7月生まれ 政治・経済 記念日・国民の祝日

あなたの誕生日は何の日?7月は世界が変わった記念日だらけ!?

Written by すずき大和

夏休みが近づくと、日本では戦争や平和に関連する話題が増えてきます。原爆の日や終戦記念日のある8月前半は、戦後70余年たった現代の日本人にとっても、いろいろセンシティブに世界のことを考える時期かもしれません。

日本ではあまり注目されませんが、7月にも、先の戦争の記憶だけでなく、それまでの体制やものの価値観が大きく変わることになった、特別な出来事のあった日が、とてもたくさんあります。

そんな歴史的に大きな意味を持つ記念の日に誕生日を迎える人は、小さい時から、世界の平和、社会や国の在り方、政治などについて必然的に印象深く意識する傾向があり、人格形成にも何らかの影響があるだろうと考える人もいます。

自分の誕生日が、マスコミや周囲の人が、特別の感慨を持って迎える日だったら、あなたはそこに何かの運命を感じるでしょうか?



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自由と人権を求めて戦った歴史

7月にあった「その時歴史が動いた」的なビッグな出来事は、どんなものだったでしょう。

まず、現代の国際社会の基本理念となっている

「自由」
「人権」
「民主主義」

の思想が社会に根付く始まりとなった日をあげましょう。

7月4日:アメリカ合衆国独立記念日

激しい独立戦争を経た後、1776年7月4日、英国からの「自由」と「独立」を宣言してアメリカは建国されました。「独立宣言」には、自由・平等、幸福追求などの「基本的人権」という考え方が、世界で初めて国の指針として明文化されました。

7月14日:フランス革命記念日

欧州の近代思想の発祥といえば、「フランス革命」です。中世の絶対王政の封建社会が、貴族の反乱から平民を巻き込む革命へと発展する中で崩壊しました。

1789年7月14日は、

「バスティーユ監獄の襲撃」

という、平民らの不満が王政を倒すに至った象徴となる事件があった日です。これを機に、欧州では封建国家から近代民主主義国家への変貌が進んでいくこととなります。

バスティーユの直後に出された

「フランス人権宣言」

には、自由と平等だけでなく、人民主権、言論の自由、三権分立など、近代思想の基本的な価値観が多く盛り込まれました。

日本の夜明け

日本の近代史の中で、国のしくみが根底から覆されるほど、大きく変わったのは、

「明治維新」「終戦」

です。そんな時代の大きな変化を告げた様々な出来事も、7月に多く起きています。

7月8日:黒船来航(1853年)

「幕末」というのは、この日から明治維新までの期間のことです。長年鎖国の中で独自の封建社会を保ってきた日本の開国、近代化がここから始まりました。

戦争を避け開国を進めようとした幕府に対し、尊王攘夷派(天皇を大将にして外国と戦おうとした勢力)が反発して内乱になります。あえなく外国勢の武力に圧倒された尊王攘夷派は、コロっと攘夷(外国排斥)を捨て、逆に幕府を旧態依然の体制を保守する敵だとして倒し、維新を遂げ、権力の座に付きました。

維新直前の内乱期、尊王攘夷派と新選組が京都で衝突した有名な

「池田屋事件」(1864年)

が起きたのも、7月8日でした。

7月14日:廃藩置県(1871年)

明治維新後、藩はなくなり日本から藩主(殿様)がいなくなりました。

7月1日:第1回衆議院議員選挙(1890年)

近代国家らしい議会制民主主義の国の制度も着々と整えられていきました。

7月16日:日英通商航海条約調印(1894年)

西洋人の治外法権(日本国内での不公正な外人特権)が撤廃され、晴れて日本も近代国家として世界に認められるようになりました。

太平洋戦争を振り返る

7月7日:盧溝橋(ろこうきょう)事件(1937年)

8月の戦争にまつわる記念日は、敗戦・終戦へと向かう戦争末期、戦火の被災者のことを想う日、という印象が強いです。

“日本国民の立場で感じた戦争の記憶”

ともいえます。

一方7月の記念日は、

“世界から見た太平洋戦争の記憶”

を考えさせられる日、かもしれません。

盧溝橋事件は、支那事変(対中戦争)の勃発となった武力衝突です。

太平洋戦争(1941年~)を経て1945年の終戦まで続く長い戦争の始まった日です。

日本人は、“どうして終戦になったか”を知っている人は多いですが、

  • なぜあの戦争が起きたのか
  • どうやって起きたのか

をちゃんと説明できないことが多いです。それは、戦争相手の中国や植民地だった朝鮮と、日本の政権の歴史認識が違うなど、当事者同士での実態の把握や共通認識の構築が、未だに進んでおらず、きちんと戦争の統括がなされていないためです。

7月26日:ポツダム宣言発表(1945年)

ポツダム宣言は、米・英・中の三か国による、「日本への降伏要求の最終宣言」です。宣言では、戦争が起きた原因について、

「日本の一部の軍国主義者が、国民をだまして扇動し、侵略戦争をした」

との解釈で説明されています。日本が宣言を受諾したので、国際的にはこれが戦争の理由とされています。

が、日本の政権は、これは戦勝国に押し付けられた誤った解釈とし、いつか是正しようと考えています。それも、戦争の始まりをあいまいにしか教えてもらえずに大人になる人を増やしてきた原因です。

7月生まれの人も、それ以外の人も、歴史的重要出来事の日生まれじゃない人も・・・8月に戦争と平和について考える前に、7月に、改めて、世界と日本の近代史を振り返って、今の世界とその理念は、どうやって作られてきたのか、良かったら考えてみてください。

まさケロンのひとこと

『歴史は繰り返す』なんていうけど、みんながちゃんと歴史を知ってれば悪い部分は繰り返さないでいけると思うんだよね。

masakeron-normal


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。