明日は太陽の高さが一番高く、昼の長さが一番長くなる
夏至
です。
日本よりも緯度が高いヨーロッパでは、冬と夏の昼間時間差が大きく、夏の日暮れはとても遅くなります。
湿度が低く爽やかな気候であることも幸いし、欧州の人にとって、夏は作物の収穫も進み、レジャーの幅も広がる、屋外活動を思いっきり満喫する喜びと楽しみの季節です。
夏の始まりを象徴する夏至は、古代から特別に祝われてきた歴史があります。
キリスト教文化が広まってからは、キリストの半年前に生まれたとされる聖人の誕生日を祝う
聖ヨハネの日(6月24日)と合わさって、各国それぞれに祝福されています。
白夜の一日を踊り歌い明かす北欧の夏至祭
北欧諸国が一年で一番華やぐ季節
北極圏が近い北欧では、夏の夜はとても短く、夏至の頃には太陽が沈まず真夜中も出ていたり、沈んでも薄明りが一晩中続いたりする白夜の季節を迎えます。
暗く長い夜が続く冬を過ごす国の人々にとって、夏至は本当に喜ばしいお祝いであり、クリスマスに匹敵するほどの盛大なお祭が行われています。
フィンランドやスウェーデンでは夏至に最も近い土曜日が祝日となっており、この時期に夏休みを取る人も大勢います。
ノルウェーやデンマークでは、聖ヨハネの日の前日の夜から大きなかがり火を焚いて、その周りに大勢が集い、翌日まで夏至祭のパーティーをします。
太陽と自然への信仰が残る祭りの風習
スウェーデン・ダーラナ地方のお祭が観光番組などではよく取り上げられます。
草花で飾り付けをした高いポールを立て、その周りで民族衣装を着て草花の冠を被った男女が手をつないで踊り明かしています。
フィンランドでも一部の地域でこのポールの飾りが見られます。
また、ノルウェーのように大きなかがり火(フィンランドでは「コッコ」と呼ばれます)を焚くのが恒例です。
縁起物として、かがり火が夏至祭の付きものになっている国は、ヨーロッパの北部から東部に多く見られます。
森が多く自然への畏敬の念が強い文化のノルウェーでは妖精が祭にたくさん登場します。
男女の出会いが活発になる夏至祭の夜
夏至は動植物の繁殖を促進する?!
夏は作物の実りの季節であり、夏至は繁殖のパワーを秘めた日、のようなニュアンスで捉えられているようです。
祭の習慣の中には男女の結びつきを促進する占いやしきたりがいろいろあります。
ノルウェーでは、子どもたちが模擬結婚式を挙げて豊穣を願います。
ウクライナやベラルーシ、ポーランドなどの東欧やロシアでは、夏至の夜は人々が恋に落ちると言い伝えられ、未婚の男女が川に花輪を流して結ばれる相手を占う習慣などありました。
カップルが手をつないだままかがり火を飛び越えたりくぐったりできたら結ばれる、という言い伝えも複数の国にあります。
スウェーデンなどで立てるポールは、男性器の象徴とも言われます。
未来の夫がわかるおまじないもいっぱい
未婚女性が未来の夫を占う言い伝えも多く、スウェーデンでは、夏至の夜7種類の草花を枕の下において寝ると未来の夫の夢が見られる、と言い伝えられています。
ギリシャでは
リトアニアでは
と、未来の夫の夢を見るそうです。
フィンランドでは、夏至の日に交差点に立っていると未来の夫に会えるとか、裸で井戸や泉を覗くと未来の夫の顔が映る、などと言われています。
夏至のストーンヘッジは男女の出会いを祝うパワースポット
ヨーロッパで最も動員数が出る夏至の人気スポットは、イギリスの
ストーンヘッジ
です。
荒野の真ん中に突然現れるサークル状に並ぶ巨石の遺跡には、夏至になると2万人が集まります。
夏至には、中心の祭壇石の直線状にある玄武岩の当たりから日が昇り、祭壇石に最初の光が当たるのです。
300年ほど前、ドルイド教に由来した遺跡であるという説が示され、以後、ドルイド信者たちが集まり夏至の儀式を行うようになりました。
この儀式は男性神と女性神を表わす
太陽と地球
の結合を祝う意味が込められています。
梅雨の間に夏至を迎える日本では、あまりお祝いの感覚はありませんが、ヨーロッパの夏至祭には、男女をひき遇わせるパワーがあるようです。
北欧では、実際に夏至の祝日から9か月後に生まれる子どもが多いとか。
もしパートナーとの仲がちょっと倦怠期ぎみになってきたら、夏至のヨーロッパ旅行を計画してみるといいかもしれません。
ヨーロッパの方には、恋愛に関する夏至の文化がたくさんあるんやねぇ~
女の人なら結構興味あるんとちゃうか?