和製英語に気をつけろ
海外で通じない「英語」
聞いた話なのですが、ラーメンという料理は日本にしかないらしいです。中国でラーメンというと、微妙に異なる料理のことをさすようでして、日本でいうラーメンはもはや中華料理ではなく、日本で発展した日本料理である、とする意見もあるとかないとか。
ラーメンのように海外の文化を取り入れてそれが独自に発展していく。オリジナルから新たに分岐して、新たなオリジナルになるなんて、とても興味深いことだと思いませんか?
今回のテーマ、「和製英語」もそんな独自に進化したモノのひとつです。
和製英語とは、英語のようだけど、日本でしか通用しない言葉のこと。海外では別の言葉で表現されるため、通じなかったり誤解されたりします。
では具体例を見ていきましょう。
サイン
芸能人に会ったとき、
「大ファンです。サインお願いできますか?」
などと言ったりしますが、じつはこの「サイン」は和製英語です。
サインという言葉は英語にもありますが、契約書などにおける正式なサインを表します。
芸能人などにお願いする場合は、
autograph(オートグラフ)
という言葉を使うのが一般的です。
バイキング
日本では食べ放題のことを表す「バイキング」ですが、これも和製英語。
食べ放題のことは
buffet(ビュッフェ)
という言葉を使わなければ通用しません。
海外の人たちにとってバイキングといえば角のついた兜をかぶり、斧を持った北欧の戦士のこと、食べ放題とはほど遠いイメージです。
フライドポテト
「フライドポテト」なんて間違いなく通じそうな、いかにもネイティヴが使っている英語のように思えるのですが、これも和製英語。
ジャガイモの素揚げを意味してしまいます。言い換えるには
アメリカならfrench fries(フレンチフライズ)
英国であればchips(チップス)
となります。
モーニングコール
日本のホテルではお馴染みのモーニングコール。海外で
「7時にモーニングコールお願いします」
と言ってもたぶん起こしてはもらえません。
言い換えが必要です。
wake-up call(ウエイクアップコール)
となります。
旅行などで使う頻度が高そうですから、ぜひ覚えておきたいものです。
コンセント
「コンセント」はコンセントだろう、と思いたい気持ちは分かります。でも通じませんよ。
- outlet(アウトレット)
- plug(プラグ)
- socket(ソケット)
と言い換えましょう。
海外では使用禁止。シャレにならない禁断の和製英語?!
「豪邸」に住んでいる「給料男」
先にあげた例は、確かに海外では通じません。でもせいぜい恥ずかしい思いをするだけで、トラブルに発展するようなことはほとんどないはず。
ところが、なかには誤解から思わぬトラブルに発展しかねない和製英語もあるようです。
まずはマンション。
日本でなら、
「私、マンションに住んでいるんです」
といっても誤解されるようなことはありません。日本ではマンションは一般的な住居です。でも海外ではマンション(mansion)といえば豪邸をさします。だから「豪邸に住んでいる」という意味になるのです。
豪邸に住むほどの金持ちなのだからと誤解され、
「事業を立ち上げたいのですが、出資してもらえませんか?」
なんて言われたりして…。
冗談はさておき、
集合住宅は
apartment(アパートメント)
が適切な表現です。
次にサラリーマン。
そうです、これも日本でのみ通用する呼び方で、海外では
office worker(オフィスワーカー)
という表現が正解です。
サラリーマンはそのまま訳すとサラリー(給料)+マン(男)で「給料男」です。特撮ヒーロードラマに登場する怪人を連想しますね。
海外で間違っても、
「アイム・サラリーマン」
などと自己紹介しないでください。
「こいつ、ふざけているのか?」と思われてしまいますよ。
ただしサラリーマンは海外では有名な和製英語なので、多くの人が意味は分かるという話も聞きます。
海外で通じる日本語
最後に番外的な意味で、海外でそのまま通じる日本語をいくつか見ていきましょう。
「絵文字」
絵文字は日本の携帯文化が発祥と言われています。
「オタク」
日本では若干マイナスイメージがある「オタク」ですが、海外では良いイメージで使われることが多いとか。
日本のアニメ文化などに精通している「オタク」に敬意を表して…。ということなのでしょうか。
「カワイイ」
「カワイイ」は比較的新しい「通じる日本語」です。「キティちゃん」などのキャラクターが海外に広がり、そこから派生して広まっていったとする説があります。
和製英語があるんだから、洋製日本語なんてものがあっても不思議ではないような・・・。