安易に写真をアップすると…
夜のエッフェル塔には注意
皆さんの持っているスマートフォンや携帯には、カメラが付いていますよね。
この時代、逆にカメラが付いていないものを探すほうが難しいでしょう。
これはカメラを常に持ち歩いているようなもので、SNSを利用している人は特に写真を撮ることが多いかと思います。
筆者もよく写真をSNSに投稿しています。
先日、ネットで興味深い話を目にしました。ネット利用者が知るべき著作権がテーマの記事だったのですが、それによるとなんと、建物にも著作権があるので、撮影した写真をアップするときには気をつけなければならないというのです。
例としてパリのエッフェル塔のことが書かれていました。
エッフェル塔には著作権があるのだそうです。
昼のエッフェル塔は問題ありません。歴史のある建物なのですでに著作権の期限がきれてしまっていて「フリー」の状態だからです。
でも
「夜のエッフェル塔」
には現在でも著作権が発生します。
夜のエッフェル塔を撮影してウェブ上で公開した場合、状況によっては著作権の侵害になるかもしれません。
なぜか?
夜のライトアップされたエッフェル塔は、パリ市が著作権を保有しているからです。
- 昼はOK
- 夜はNG
というのはおもしろい話だと思いませんか?
建物に著作権はあるのか?
そもそも建物には著作権が発生するのでしょうか?
日本の著作権法では「著作物」について以下のように定義されています。
上記を満たしていると判断されれば建物も著作物とみなされます。
考えられるケースとしては、重要文化財に指定されているような歴史のある建物が該当するのではないでしょうか。
ただし、著作権には期限があります。著作者の死後50年が経過すると、著作権は消滅するのです。
これを照らしあわせて考えると歴史ある建物はすでに著作権がなくなっている可能性がとても高いということになります。
先に例としてあげたエッフェル塔も、建築物としては著作権が消滅しています。
著作権のある建物の写真を投稿したら?
著作権の侵害になるのか?
もし著作権のある建物を撮影し、無断でネット上に投稿してしまったら、著作権の侵害にあたるのでしょうか?
SNSへの投稿は商用目的の行為ではないから、著作権を侵したことにはならない、と判断できそうですが、これは間違いです。
著作権法には「公衆送信権」というものがあり、著作者の許可無く、ウェブで公開すると公衆送信権の侵害になるのです。
著作権法 第46条には、
と規定されています。
この「例外」は主に建物とそっくりの模型を作ったりする「複製」のことを指しています。
したがって、著作権のある建物の写真をウェブに投稿しても、基本的に問題はありません。
肖像権やプライバシーには注意
ただし、建物の写真に偶然、人が写ってしまっていたりすると、「肖像権」や「プライバシーの侵害」になるケースが有りますので、投稿する写真には充分気をつける必要があることは言うまでもありません。
建物にも著作権があるとは!とりあえず夜のエッフェル塔には気をつけよう。