春分の日と秋分の日、それぞれその前後の3日間を合わせた合計7日間は
お彼岸
です。
という信仰的習慣、平たくいうと自分の親族のお墓参りに行く日です。
なんとなく元来の習慣を受け継いできていますが、考えてみると意味がよくわからなかったり、やっていいことやいけないことの判断があいまいな点も多い行事です。
知らなくてもいいけど、知ってるとちょっとかっこいい豆知識
「暑さ寒さも彼岸まで」にこめられた深い意味
夏の猛暑も冬の極寒も、昼夜の時間が反転するこの時季までくれば、随分和らいできますよ、という読んだまんまの意味ですが、悟りの境地的にいうと、もう少し深いニュアンスが含まれます。
暑さや寒さは人生の辛いことを象徴します。
厳しく辛い時期があっても、季節は必ず巡るように、耐え忍んで頑張っていれば必ずそれが和らいでくるようになるよ、と、日々の試練を生きる人への励ましの教えなのです。
お墓参りってお祝い?春分の日と秋分の日はなぜ祝日?
お墓参りの習慣は尊いと思われますが、お祝いや記念日というわけでもないのに、なぜ祝日になっているのでしょうか?
これは戦前の祭日の名残です。
天皇主権時代は祝日の他に祭日があり、どちらも多くは皇室行事と直結していました。
天皇の命日は祝いではなく祭りごとでした。
代々の天皇はたくさんいるので、全部の命日を祭日にしきれません。春分と秋分の日に「皇霊祭」として歴代の天皇の御魂をお祀りする皇室行事が行われ、祭日とされました。
戦後、国民主権に変わって祭日はなくなりました。
代わりに、春分は
秋分は
として国民の祝日になりました。
これってどんな決まりになってる?お彼岸の迷い点
お彼岸にお祝いごとをしてはいけない?
年配の人はよくこういうことを言います。
が、お彼岸の連休が大安にあたると、大量に結婚式が行われています。
これ、本当は縁起悪いのでしょうか?
祖先の法要は喪に服すこととは違います。
お彼岸は縁起が悪いことは全くなく、仏教でも禁忌の定めはありません。
昔はお彼岸の一週間毎日法要する家も多かったので、
と戒めるために、祝い事はだめと言われたのだと思われます。
キリスト教徒の家族は法要に呼んではいけない?
宗教に関わらず、死者を悼むためにお墓に行くことはどんな国の人もやります。
お彼岸やお盆を特に「お墓参りの日」と決めているのは日本の慣習ですから、日本人のキリスト教徒の中には、その時期にお墓に行く習慣がある人もいます。
正教会では、その国の習慣を積極的に取り入れて布教していく伝統があり、わざわざお彼岸に墓参りとミサをしている教会もあります。
仏教の家族の中にキリスト教徒がいても、お墓参りに誘ってはいけない、ということはありません。
但し、クリスチャンは死者を拝むことはしません。
日本では死んだ人が仏様や神様になりますが、キリスト教では自分の神様以外のものは礼拝しません。
厳密に言うと「お墓参り」はしませんが、死者を追悼する気持ちは同じだ、という点を理解してあげましょう。
葬式と法要の時だけ仏教徒になる日本人ですが、七五三やお宮参りは神教の習慣を大事にしています。
クリスマスもハロウィンもお祝いしている、ものすごく寛容な宗教観の国に見えるのに、墓守りの価値観だけはとても頑(かた)なだったりします。
親戚や家族との関わりが深まるお彼岸の習慣、気を遣う部分もあるかもしれませんが、日本らしくアンニュイに、上手に対処していけるといいですね。
仏教が違うからといって分かり合えないわけやないで!
みんな仲良うしいやぁ~