ビジネス・経済

ボーナスの税金が昔よりかなり高くなっているってホント?

Written by すずき大和

2014年の冬は、大手企業の平均支給額が、過去最高(2008年)の金額に迫る勢いでアップしたようです。

といっても、中小企業で働く人たちの多くは、生活が潤うほどアップした人は極一部で、逆に支給額がへらされたり、支給そのものが無くなったりしている例も少なくないようです。

もともとボーナスなんてない多くの人たちも含め、物価の上昇だけが身につまされる冬となりそうです。

それでも、そんな中でも何とか手にしたボーナスは有難いです。

しかし、支給される額面より、実際の手取りが意外と少なくなっているような気がするこの頃・・・という声もよく聞きます。

父親たちの世代の話を聞くと、最近のボーナスに掛かる税金はかなり高いらしいです。

去年と比べても、支給額が同じくらいなのに、引かれている税金が増えていた、という話も、今年は多く聞きます。

気付かぬうちに、税率がそんなに上がっていたのでしょうか・・・・。

意外と知られていない「ボーナスの税金のお話」です。



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ボーナスに掛かる税金について

ボーナスから引かれる税金の種類

ボーナスには、月々の給料と同じく、

「社会保険税」

「所得税」

「住民税」

が掛かります。

それぞれ、その税率の決め方が異なっています。

社会保険税は支給される額に決まった税率をかけた金額が徴収されます。

住民税は去年のボーナスと給料を合わせた年間総所得に応じて計算され、月々の給料から特別徴収されるので、ボーナスからは引かれません。

所得税

“源泉徴収”

という形で月々の給料とボーナスの両方から引かれます。

社会保険税の引かれ方が大きくなった

ひとむかし前に比べると、なんだか引かれる額が大きくなったな、と感じる一番の原因は、社会保険税にあります。

実は、2003年にサラリーマンの収入に対する社会保険税の計算方法が改定され、ボーナスにかかる保険料はそれ以前よりだいぶ高くなりました。

所得全体に掛かる保険料そのものも高くなったこと、介護保険などが新たに加わったことも、値上がり感に影響しています。

一方で、ボーナスの税率が高くなった代わりに、月々の保険料が安くなったので、ボーナスの割合によっては、年間の負担額が減った人も中にはいます。

源泉徴収のしくみがわかりにくい

ここ数年、ボーナスの支給額が変わらなかったり減額したりしているのに、税金が下がっていない、または高くなっている、と感じる人がいるのは、

所得税の源泉徴収の計算の仕方が、月々の給料とボーナスとでは異なる、

ということに起因しています。

毎月の給料に掛かる所得税は、その月の課税所得金額から計算されます。

しかし、ボーナスの源泉徴収の税率は、賞与金額に関わらず、その前の月の給料によって決まります。

給料は残業が多ければ高くなります。一時の景気の底の時に比べると、大手が儲かってきた分、中小企業でも仕事量だけは増えてきています。

但し、消費税が上がっても転嫁できなかったり、円高・円安の影響があったり、取引先が海外と比較して単価を叩いて来たりするため、実際の儲けはあまり上がらず、逆に人件費を削らないといけない中小企業がたくさんありました。

その結果、会社の業績も給料も上がらないのに、労働者一人当たりの残業時間は増えている傾向があります。

ボーナスは変わらなかったり減ったりしていても、普段の残業が去年より増えていると、源泉徴収額が高くなってしまう場合があるのです。

扶養家族に変動があっても引かれるものが変わります

源泉徴収については、

年末調整

というものが行われ、結局年間の総所得に対して課税され、多く取られた分は帰って来ますから、2か月前の残業が多かったせいでボーナスの税金が高くても、あまり気にしなくても大丈夫です。

一方で、源泉徴収額は扶養している家族の数でも違ってきます。

子どもが就職したり、妻がパートに出るようになったりして、扶養する家族が減っていると、賞与はもちろん、月々の税金も高くなっているはずです。

会社によっては、いろいろな手当も外されるので、その分所得が減って、徴収金額も小さくなることもありますが、扶養家族が一人違うことによる金額の差は、それよりもっと大きくなる場合が多いです。

以上のような原因で、昔に比べてボーナスから引かれる金額が大きくなったな~という事態になっています。

社会保険の改定や、たまたま2か月前に残業が多かった影響でマイナスになっている人は、年間に引かれる金額のトータルでは、それほど大きく変わってはいないはずなので、あまり悲観しなくても大丈夫です。

ただ支給額から2~3割も少なくなっているのを見る心寂しさは、よくわかります。

選挙して自民党の政策が良くなるのかどうかはわかりませんが、こうなったら、アベノミクスの御利益が、本当に末端の労働者まで還元される日が本当にくることをひたすら祈りましょう。

まさケロンのひとこと

「ボーナスの源泉徴収の税率は、賞与金額に関わらず、その前の月の給料によって決まる」
って、びっくりしたよ!てっきりボーナスの額で決まると思ってた。

masakeron-surprised


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。