久しぶりの帰省で「あれ?こんなに老けていたかな…」
帰省は親の健康をチェックする絶好の機会
離れて暮らしていて、なかなか会えない両親。何か「違和感」を感じたりしませんでしたか?
それが認知症や体の衰えでしたら、家族が親身になって対策を練るのにちょうど良いタイミングです。帰省して、実家でのんびる過ごすのも良いですが、両親としっかりコミュニケーションをとってみましょう。
認知症は自分では気づかない
「公益社団法人認知症の人と家族の会」による2014年の「認知症の診断と治療に関するアンケート調査」(リンク先はPDFファイルです)によると、認知症を疑うきっかけになる変化に気づいたのは、
1位の「家族73.3%」
2位の「認知症ご本人4.3%」
3位の「医療機関(医療従事者)3.9%」
と、大きな差がありました。
どこに注意をすればいい?
実際に認知症かどうか、チェックリストを使ってさりげなくチェックしてみるのもいいですね。
ただし、
「今から認知症のチェックをする!」
と宣言するのは失礼ですし、親を傷つけてしまったり、逆に不安にさせてしまったりするかもしれません。
「お母さん、今年でいくつだっけ?」
やドライブ中に退屈しのぎにゲームを、といった風に、さりげなく日常の中に取り入れてください。
親の認知症を把握できる3つのポイント
次の3点が、家族が見分けやすい認知症のチェックポイントです。
- 人柄が変わった
- 料理の味付けが変わった
- 物忘れが増えた
1. 人柄が変わった
筆者の経験ですが、2年ぶりに帰国して伯父と食事をしたときのことです。伯父は海外赴任の経験があり、帰国する度に英語や海外での生活の話を興味深く聞いてくれていました。それが、久しぶりに再会したら、
- 自分の話
- 健康や病院の話
一辺倒になり、私の話や海外でのできごとにすっかり興味をなくしていました。
こんな風に、
- 周りに関心がなくなった
- 怒りっぽくなった
- 部屋に閉じこもりがちになった
など、これらは家族でしか気付けない重大なサインです。見逃さないようにしましょう。
2. 料理の味付けが変わった
これはお母さん限定でしょうね。久しぶりの帰省であなたの大好きな料理が出てきたのに、
- 味付けが変わった→しょっぱい、薄い、濃いなど
- ちゃんと調理されていない→生煮え、焼けていない、皮が剥けていないなど
これは、嗅覚、味覚、知覚の能力が下がってきてるために起こります。嗅覚と味覚が低下すると、料理の味付けができませんよね。
次に挙げる「物忘れが増えた」という項目ですが、普段からおっちょこちょいのお母さんの場合、判断が難しくなります。ですが、得意な料理にあからさまな変化があったとしたら、お母さんが認知症かどうか判断しやすくなりますね。
3. 物忘れが増えた
実家に帰ったら、食品入れや冷蔵庫を見てみましょう。
- 同じ食材や調味料がいくつもある
- 賞味期限切れの食材が冷蔵庫にたくさんある
- 電池やトイレットペーパーの買い置きが大量にある
これは、買い物に行ったとき、家にある食材や調味料があるかどうか思い出せず、つい同じものを買ってしまうために起こります。賞味期限切れの食材は、冷蔵庫にあるのが思い出せないか、食べるのを忘れているかのどちらかです。
まとめ
こういった日常のことは、親の友人や医師などの医療関係者にはわからない事柄です。なぜなら、お医者さまはあなたのお母さんが、普段どれだけ醤油(しょうゆ)をストックしているかなんて知らないからです。
「認知症の早期発見のメリットは?親の老後が変わる!早期発見の大切さ」という記事にも書きましたが、認知症は早期発見で治療で進行を遅らせたり、回復することもあります。
いつまでも元気でいてもらうために、帰省のときには親の健康を見守り、気になったところがあったら見過ごさず、積極的に調べましょう。
知らないあいだに親がボケボケになってたら嫌だよね。帰省も年に1~2回じゃなくて、もうちょいしたいところ!