年末年始の移り変わり
かつての正月は、ほぼ仕事は休みだった
12月を目前にして、思うことがありまして、まだちょっと先ではあるのですが、今回は年末年始の話です。
「年末年始は仕事だ」という人、手をあげてください。
筆者が小学生だったころ、今から40年以上前の話ですが、そのころは基本、正月に仕事をする人はいませんでした。もちろんゼロだとはいいません。電車やタクシーなど交通関係は大晦日から元旦にかけて仕事をしていましたし、初詣に行けば警備員や露天商などが仕事をしているのを見ることができました。
でも、一般的な会社員などは休みだったのです。現在のように24時間営業や元旦営業がなかった時代の話ですね。今や、初売りを実施するため、商業施設は元旦から営業しています。逆にショッピングモールなどが元旦に休めば、「珍しいね」と言われてしまうことでしょう。
かって、年末年始はどこの店も休業していました。だから12月の終わりごろになると、食料の買いだめをしたものです。コンビニなど存在しない時代でしたから、おせちに飽きてしまったときに備え、インスタントラーメンなどを蓄えておいたのです。
年末年始に働くということ
「この会社は年末年始なんて関係ありません。元旦なんてただの月替わりですから、その心づもりでいてもらわないとと困ります」
筆者が若かったころ、アルバイトをした会社の上司に言われた言葉です。ちなみに業種はロジステック関連。平たく言えば運送業です。
この時は筆者もまだ若かったので
「なに言ってんだよ」
と強い反発を感じましたけれども、もしこの会社が、
「正月ぐらいは休もうよ」
という考えだった場合は、いったいどうなるでしょうか?
年末年始は全社的に休みにすることにしたこの会社の業務は(年末年始の間)当然のことながら、停止します。するとどうなるか? 利益が減る? それもそうですが、ちょっとこじつけてみると、
と考えることはできないでしょうか。
もちろん、現実には荷物が届かなくなることなどあり得ません。世の中にはたくさんの運送業者がいます。1社ぐらいが年末年始に休んだとしても、他の業者がその分働いてくれるのですから。
でもこの運送会社が年末年始に休みことにしたら、社会への影響といえば大げさですが、運送会社が社会に提供している機能、
「荷物をお客さまに届ける」
というアクションは止まってしまいますよね。
年末年始に働く人にエールを送ろう
働いている人がいるから、成り立っている。
「世界は誰かの仕事で出来ている」
この言葉は筆者のオリジナルではありません。缶コーヒーのメーカーが考えたキャッチコピーです。筆者、この言葉がすごく好きなんです。
あなたは年末年始は仕事ですか、休みですか?
ちなみに筆者は間違いなく仕事です。しかも年越しは会社で、というパターンになる可能性大。どちらかといえば今までも年末年始に休みをもらったことのほうが少ないです。
「年末年始も仕事」と聞くと、
- 「可哀そう」
- 「ブラックな会社だなあ」
という反応が多いように思われますが、果たしてそうでしょうか?
年末年始を祝う人たちのサポートができると考えることも可能なのではないでしょうか?
大晦日の「紅白歌合戦」を楽しむことができるのも、放送局のスタッフや出演者たちが仕事をしているからです。
新年を迎えて、初詣に出かけることができるのも、鉄道会社が終夜運転を行ってくれているからです。
元旦に福袋を買うことができるのも、お店が営業しているからです。
年末年始に働いている人に足を向けて寝るな、などとは申しません。ただ、ほんの少し
「ありがとう」
という気持ちを持ったなら、いつもとは違う年末年始を過ごすことができそうな気がしませんか?
「とか何とか言って、オマエは自分が年末年始に仕事だから、ひがんでるだけなんじゃないの」
ですって?
本音言っていいですか?
…その通りかもしれません…。
いつかロボットが賢くなったり大量生産されたりして、年末年始その他休日も増えるんだろうか。。なんにせよ、年末年始に働いているみんなのおかげで世界は成り立っているんだから、休みの人は感謝しなきゃ。