寒暖の差が激しい時期もようやく落ち着き、これからは日に日に春めく季節です。
日本全国、桜前線もゆっくりと北上を始めています。
満開の頃を見計らって、お花見の計画を立てている人もいるでしょう。
宴席での話題作りに、ちょっと知ってると「へぇーっ」という羨望の眼で見てもらえる(かもしれない?)ウンチク話として、桜の花の花言葉などいかがでしょう。
パッと咲いてパッと散る潔い美しさに重なる精神論
強烈なインパクトを残す花の咲き方の象徴すること
長い冬を耐え、ようやく迎える命芽吹く春の季節に、一斉に咲き誇り一斉に散っていく、その圧巻とも言える強烈な開花の印象が、花言葉にも多く含まれています。
満開の艶やかな眺めと散り際の潔くもはかない美しさは、ただの表面的な美ではなく、凛とした芯の通った内面からにじみ出る美を感じさせます。
そこから、内面的な心の美や生き方を反映して
精神の美
という花言葉がつきました。
英語の花言葉も
Spirituality(精神性)
です。
大義のための自己犠牲を尊ぶ日本的な精神論に通じる花
日本では、侍が社会の中心にいた中世は忠義を尊ぶ武士道が重んじられました。
また、近代天皇主権の時代、日清日露の戦争を経る中で、戦意高揚を図るために
生き方の美学が強く説かれるようになりました。
潔くパッと散る桜は、大義のために自己犠牲をいとわない愛国心の象徴として用いられます。
山桜の花言葉高尚、ソメイヨシノの高貴には、そんな生き方に誇りを持つかのような意味が込められています。
はかない美しさから連想された花言葉
一方で、そんな重厚な精神論は置いておいて、純粋にその花の時季の短さから『淡泊』という花言葉もあります。
わびさびを愛した日本人ははかなさをより強く感じるのでしょう。
ちなみに、ロマンスの国フランスでは、散り際の印象強さを積極的にとらえるようで、私を忘れないでという花言葉をつけています。
古事記の神話とアメリカの逸話から生まれた花言葉
花のように美しい木花咲耶姫[このはなさくやひめ]に由来
「さくら」の名前の由来として、古事記に出てくる“木花咲耶姫”の「さくや」が転じたという説があります。
天の神様天照大神(あまてらすおおみかみ)が地上を治めさせるために孫の瓊瓊杵命(ににぎのみこと)を天から遣わします。
そのににぎのみことが一目ぼれして妻にしたのが、土着の神様の娘の木花咲耶姫です。
「木花」が桜を意味するとか、咲耶姫が富士山から最初の桜の種を撒いたとか、姫は桜の霊だったとか、いろいろ語り継がれています。
とにかく、咲き誇る桜のように美しい姫でしたが、初夜に懐妊したため、ににぎのみことに貞操を疑われます。
姫は
と言って、産気づくと館に火を放ち、その中で本当に無事王子を出産するのです。
そこから
- 優れた美人
- 純潔
の花言葉が生れました。
ワシントンの桜の木の話から読み取れる教訓
アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンの桜の木の逸話を御存じですか?
彼が子どもの時、父親の大切にしていた桜の木を切ってしまいます。
しかし、そのことを隠さず正直に父親に告白すると、叱られずにその正直さを褒めてもらった、というお話です。
これは今でも
嘘をついちゃいけないよ
という子どもへの教訓として語り継がれています。
これにちなんで、八重桜には
良い教育
という花言葉があります。
花言葉は元来西洋の文化でした。
日本に伝わったのは明治以降で、最初は欧米の花言葉をそのまま訳していましたが、その後、園芸産業に従事する皆さんが販売促進のために様々に新しい意味に発展させました。
新種ができると開発者や生産者がその都度花言葉もつけています。
そう聞くと、何だか作為的な感じもしてしまいますが、意味付けのウンチクもわかりやすいので、宴席の盛り上げネタとして良かったら上手に活用してくださいませ。
桜にもいろんな花言葉があるんやなぁ~
お花見の時とかにこの豆知識を話せたらカッコええで!