まずは男性に覚えてもらいたい。PMS(月経前症候群)とは
PMSは「Premenstrual Syndrome(プレメンスチュアル・シンドローム)」の頭文字です。
日本語では
「月経前症候群」
といいます。
女性独特の症状で、生理の約2週間前に起こるさまざまな不調のことで、生理が始まると症状が消えたり、軽くなるのが特徴です。
月経前症候「群」
症候「群」、とあるように、その症状はひとつではありません。
精神的な不快・症状
- イライラ
- 怒りっぽい
- 憂鬱(ゆううつ)になる。
- 集中できない。
- 情緒不安定
体的な不快・症状
- 胸がはって痛い
- 肌荒れ
- むくみ
- 眠くなる
- 疲れやすい
これらの症状の中の、いくつかが同時に起こります。個人差はありますが、こんな感じです。
彼女は配偶者が別人になる!?
[例1]
いつも穏やかな彼女がその日はイライラしていた。ついには店員に声を荒らげていた。普段とはそんなことを言う彼女じゃないのに驚いた。
[例2]
妻が頭痛がひどいらしく、痛み止めを飲んでいた。元気がなくてぼんやりしている。心配で病院に行けと言ったのに、病気じゃないの、と、とりあってくれない。
[例3]
頼りになる経理担当の同僚が今日はやたらとミスが多い。おかしいなと思って見ていたら業務中に何度もあくびをかみ殺していた。
これらの状態はPMS(月経前症候群)が原因かもしれません。症状や言葉の意味はわかったけど、女性独特の症状にどうして男性の理解が必要なのでしょうか?
PMSの女性の体内では何が起こっている?
問題を引き起こしているのはホルモンのバランス
実をいうと、PMSの原因ははっきりと解明されていません。しかし、ふたつの女性ホルモン
「エストロゲン」と「プロゲステロン」
これらの分泌バランスが崩れている可能性が高いことがわかってきました。
「プロゲステロン」はむくみの原因になる。
プロゲステロンは、本来、水分や栄養の保持など、女性の体が妊娠に向けて準備をするためのホルモンです。プロゲステロンの分泌が過剰になると、過食や、水分を体に増やそうとして、むくみの原因になります。たかがむくみ、と思うかもしれませんが、頭の水分が増えると、頭痛が起きます。
脳内物質セロトニンの減少が攻撃的になる原因
セロトニンは人間の人は幸せな気持ちをつかさどる
「神経伝達物質」
です。ホルモンのバランスが崩れることで、このセロトニンが減少し、不安になったり、憂鬱(ゆううつ)になったり、パートナーに対して攻撃的になる、など精神的に不安定な状態を引き起こします。
ホルモンのバランスが崩れると、低血糖状態になる!
インシュリンは血糖値を下げるホルモンとして有名ですが、このインシュリンの働きが弱くなります。そのため、低血糖状態になり、集中力が低下したり、眠気を感じたり、糖分を補わなくては!と、甘いモノをドカ食いしたりします。
PMSの代表的な弊害は?
が断トツです。
「だったらイライラを我慢すればいいじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、その時の女性は自分で自分がコントロールできません。
PMSの女性はオオカミ男?
PMSの女性は、満月の夜にどんなに嫌だと思っていても変身し、人を襲うオオカミ男のようなものです。筆者は女性ですが、PMS中の女性はオオカミ男という比喩は決してオーバーではないと思っています。
そして、PMSの嵐が去ったあと、「ひどいことを言ってしまった…」と落ち込んでしまいます。その時のイライラからケンカに発展して別れてしまうこともあります。
PMSでイライラしている女性への対応策
PMSの女性のイライラに対して正論やけんか腰な応対をすると、大げんかに発展してしまいます。
PMSでイライラしている女性への対応策:その1
[例1]にもありましたが、いつもなら店員さんにまで
「ありがとう。」
と笑顔で伝える彼女が、ある日突然、
「ちょっと!モタモタしないでよ!」
と叫んだらびっくりしませんか?
しかし、PMSだとわかっていれば、
「ああ、生理前なのだな。そっとしておこう。」
といった風に対処も出来ます。
PMSでイライラしている女性への対応策:その2
嵐が去るのを待つ。
ツライでしょうが、あなたのパートナーは自分で自分をコントロールできない状態です。そこに言い返して、日に油を注ぐだけです。
PMSでイライラしている女性への対応策:その3
PMSは生理が終わる頃には症状がほとんど消えています。その頃を見計らって、パートナーにPMSではないか聞いてみましょう。とてもデリケートでプライベートな問題ですから、職場の同僚などに聞いてはいけません。
心から信頼しあっている恋人、配偶者のみです。実は、女性でもPMSの自覚症状がない人が多いのです。インターネット上にPMSのセルフチェックがたくさんありますので、彼女にすすめてみるのもいいですね。
残念ながら、現状では男性にかなりの忍耐をお願いせざるを得ません。ですが、セルフチェックを提案し、婦人科で診察を受け、ホルモンのバランスを整える漢方薬を処方してもらったり、など、症状の軽減することはできます。生理前のイライラの解消策を探して、一緒に乗り越えてください。
ちょっとした不安定くらいどんっと受け入れられるくらい大きな男になりたいものだね。