曲は激しくはないものの、ミドルテンポでなかなかノリがいい。
初見ながら、自然と体がリズムを刻みます。
曲に合わせて手を前後に振ったりして、それなりに演奏を楽しんでいました。
そんなとき、急に周囲の間隔が詰まってきて、隣の人の肩がぶつかってきたのです。
「なんだ」と思い周囲を見渡すと、すぐそこの至近距離で丸い空間ができているではありませんか。
「誰かが倒れたのだろうか?」
と、よく見ると、円の中心でめちゃくちゃ激しくダンスをしている数人の人がいました。
この丸い空間は彼らがダンスするための場所を空けたために自然発生したらしいのです。
「この人たちノリノリだなあ」
などと見ていると、曲のサビにさしかかったところで、円の周囲を取り巻いていた人たちが一斉に、ダンス中の人たちに向かって突っ込んでいったのです。
「?」
そして、手を上に突きだしてみんなでジャンプしているではありませんか!
あとで調べたところ、この現象は「サークルモッシュ」という呼ばれるもので、主にヘビメタなどのLiveで見られる「ノリ」の一種なのです。
でも生まれてはじめて見た筆者にとっては暴動にしか見えません。
この時はこの現象をただ傍観するしかありませんでしたが、数時間後に自分がサークルモッシュデビューをする事になるとは思いませんでした。
気がつくとサークルの中に。
さて、フェスも宴たけなわ、日が落ちるころには各ステージとも人気アーティストのLiveが始まり、会場もヒートアップしていきます。
18時過ぎからメインステージでは、本日の目玉のひとつともいえるバンドのLiveが始まります。
このバンドはかなり有名なハードコアパンクバンドです。
筆者はかなり後方で見ていました。
いよいよLiveの始まりです。メンバーがステージに登場すると、明らかにこれまでとは違う雰囲気に会場が包まれました。
そのただならぬ雰囲気になにやら波乱の幕開けを感じさせます。
演奏スタート。と同時に後方から観客が押し寄せてきて、とたんに筆者は前方に押し出されました。
観客が密集し、まるでラッシュ時の電車内です。
体を動かすことすらできない状態の中、まだ始まって数秒しか経過していないにも関わらず、いきなりサークルモッシュが多発しました。
荒れています。めちゃくちゃ荒れています。
この異様なテンションに戸惑いながらも周囲を見回すと、すべての観客が、首を前後に激しく振っているではありませんか。
そうです、ヘッドバンキングです。
通称ヘドバンと呼ばれる、ヘビメタなどのパフォーマンスでよく見られる独特の「ノリ」です。出遅れた筆者はだいぶ浮いています。
とりあえず、筆者も周囲にならい軽くヘドバンをしている振りをしました。
恐る恐るサークルモッシュの様子をうかがうと、オープニングアクトの時とは比較にならないほどの規模で、十数人がヘドバンや円を描いて走り回ったりして、もうなんだかわけの分からない状態になっています。
「これはちょっと危ないかもしれないな」
怪我でもしたらいけないと思い、さらに後ろに下がろうと思いましたが、人が密集して動きがとれません。
観客のノリはさらに加速し、今は全員が狂ったようにジャンプを繰り返しています。
前方ではペットボトルが中身をまき散らしながら上空を飛び交っています。
もう一度言いますが、まだ最初の演奏が始まって5分も経っていないにも関わらず、すでにカオスな状態です。
筆者のすぐそばに欧米系の外国人のグループが居ました。
女性2人と男性1人。女性陣はこの混乱に明らかに戸惑っています。
次々と発生するサークルモッシュを丁寧に避けていました。
一方男性の方はまんざらでもないらしく、ノリノリでジャンプを繰り返し、ヘドバンを華麗にこなし、リズムに合わせて拳を突き上げたりしています。
1曲目の演奏が終わりました。ステージ上ではメンバーのMCが始まりました。
筆者の横を子供を抱き抱えた父親らしき人物が通り過ぎていきます。見ると子供の目は涙目になっています。
「確かに、この状態で子供は危険だなあ」
などと思い、筆者も安全な位置まで下がろうと動きかけたとき、演奏が再び始まりました。
「ヤバい、間に合わない」
熱狂する観客の壁にはばまれ、もう後ろに避難することなど不可能な状態。
しかも下手に動いてしまったものだから、目の前でサークルモッシュが発生してしまいました。近い、近すぎます。
進退極まってしまいました。
こうなったらもう腹をくくるしかありません。
落ち着いて周囲を見回してみると、観客のノリはもうパフォーマンスと呼んでもおかしくないぐらい完成されています。
そして皆例外なく笑顔を浮かべているのです。けっして殺伐としていません。
さらにこのバンドの演奏ですが、よくよく聴いてみると実にクールです。
破壊的でありながらも、秩序のあるリズム。腹に響く重低音。聴く者の本能に訴えかけるデスボイス。
もうこれは楽しむしかない。
筆者の中で何かが弾けました。
「まあサークルモッシュの中に入らなければ、安全だろう」
そこからは筆者も笑顔を浮かべながらヘドバンやジャンプをエンジョイしました。
それまでは「やらされていた感」の強かった筆者の動きでしたが、自主的に体を動かすことにより、快感に変わっていき、一体感を感じることができたのです。
2曲目、3曲目とLiveが進行するにつれ、観客のテンションはヒートアップしていきます。
そしてなんと周囲に押された結果、筆者はサークルモッシュの中に入ってしまったのです。
そろそろLiveも終盤に向かい、会場のテンションは限界を超えてしまっています。
「ヤバい、いくら何でもこの中はヤバい」
かといって脱出は不可能。
筆者も男です。毒を喰わば皿までではないですが、こうなったらとことん限界を超えてやろうじゃないか。
筆者のなかで何かが弾けました。気がつくとサークルの中の数十人と一緒に、パフォーマンスを披露していました。
ルールなんてありません。本能に従って体を動かすだけです。
ヘドバンからのジャンプ、そしてダンスパフォーマンス。アドレナリンが放出されるのを感じます。
「野外フェスって、スポーツなんだなあ」と筆者が感じた瞬間です。
アドバイス
服装、持ち物
あと数ヶ月で夏になります。本格的な野外フェスのシーズン到来です。夏フェスに参加予定の人たちも多いでしょう。
そこで最後に「野外フェスはスポーツである」という視点にたって、いくつかアドバイスをしたいと思います。
まず当日の服装から。
体を動かすのに適した服装が適切です。
まるでジョギングのような格好の人を見たと書きましたが、これ、かなりいい線いっています。
筆者はTシャツにデニムでしたが、デニムはちょっと適していないなと個人的には感じました。
夏であれば短パンの方がベターです。Tシャツもスポーツ用の速乾性のあるものを用意したいところです。
熱中症対策のため、帽子は必需品です。
水分補給のため、水やスポーツドリンク等の飲み物も必ず用意しましょう。ペットボトルが良いと思います。
ドリンクホルダーなどを用意して、すぐに水分補給できるようにするのが理想的です。
持ち物は必要最低限に留めましょう。
フェスによってはクロークにて荷物を預かってくれる場合もあるようですので、持ち歩く必要のない荷物や購入したグッズなどは預けてしまった方がいいかもしれません。
リュックよりもウエストポーチやボディバックがお勧めです。
筆者が参加したMETROCKは幸いなことに天気に恵まれましたが、念のため雨具を用意しておいた方がいいでしょう。
傘よりも身動きが取りやすいカッパの方がいいと思います。
今回はスポーツのように、積極的に体を動かすことでより野外フェスをエンジョイできるということを紹介しました。ぜひ参考にしてください。
「野外フェス」服装・持ち物のまとめ!
- 体を動かすのに適した服装で!(着替えも用意しておこう)
- 熱中症対策のため「帽子」は必需品!
- ドリンクホルダーなどを用意して、すぐに水分補給できるように!
- リュックよりもウエストポーチやボディバックがお勧め!
- 雨具は傘よりも身動きが取りやすいカッパの方がいい!
ほいじゃ、まさケロンもフェスでダイブキメてくるかなあ!