訪問者は事前申請とパスポート必須
国内なのに外国?
訪問するためには事前申請とパスポートが必要です。
と言われたらほとんどの人が外国の話だと考えることでしょう。
でも違います
日本国内の話です。
そんな場所、本当にあるのでしょうか?
あるんです。
神奈川県横浜市、JR根岸線根岸駅の近郊、かつて根岸競馬場があった根岸森林公園の西側に広がる根岸住宅地区。
ここは米軍横須賀基地が管轄する場所です。
その中に転々と日本人の住宅が存在します。いわゆる飛び地と呼ばれる状態です。
ここを訪れるためには事前の申請が必要で、訪問時は米軍のゲートを通過することになるためパスポートの提示が必要なのです。
当の住民ですら許可証を提示する必要があるのだそうです。
2000年まで井戸水を使用していた
つまり米軍の管轄下にある土地の一部に、日本人が住んでいるという形になるためパスポートが必要になるのです。
米軍管轄下の地域に住むなんてちょっとおしゃれな響きがあります。
米軍関係者のために用意された日本家屋とは違う作りの家に住み、近所の米軍関係者の家族とお隣同士の付き合い。ホームパーティーに呼ばれたりして、日本に居ながらにしてアメリカで生活しているような感覚が味わえる。
そんな想像をしてしまいますが、現実はそんな甘いものではなく、過酷の一言につきます。
周囲の土地が米軍の管轄下にあるため、自由を制限されてしまう生活を強いられます。
例えばライフラインの確保もままなりません。
ある住民は2000年に上下水道が整備されるまで、井戸水を使用していました。
また車のナンバープレートが壊されていたり、子供が米軍関係者に追いかけられるといった事件にもあっており、警察に相談しましたが米軍の管轄だからという理由でとりあってもらえませんでした。
2013年12月に一人の住民が、長年に渡り自由を極端に制限された生活を強いられた結果、精神的な苦痛を与えられたとして日本を相手に訴訟を起こしています。その際、
というコメントを発表しています。
なぜこんなことになってしまったのか
理由は不明
戦後まもなく米軍がこの一帯を接収した際、何らかの理由で一部の土地が接収の対象とならなかったことがこのような陸の孤島を生み出した原因といわれています。
防衛省によると、周囲を米軍管轄の土地に囲まれた私有地に日本人が住んでいる例は全国でもここだけとのことです。
今後の課題
現在2世帯の日本人が根岸住宅地区内に居住しています。
平成十六年の日米合同委員会で根岸住宅地区の返還が合意されたため、近い将来、住民が陸の孤島から開放されるときが来ると思われます。
日本政府の課題としては、これまでの住民の自由の確保が挙げられます。
日本に住んでいるのに、外国に自由を制限されるってのはおかしいなぁ~
一刻もはやく、住民の自由が確保されるとええな!