政治・経済

候補者の演説がうるさいなか、選挙について考えてみた

Written by 言祝(kotoho)

第18回統一地方選挙

演説、はっきり言ってうるさいです。

4月26日に市長などや議員を決める、「第18回統一地方選挙」が実施されました。

この記事を書いているのは投票日前なので結果は判明していません。

最近の傾向として選挙結果もさることながら大きくクローズアップされているのが投票率です。

すでに行われた統一地方選挙の前半戦では、投票率が50パーセント以下となり、過去最低の数字だったと報道されました。

これについては後で触れますが、まずは投票日が近づくとヒートアップする候補者によるアピール合戦、街頭演説について見ていきたいと思います。

先述しましたがこの記事は投票日前に執筆しました。

具体的には4月25日、そうです。投票日の前日です。土曜日です。

仕事が休みだった筆者は、目覚まし時計もセットせず、自然に目が覚めるまで起きないでおこうと思い、昨晩布団に潜り込みました。

ゆっくり寝ていられる理想的な一日のスタートになるはずでした。

「○○(筆者が住むマンション名)にお住まいのみなさま。△△が最後のお願いにやって参りましたあ」

いきなりの大音量。びっくりして目が覚めてしまいました。時計を見るとまもなく午前10時になろうというところ。

ベランダに出てみると、マンションの正面玄関の前あたりに、たすきをかけた候補者がハンドマイク片手に「最後のお願い」のため声を張り上げています。

その傍らには2~3人の支援者がノボリをもって控えています。

「うるせえなあ、マイク使っているんだったらもう少しレベル落とせよ」

などと思いながら、せっかくの休みを台無しにした張本人をベランダから見下ろしていると、なんとそこへ別の候補者の宣伝カーがやってきました。

「どうなるのだろう」

と興味深く観察していると、

「××候補、健闘をお祈り申し上げます」

とエールを送りながら宣伝カーは止まることなく通り過ぎていきました。

なかなか礼儀正しいですね。

さて演説中の候補者の話の内容に注目してみると、かなり具体的でした。

「私が当選したら、以下の改善をお約束いたします」

として、医療費の削減だとか市民税の減額だとか、本当に実現できるのなら一市民としてはうれしい公約を挙げていきます。

ただし、本当にこの議員ひとりの力で実現できるものなのかは、申し訳ないけどちょっと怪しい。

とんでもない目覚めを迎えてしまった休日の朝。

気を取り直して近所のコンビニへコーヒーでも飲もうかと思い、出かけてみると、ここにもいた。コンビニ前の歩道で別の候補者が演説している。

ちょっといい加減にして欲しいなと思いつつ、コーヒーを買って店の前で飲んでいると、イヤでも演説の内容が耳に入ってきてしまう。

この候補者は自分の名前を連呼するタイプ。

「○○、○○を信じてください。かならずやります、議員経験なら他の候補者には負けません。私の実績を信じていただきたい。○○、○○を是非よろしくお願いします」

いやでも名前を覚えてしまいます。

この候補者、先ほどのマンション前で演説していた候補者に比べてかなり年輩です。本人の言うとおり、議員経験は豊富なのでしょう。

でも

「信じてください」

とか

「よろしくお願いします」

と必死な割には具体的なことはなにも言いません。

情に訴える作戦なのでしょうか。

誰も反応していないのに、

「ありがとうございます。応援、ありがとうございます」

などと言っています。

なんか、落ち着いてコーヒーも飲めません。

演説って嫌がられている

これだけインターネットが普及してるんだから、アピールする方法も他にあるんじゃないかという気がしますが、候補者のほとんどが選挙区を回って演説しています。

若者の選挙離れが問題視されていますが、これに関してTwitterなどを見ていくと、この候補者による演説ってかなりマイナスイメージのようです。

「演説うざいから、選挙なんかいかない」

という意見が結構多かったりします。

いまの若い世代は「必死」とか「努力」という行為にはあまり共感してくれないのかもしれません。

たしかに「演説」という行為だけで考えるなら筆者も正直、

「おお、各候補がんばっているな」

と思うよりも先に

「うるさいなあ」

と感じてしまいます。

それからほとんどの候補者が話が下手です。

一般のビジネスパーソンのほうがよっぽど話がうまい。

プレゼンなどで鍛えられているからでしょうか?

投票日が近いということでここ数日駅前などでしばしば街頭演説を目にしましたが、通行人の足を止めるほどの演説をしている候補者は、あくまでも筆者の主観ですが、皆無でした。



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若い世代こそ選挙に行こう

高齢者は「お得意様」

それでみなさん、今回の選挙、投票に行きましたか?

投票はいくべきだと筆者は思います。

政治の世界はブラックボックスです。

そのため政府だったり、自分が住んでいる市区町村の活動内容はまったく見えてこない部分があります。

かくいう筆者も政治はかなり苦手。子供に政治のことを質問され答えに困ったこともあります。

このようなブラックボックスについての世界ですから、候補者が

「私が当選したら、これの改善とあれを廃止します」

などと言っていても

「それでなにが変わるの」

なんて思ってしまいますよね。

また、

「誰に入れても一緒。なにも変わらない。だから投票に行くだけ無駄」

とも考えがちです。

でも若い世代が投票に行かなくなると、じつは困ることが起きます。

投票所に行くとよく分かりますが、若者の姿はほとんど見かけません。

投票しているのは高齢者ばかりです。

ちょっとうがった見方になりますが、候補者にとって投票してくれる高齢者は「良いお得意さま」です。

だから施策などを打ち出すとき、自然と高齢者を意識したものになってしまいます。

一概には言えませんが、もしある候補者が

「労働環境の改善」

を公約として掲げたとすると「高齢者の労働環境の改善」になってしまい、「若者の労働環境の改善」にはならないのです。

若者にとって有利な公約を掲げても票を入れてくれないからです。

お店でたとえると、高齢者がよく買いに来てくれる店であれば自然と高齢者が好みそうな品ぞろえになりますよね、それと同じです。

だから筆者は若い世代こそ投票に行くべきだと思うのです。

投票しないのはとても危険

また、「誰に入れても同じだから投票はしない」という考えは改めるべきです。

なぜか? ちょっと極端すぎる例ではありますが、説明します。

日本を独裁者が支配してしまったとしましょう。

独裁者ですからやりたい放題です。とうぜん国民は反発します。

「誰が、あんな奴を選んだんだ?」

「あなたです」

「違う、俺は誰にも投票しなかった」

「ですから、あなたが彼を選んだのです。投票しなかったということは誰でも良いということですよね。だからあの独裁者がトップの座についたんです」

投票は意思表示です。そして選挙で政治が決まります。

投票を通じて選挙に参加するということは、みなさんも政治に参加しているということになります。

もちろん投票するためには、いまの政治について把握しなければらないです。

であればここは素直に政治について好奇心をもっていろいろとアンテナを広げてみてはいかがでしょう。

一番怖いのは無知です。

残念なことに世の中きれいごとだけでは動きませんから、悪意を持った政治家というのも存在することでしょう。

こういった人が利用するのは無知です。もっと政治を勉強しろ、というと気が重いですよね。

だから好奇心を持って政治を観察するのはいかがですか? 好奇心って結構パワフルなエンジンですよ。

まさケロンのひとこと

ここのサイトの管理人が投票に行った時、自分と同年代(20代)の若者は全然見なかったって言ってたな~(横浜市のとある区)。まずは好奇心で観察してみよ!若者の投票率が高くなれば、若者のための施策もでてくるね!そしたらもっと若者は興味を持っていって・・・良いサイクル!

masakeron-happy


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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」