寝言は「正直」
無意識の自分が明らかに…
「大変申し訳ありませんでした」
「はい、○○(会社名)です」
「それでは、まず再起動をかけてください」
「菊の花ください」
いきなり何だ、と思われたかもしれません。実はこれ、全部筆者が寝言で言ったセリフなのです。おそらく仕事の夢でも見ていたのでしょう、最後の「菊の花~」はちょっと意味が分かりませんが。
『寝言』とは、寝ている状態で言葉を発することをいいます。
寝ている状態なのですから本人は意識して言葉を発しているわけではありませんし、内容など覚えていません。筆者もパートナーから教えてもらいました。
この無意識という部分が実は非常に怖いと筆者は考えています。
例えば
というような話をよく聞きますよね。筆者も過去に社員旅行にて同僚の女性の名前を寝言でつぶやき、けっこう大騒ぎになった経験があります。
筆者はその女性のことを全く意識していなかったつもりなのですが、実は意識の下で好意をもっていたということなのでしょうか。
無意識の自分が公になってしまう、寝言の怖いところってそういう面にあると思いませんか?
これで寝言が防げます
寝言の防止方法として、最も簡単で最も効果的なのは、
「熟睡する」ことです。
シンプルですけど、これがなかなか難しいですよね。
寝言のメカニズムを見ていきましょう。寝言はなぜ起きるのか?
眠りには「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の二種類があります。
- 身体は寝ているけど、脳は起きているのがレム睡眠
- 脳も身体も寝ている状態がノンレム睡眠
レム睡眠時のほうが寝言が起きやすいといわれています。
レム睡眠時の寝言は
モゴモゴとした聞き取りにくい言葉であることが多いようです。これは身体は弛緩しているため、口の筋肉がうまく機能しないからです。
反対にノンレム睡眠時の寝言は
はっきりとした言葉で発せられます。ノンレム睡眠は眠りの深さに応じて四段階のステージに分かれており、眠りの浅い1もしくは2ステージにおいて寝言が起きるといわれています。
熟睡するために
深い眠りを得ることが寝言の防止につながることはお分かりいただけたと思います。
「質の良い眠りが得られる」と宣伝しているサプリメントや薬などを利用するのもひとつの方法ではありますが、熟睡するにはストレスを溜めないことが最も効果があるといわれています。
強いストレスにさらされたまま生活していると、寝ていても緊張状態が続きグッスリと眠れません。
適度な運動や規則正しい生活を行うなど、一見地味ではありますがその積み重ねがストレス軽減につながります。寝る前のスマホ操作をやめるだけでも、質の良い眠りを得ることができるという報告もありますよ。
見逃してはいけない「寝言」からのメッセージ
こんな寝言は危険かも…
寝言のデメリットを考えて見ましょう。前述した「昔の恋人の名前を言ってしまう」などはトラブルの原因となり得ますね。これは場合によっては深刻な問題に発展することもありますが、少なくとも健康が害されるということはなさそうです。
だからといって軽視は禁物。時にはSOSのサインであったりすることもあるので、油断はできません。どのような時に注意が必要なのかをいくつか見ていきましょう。
まず、強いストレスが引き起こしているもの。
これは見極めが難しいです。「こういったときは強いストレスが原因」というような具体的な説明が困難ですが、頻度が高かったり、悪夢を見ているようなうなされながらの寝言は、強いストレスを疑ったほうがいいといわれています。
「怒鳴る」などの感情的な寝言も、ストレスにさらされているときに起きやすいようです。
次に手足をバタつかせる等、動きを伴うケース。
「襲われそうになった夢を見た」などというときにありがちですが、もしかしたら
「レム睡眠行動障害」
に罹っている可能性もあるのです。
ひどい時は突然起き上がって怒鳴ることもあるというこの障害は、本来弛緩しているはずのレム睡眠時の筋肉が覚醒時と同様に動いてしまうところに原因があり、神経系に何かの異常が起こっているということも考えられるそうです。
もし思い当たるようなことがあれば、早めに専門医に相談することをお勧めします。
「お前、寝ながら謝ってたぞ。仕事熱心だなあ」
などと「ネタ」になりやすい寝言ですが、体の不調を知らせてくれているかもしれませんから、軽く考えるのは禁物ですよ。
実際に寝ながら謝ってたらかなり重症だと思うんだよね。寝言とは真剣に向き合おう!