レアケースではない「収れん火災」
虫メガネを使った実験
筆者が小学校の時に理科の実験か何かで、虫メガネを使って紙に火をつける、というのがありました。今の小学校でも同じようなことをするのでしょうか?
紙にマジックで黒い丸を書き、そこに虫メガネを使ってあつめた太陽の光を当てると、火が付くというもので、筆者と同じ年代の読者であれば、たぶん遊んだことがあると思われます。
でもこの現象、子供の遊びで片づけることができない危険なものだって知っていましたか?
「収れん火災」
「収れん」という言葉があります。
ざっくり解説すると
「集める」
という意味です。室内やベランダに置いておいたペットボトルや水晶、鏡などが原因で太陽の光が「収れん」されたことで起こる火災を
「収れん火災」
と呼ぶそうです。
火災の原因としてはけっして多くないために軽視されがちですが、一見火災とは縁がないようなものが火を起こすという、盲点を突いた原因であるために用心が必要です。
統計によれば日本においては年間で数件から十数件の「収れん火災」の報告があり、決して侮ることはできないのです。
「収れん火災」は冬に多い
Googleオフィスでも「収れん火災」発生
つい最近も東京都・港区の六本木ヒルズにあるGoogleのオフィスで「収れん」が原因とみられる火災が発生したとニュースなどで報道されました。
大事には至らずけが人も出なかったということですが、出火原因は窓際に設置されていた「水晶」による
「太陽光の収れん」
だとされています。
「収れん火災」を引き起こす物としては、水晶のほかに
- 水の入ったペットボトル
- ガラス製のビン
- 金魚鉢
- ステンレス製のボウル
などが挙げられます。窓に貼りつけた透明な吸盤が「収れん」を起こしたという事例もあるのだそうです。
冬は「収れん火災」が起きやすい
実はこれからの季節は「収れん火災」が起きやすくなるのです。冬は夏に比べると太陽の高さが低くなるのだそうですが、そのため、光が部屋の奥まで届くことになるからです。
東京消防庁によれば過去数年間で発生した「収れん火災」は冬場が最も多いのだとか。
筆者もよく飲みかけのペットボトルを置きっぱなしにして寝てしまったりしますので、ちょっと気を付けなければいけませんね。
「収れん火災」を防ぐためには?
「収れん火災」を防ぐためには、まず光を反射しやすいものを窓のそばに置かないようにすることが一番です。さらに部屋を片付けておくことも重要です。
ペットボトルなどが光を集めても周辺に燃えやすいものがなければ、火事にはなりません。ちなみに筆者の部屋は「汚部屋」とまではいかないもののかなり散らかっています。片づけなければいけませんね。
予防方法として最も簡単で、最も効果的なものが、
「外出時はカーテンを閉める」
ということです。太陽の光もカーテンを通せばかなりソフトになります。
太陽光のパワーは侮れないということだね。