心のトラブル

モラルハラスメントとは。人格の破壊にも繋がる見えない暴力

Written by なつき

いろいろなハラスメントがある中で、最も表に出にくく、外から分かりにくいと言われるのが、

モラルハラスメント。

被害者さえ、最初はその被害に遭っていることが分からず、ある程度時間が経ってから、自分が被害者であることに気付くといいます。

一体、どんなことがモラルハラスメントなのでしょうか。



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自己愛性人格障害

自分は特別な存在

モラルハラスメントの加害者は、

「自己愛性人格障害」

であるといわれています。

自分のことを「特別な存在」と思っています。

加害者は自分が障害を持っているとは自覚していませんし、例え他人から指摘されても、簡単に納得することはないと思っていいでしょう。

共通する加害者のタイプ

どんな人が加害者になってしまうのか・・・その共通点を挙げてみました。

  • 強い者には従順で、弱い者には強く出る。
  • 人の悪口ばかりを言い、人を尊重したり褒めたりしない。
  • 人に恩を着せる。
  • 人の価値を貶めて、相手を見下し優越感に浸る。
  • 自分は罪悪感を持たず、すべての責任を他人に押し付ける。
  • 自分が嫌なことをされると、大げさに扱うことが多い。
  • ねちねちした性格。
  • とにかく褒められ、賞賛されたい。

他人からは分かりにくい

加害者と被害者の関係が、夫婦間や親子間だったりすると、密室の出来事であるため、外からは分かりにくいもの。

また加害者は、第三者の前では「いい人」を演じるため、被害者が真実を打ち明けたところで、その深刻さはなかなか伝わりにくいのです。

マインドコントロール

加害者の感情に振り回されてしまう

加害者は殆どの場合情緒不安定で、周りの人間、特に被害者に対して攻撃的です。

そして言動に一貫性がないため、被害者は加害者の感情に振り回されて、それに支配され、いつの間にか反抗することが出来なくなってしまいます。

加害者は、被害者が右と言っても左と言っても、どちらにしてもその姿勢を非難し、クレームを付けたがるという訳です。

マインドコントロールによって

被害者は加害者によって、外部の人間との関係を制限される。

被害者は外部の人間との関係が保てなくなり、自身の存在価値も見出せなくなる。

被害者の思考力・判断力が低下。自己表現も出来なくなる。

被害者には無気力・無力感しか残っておらず、感情を殺すことが当たり前になる。

支配されてしまう

加害者から、自分の価値を貶められた被害者は、自分のことをダメな人間と思い込みます。

それが加害者からの

「マインドコントロール=支配される」

ということなのです。

そうやって自己否定を繰り返す状況に置かれた被害者は、次第に心を病んでいってしまうのです。

自己愛性人格障害を乗り越えるためには

治すための一歩が遠い

では、どうしたらいいのでしょうか。

加害者の「自己愛性人格障害」を治すのは、かなり難しいと思われます。

治すためには、まずその障害を認めるということが前提となります。

自分を「特別な存在」だと思っている加害者は、まず認めようとはしません。

「自覚する」ということが出来ない限り、治すための一歩は踏み出せないのです。

真実が見えにくい

自分が見下している被害者から意見されても、加害者は聞く耳を持ちません。

第三者が入ってくれることが好ましいのですが、他人の前では「いい人」を演じられる加害者の本性を見破ることは容易ではありません。

また暴力など証拠が残るようなものではないので、加害者が否定してしまえば、被害者の訴えを証明出来るものがありません。

証拠を残す

そうならないために、加害者の言葉を録音するなど、決定的な証拠になるものが必要となります。

録音が無理でも、どんな状況で何を言われたかを詳しく記録しておくことも有効です。

その時の日時なども忘れずに記しておきましょう。

きちんと記録すれば、より信憑性が高くなります。

加害者から離れる

次の段階では、加害者から離れることが大切。

一緒にいるとマインドコントロールをされたままになってしまうので、何も解決しません。

とにかく加害者の支配から脱出することが必要です。

話し合わなければならない時は、必ず信頼出来る第三者に立ち会ってもらいましょう。

時間をかけて

また自己愛性人格障害の人は、それを第三者から指摘されても、認めた上で開き直ったり、反省したふりをしたりといった言動に出ることが多いといわれています。

専門のカウンセラーや医師を受診し、時間をかけて診てもらう必要があります。

加害者は被害者でもあった

周りに否定されない自分でいたい

自己愛性人格障害の人は、幼少期の非常に辛い経験などが、その原因といわれています。

そういった意味では、被害者であったともいえるのです。

自分のメンタルを安定させるために、「周りに否定されない自分」でいることが、何よりも重要なのです。

その反動から、他人を見下すなどの言動が表れてくるのでしょう。

悪循環を避けるためには

この障害を早めに見極めることができれば、カウンセラーや家族のサポートでの治療も可能になると思います。

本人が自覚しないまま周りの人間を傷付け、その人達が心の病になってしまうような悪循環は、出来るだけ避けたいものです。

そのためには、この自己愛性人格障害というものが、広く正確に知られるようになることが必要となってきます。

まさケロンのひとこと

少なくともこの記事を見てるアナタは「ダメな人間」なんかじゃないよ。
できることを、ひとつずつやっていこう。まだまだ人生これからだよ。

masakeron-love


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筆者情報

なつき

東京都出身。飲食店で勤務をしながら、趣味で執筆。エッセイコンクール等で入賞多数。2010年からライターとして執筆開始。2014年本格的にフリーとして始動。結婚、恋愛、教育、子育て、スポーツ、健康、保険、季節のイベント等の記事を中心に執筆。2013年FP2級取得。