カラオケ

カラハラ/無理強いはだめ!歌わない人と共生するカラオケ術

Written by すずき大和

音楽や歌を一緒に楽しむことは、仲間の親近感や信頼を深めるのに役立ちます。呑み会の二次会はカラオケ!という皆さんも大勢いるでしょう。

が、中にはカラオケが苦手で「本当は行きたくない」と思っている人も、実は少なくありません。



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カラハラとは、歌わないわけにいかない状況に追い込むこと

嫌がっている人に無理やり歌わせるとカラハラ?

「カラハラ(カラオケ・ハラスメント)」って聞いたことありますか?

もともとは、パワハラ(パワー・ハラスメント)の一種として出てきた言葉です。仕事関係の人間とのカラオケを断ることで、待遇の不利益につながる問題のことです。

それが、だんだん「仕事上の差別問題」というニュアンスが消えて、単に「歌を無理強いすること」の意味だけで使われるようになってきました。

ハラスメントは、脅かされ追い込まれること

本来、ハラスメントとは、単なるいやがらせという意味だけでなく、「脅かし」的な要素を含む行為のことをいいます。

脅かされるとは、

「嫌だけど、享受しないともっと嫌な立場に置かれるかもしれないから、拒否できない」

という風に気持ちが追い込まれることです。

日本の企業文化では、接待カラオケは営業マンの必須ワークです。

  • 取引先の接待のためにカラオケにお付き合いすることも仕事のうち
  • 自分は嫌いでもお客さんを盛り上げるために同行しておもてなしするのが当然

そんな常識が今もあります。

しかし、お客さんを盛り上げているだけでは許されず、「お前も歌え」と促されることも少なくありません。

「下手なので勘弁してください」

と断ったら、翌日会社から

「営業マン失格だ」

といわれ、左遷されてしまった、という例が実際にありました。

また、上司と行くカラオケでも同様に、

「歌えないやつは評価しないぞ」

というハラスメントが起きています。

まさに、「歌わないと仕事上の不利益を被るのでは、と脅かされる」状態です。

仕事に関係なくても、カラハラには変わりない

昨今では、もし、接待カラオケで歌わずに左遷された人が訴えて裁判になれば、

「接待はカラオケ以外の方法で行うことも可能であり、カラオケ嫌いの社員にカラオケという方法を無理強いする合理性はない」

と判断され、パワハラと認定される可能性が高いです。

では、仕事を失うなどの脅かしがない、趣味のサークルや学生コンパなどでの集まりで強引にカラオケに誘われ、歌わされることは、カラハラではないのでしょうか。

嫌々歌うことになった人が、

“人間関係が壊れたり、帰属する集団から孤立してしまうことが怖くて断れない”

という気持ちに追い込まれているのだとしたら、それもやはりハラスメントといえます。

“嫌な人が無理強いされる状況は、ただ「いじられている」などというヤレヤレ話で済むことではなく、本人にとっては深刻な脅かしになっている場合がある”

と、社会がちゃんと認識することが求められます。

人間関係を壊さずカラハラを防ぐ秘訣は相互の思いやり

嫌いな人は行かない・誘わないがいいのか?

では、連れて行っても歌いたがらない人を誘うこと自体がカラハラなのか、というと、一概にそうはいえない面もあります。

本当に嫌がっている人ならば、無理に誘えばカラハラです。

が、嫌い派の人の中には、カラオケそのものが嫌いなのではなく、

「自分の歌に自信がなくて人前で歌いたくない」

というケースもあります。

そういう人は、最初からみんなに誘われず置いて行かれると、それはそれで傷つきます。

「歌いたくないけれど、場には混ざっていたい」

という微妙な気持ちもあります。

「できれば自分もうまく歌えるようになって、一緒に盛り上がれるようになりたい」

と、本心では願っている人もいます。

そんな人がいたら、当人が浮いて孤立しないよう、周囲がフォローしてあげたほうがうまくいく場合もあります。

例えば、サビの部分だけ「一緒に歌おう」と誘われると、人前で歌う緊張を強いられることなく混ざることができ、だんだん自信がつく人もいます。

拒否する気持ちを尊重してもらうなら、感じよく断ろう

  • 「下手な素人の歌なんか聞きたくない」
  • 「そもそも大勢でワイワイ騒ぐ場所は嫌い」

という人は、断る気まずさを避けて嫌々参加するより、上手に断る術を見につけましょう。

歌わないことはマナー違反ではありませんが、歌わない人が楽しんでいる人の前であからさまに見下すような態度をすることは、マナー違反です。

せっかくみんなが「親睦を深めよう」という雰囲気になっているのに、「嫌なので行きません」とにべもなく拒否するのも感じがいいとはいえません。角がたたないよう、苦手であることを伝える言葉を選んで断りましょう。

大事なのはお互いの気持ちを尊重する思いやり

日本は、多様性や個互性の尊重よりも、「みんなに合わせる」ことが重視される文化です。

「歌うのが当然のマナー」という価値観も根強くあります。

時代遅れのようですが、仲良く助け合う仲間になってほしい、と願う側面があるのも確かです。

誘う人も断る人も、意地悪したいわけではなく、人間関係を良くしたいと思えばこその言動です。そこの気持ちは互いに汲んであげることも、双方尊重し合うためには必要です。

カラハラを防ぐのは相互の思いやりなのです。

まさケロンのひとこと

1曲か2曲「持ち歌」をつくれるようにちょっとがんばってみるのもアリかも?そんなまさケロンは1曲もまともにうたえません。あ、「かえるのうた」なら歌えた。でもカラオケに入ってるかな?

masakeron-sorrow


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。