ビラとチラシ
それは映画のチラシから始まった
先日、部屋の模様替えをしていたときのことです。押し入れの奥で、複数のダンボール箱を発見しました。何が入っているのか、心当たりがありません。しかもかなり重い。
札束だったら、うれしいな、などと妄想しながら開けてみると、中身は映画のチラシでした。
おそらく1000枚は越えていると思われます。B5板のクリアファイルに収まった、さまざまなデザインのチラシたちを眺めていると、当時夢中になって集めた思い出がよみがえってきました。でも場所をとる思い出です。
とはいえ、捨ててしまうのも非情すぎる気がします。なので、売ることにしました。
ネットで調べた古書店にメールで問い合わせたところ
「コレクションの年代を教えてほしい」
と質問されました。1980年代中心なので、その旨、回答した結果
「買い取りできない」
との返事です。
「この年代のチラシは多量に出回っており、人気がない」
とのことでした。(これは、この古書店の判断であって、すべてに当てはまるわけではありません)
似て非なるもの
他の古書店を探せば、あるいは買い取りをしてもらえたかもしれませんが、やめました。子供のころに夢中になったものを否定されたような気がしたからもしれません。
というわけで、大量の映画チラシはまだ手元にあり、暇なときに眺めています。
しかしながら、家族にとってはただの紙にしか見えないようで
「このビラ、取っておくの?」
なんて言ってきます。まったく映画に興味がない者にとっては、新聞の折り込みチラシとなんら変わらないということなのでしょう。
「そもそもビラじゃないし…」
これがチラシとビラの違いだ
チラシとは…
ここでふとした疑問が。「チラシ」と「ビラ」って厳密に区別されているものなのでしょうか? 簡単にいえば「チラシとビラの違いは?」ということになります。なんとなく分かっているような気もします。でも、改めて問われると、明確に説明できそうもないです。
今回は「チラシとビラの違い」について、説明できるようになることをテーマとして進めていきたいと思います。
チラシから見ていきましょう。
まずは語源から。諸説あるようですが「まき散らす」から派生したという話が有力のようです。「まき散らす」が「散らす」となり「散らし(チラシ)」と発展していったのではないかとのこと。
ここからお分かりいただけるように「配布するもの」を「チラシ」と呼ぶようです。
なるほど、映画のチラシも映画館設置のラックから自由に持ち帰ることができますし、駅前などで「新築マンションのチラシをお配りしております」などと声掛けしながらチラシを配っていますよね。
新聞と一緒に配達されるのも「折り込みチラシ」として良く知られています。配布のしやすさ、受け取りやすさを考慮してなのでしょうか、A4かB4サイズのものが多いようです。
また薄い紙で一枚刷りのものが圧倒的に多いとのことです。新聞の折り込みについてはさらに大きなサイズのチラシが一般的で、広げると新聞より大きなサイズのものを時々見かけます。
ビラとは…
対して、ビラですが、語源については英語のBillから派生した、という説があります。Billには「張り紙」という意味があるのです。
ということは、掲示するもの、張り出すものをビラと呼ぶと考えてよさそうです。
語源の話に戻りますが、張り紙が風にふかれて「びらびら」しているからという説もありますので、ビラ=掲示するものという結論で問題ないのではないでしょうか。
まとめると、
- チラシ=配布する紙の媒体
- ビラ=掲示する紙の媒体
となります。
ということは「チラシが貼ってある」「ビラを配る」は厳密にいえば誤った表現です。
でも「ビラを配る」って、割と違和感なく使っている言い回しだったりしませんか。現代ではあまり厳密な使い分けはされていないのかもしれませんね。
さて手元に残った映画のチラシ、思い出を「散らさない」ように、もう少し取っておくことにしますか…。
平成生まれのまさケロンは「ビラ」っていう言葉の響きにすら馴染みがあんまりない!!
自分でびっくり!!