スマホに思わず「ありがとう」
チケット予約に感動する
映画のチケットもインターネット予約が一般的になってきました。便利ですよね。人気のある映画を観たいときも、窓口に並ばずに事前にチケットを予約できるのですから。
映画ファンにとって、チケットのネット予約はとても頼もしいサービスです。
さて先日、ちょっとおもしろいことがありました。
見たい映画があり、いつものようにチケットをインターネットで予約しました。あまり普段は利用しない映画館での上映です。場所が分からなくて、迷ってしまうのではないか、という不安が若干ありましたが、まあ、なんとかなるだろうと思って当日を迎えました。
幸いにも迷うことなく、上映開始に充分間に合う時刻に映画館に到着。時間確認のためにスマートフォンを見たときに、ちょっと驚く通知が表示されていました。
「○○(映画館の名前)にて18:45より上映の○○(映画の題名)のチケットを予約済みです。表示されているバーコードを端末にかざして発券してください」
というメッセージと、バーコードが表示されていたのです。このようなことは初めてで、ちょっと感動してしまいました。
「ひと手間」の軽減
これがアプリなのか、スマートフォンの機能なのか詳細は確認しなかったのですが、素晴らしいサービスだと思います。
大抵のチケット予約は、発券時に予約確認メールに記載されている「予約番号」を入力したり、リンク先を開いてバーコードをかざしたりしなければなりません。そういった「ひと手間」が必ずかかるものなのです。
それをスマートフォンが肩代わりしてくれたのですから、素直に「ありがとう」と言いたくなってしまいます。
サービスについて考える
特別な便宜
サービスって何だろう。国語辞典で調べてみると、
「お客さんに特別な便宜をはかること」
とあります。「特別な便宜」については
「本来の業務の範疇を超えること」
もあるそうです。
先の例でみると
「私の業務は、チケットを確保することです」
「発券時の手間を減らすことは私の仕事ではありません」
ということになってしまったら、利用者が感動することなどありません。
「仕事の範疇」ということで考えれば、全くその通りなのですが、ちょっと残念です。
おかわり自由
とんかつ屋の「キャベツ、ご飯のおかわり自由」。
これは本当にありがたいサービスですよね。
若いころはとてもお世話になりました。とんかつが高級料理だった頃、温かいご飯を食べてもらいたいために、わざと小さい茶碗で供したことが始まりだという説があります。「お客さんに満足してもらおう」という発想も追加されて現在も引き継がれているということなのでしょう。
こうしてみてみると、サービスというものは「お客さんに喜んでもらいたい」という気持ちを具体的にしたものと言えませんか?
そしてそれは、
「本気かそうでないかは、すぐお客さんにバレちゃうよ」
という面があります。
笑顔の先には…
たとえば
「本当は『お替り自由』なんてやりたくはないのだけれど、やらなかったら他の店に客を取られるから仕方ない。やるよ」
というとんかつ屋がいたら、嫌々ながら「キャベツ」や「ごはん」のおかわりを提供するわけで、持ってくるときにそういう気持ちが顔に出たりして、そのようなマイナス要素ってお客さんはすぐに気がつきます。
目的は「商売繁盛」なのだから、お客さんに何度も足を運んでもらうための手段としてサービスがある。これは誰もが認めていること。
大切なのは、
こういうサービスを行えば、お客さんが喜ぶ
ではなくて、
お客さんに喜んでもらうには、どのようなサービスがあるのだろう。
ということだと思うのです。
感謝もサービス?
そして素晴らしいサービスを受けたなら「ありがとう」と感謝の気持ちを表しましょう。
「私は客だぞ。金払ってやってんだ。サービスするのは当然、礼などいう必要なし」という考え方もあるでしょう。
それが間違っているなどとは思いません。
でも、そういう考えだと何か素晴らしいものに出会う機会はずっと少なくなると思います。
ありがとうって気持ちをたくさんもてるようになれば、世界がもっと明るくみえたり。