鳥の先祖は始祖鳥じゃなくて恐竜/でもそれ、絶滅したはずでは?

こいつらも昔は恐竜だった
Written by すずき大和

最近の科学の進歩の早さときたら、目まぐるしいほどの変わりようです。

と、聞くと、

  • 「IT」
  • 「人工知能」
  • 「DNA解析」
  • 「iPS細胞」

など、“未来”へ向かって進化・発展するテクノロジーのイメージを持つ人が多いかもしれません。

が、古生物学などの“過去”を解明していくほうの発見や技術の発展もなかなか目覚ましく、世代が違うと教科書で教わったことが全然違う!ということも多々あるようです。

例えば、最近は、

“始祖鳥(しそちょう)は鳥の先祖”じゃなかった!

ことがわかっています。知っていましたか?



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「鳥の祖先は恐竜」説の紆余曲折

鳥は恐竜の仲間?子孫?

1861年、太古の鳥らしき化石がドイツで発見されました。今の鳥と特徴が一致する部分が多く、“最古の鳥類”と考えられ『始祖鳥』と名付けられました。教科書に「鳥の先祖」として写真が載っていた世代は多いでしょう。

始祖鳥はまた、恐竜の特徴とも多くの点が一致し、多くの学者が

“爬虫類⇒恐竜⇒始祖鳥⇒鳥”

の順で進化したと考えました。

しかし、1968年、始祖鳥より古い時代の地層から、もっと鳥に近い生物の化石が見つかり、90年代には、からだに羽毛が生えた恐竜の化石もいくつか発見されました。

そうこうしている間に、鳥の祖先は恐竜ではなく、

“爬虫類⇒恐竜⇒絶滅”“爬虫類⇒始祖鳥⇒鳥”

に分かれたのではないか、という学説も出てきました。

鳥と恐竜の一致

恐竜と現在の鳥を比べると、特徴が一致する点がとてもたくさんあります。

最も特徴的なのは、呼吸器です。鳥には他の陸生動物には見られない

「気嚢(きのう)」

という仕組があります。

簡単にいうと、酸素の取り込み効率がいいからだになっています。だから、山より高い空を飛んでも高山病にならないのです。

21世紀に入り、化石の骨の研究から、恐竜には気嚢があったことがわかってきました。

気嚢のおかげで繁栄した恐竜

恐竜が繁栄するもっと前、今から2億5千万年以上前の氷河期(ペルム氷期)には、空気中の35%が酸素でした。その頃、哺乳類型の爬虫類がたくさん繁栄していました。その後の三畳紀に二酸化炭素が急増します。地球は温暖化しましたが、酸素は急激に減りました。次のジュラ紀の初め(約2億年前)には12%くらいまで少なくなりました。

哺乳類型爬虫類は、ごく小型のもの(今の哺乳類の先祖)を残して絶滅し、代わりにジュラ紀から次の白亜紀まで繁栄したのが、恐竜と同じ進化経路の巨大爬虫類たちでした。生き残るために低酸素の環境に適応するよう気嚢が進化した、と考えると合点がいきます。

鳥の直接の祖先はティラノサウルスの仲間

アラフィフ世代の子ども時代の恐竜図鑑には、フタバスズキリュウやプレシオサウルスなどの首長竜や、プテラノドンなどの翼竜もみんな恐竜の仲間として載っていました。今の子どもたちが見る図鑑には、

  • 首長竜は恐竜と遠い先祖で別れた「海生爬虫類」
  • 翼竜は近い先祖で別れた「翼竜類」

に分類され、恐竜の仲間ではなくなっています。

そして、恐竜は大きくわけて、トリケラトプスの仲間とティラノサウルスの仲間に進化の枝が分かれています。2011年、鳥は、このティラノサウルスの仲間(獣脚類)と足の指の付き方の特徴が一致することを日本の研究者が証明しました。

こうして、今では、

“鳥は、獣脚類の中で、羽毛を持ち、小型に進化した仲間の生き残り”


であることが、定説となりました。

そして、始祖鳥の足の指の付き方は、今の鳥とは微妙に異なっていることも、新たな発見でわかっています。残念ながら、始祖鳥は、生き残った種とはごく近い所で別れて進化した種であり、直接の先祖ではなかったのです。


恐竜は絶滅してない

絶滅したのは大型の爬虫類全般

白亜紀の終わり、6500万年前に、恐竜は突然絶滅したといわれています。が、この時に絶滅したのは、首長竜や翼竜や魚竜も含めた大型の爬虫類全般です。

学術的分類はさておき、昔の恐竜図鑑に載っていたこれら大型爬虫類をまとめて「恐竜」と呼ぶ慣習は、今も残っています。キョウリュウジャーの中にも首長竜と翼竜がいましたね。絶滅したのは、この意味の恐竜たちでした。

鳥は恐竜が小型化して生き残った姿

その時、既に鳥へと進化していた種は現在まで生き残っています。“鳥類は恐竜の進化形”と考えると、恐竜は絶滅してはいません。

鳥こそが恐竜の生き残り!

ということになります。

6500万年前に何があったのか、完全には解明されていません。

なぜ大型のものは滅び、哺乳類の祖先や鳥類、魚たちなどは生き延びたのでしょう。

それは、大型爬虫類に比べ、これらのものの進化のスピードがとても早かったことと関係していると思われます。急速な小型化を始め、羽毛を翼に進化させたり、木に登ったり、水中生活するようになったり、鳥類は環境に適応して様々な進化を遂げその後も繁栄しました。

絶滅した恐竜たちは、この世の栄華を極めた時代のままの怠惰な進化により、条件に合う生活圏(ニッチ)を失ってしまったのです。

最近、「○○○を取り戻そう」みたいな政治スローガンを日本でも海外でもよく目にします。鳥たちは、そんな人間界を見て

「昔の栄光を欲しがり、旧態依然の価値観にしがみついていると、絶滅しちゃうよ」


という無言のメッセージを発しているかもしれません。

まさケロンのひとこと

時代とともに変化、進化できない恐竜は絶滅しちゃって、恐竜の子孫となる鳥たちは時代の変化に適応して生き残ったわけだ。これは人間も見習わなきゃいけないような気がするね~。

masakeron-surprised


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。