1月生まれ

1月生まれは寒さに強くて暑がりって本当?赤ちゃんと免疫の話

Written by すずき大和

“寒い季節生まれの子供は暑がりに、暑い季節生まれの子供は寒がりに育つ”

なんて、昔からよくいわれています。本当ならば、1年の平均気温が一番低く、厳寒の「寒(かん)」の季節があるのは1月ですから、

“1月生まれは一番寒さに強く、暑さが苦手な人たち”

のはずなのですが・・・・私、1月生まれなのに寒いの苦手です。

冬の赤ちゃんは暑がり、夏の赤ちゃんは寒がり、って、どこから湧いた話なのでしょう?



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赤ちゃんはお母さんの免疫で守られる

生まれることは病気との戦いの始まり

この世界には、無数の病原体が溢れています。普段接触するありとあらゆる場所にも、空気中にも様々な菌やウイルスなどが住んでいます。生物は、からだの中にそれらの病原体が入ってくると、戦ってやっつけることで病気からからだを守っています

一度何かの病気にかかると、からだは戦いの記憶を経験値として積み重ねます。つまり、次に同じ病気に遭遇しても、前よりからだは強くなって、病気にかかりにくくなっているのです。この抵抗力を

「免疫」

といいます

赤ちゃんはお母さんのおなかの中では無菌状態です。当然経験値ゼロです。

そんな赤ちゃんが産道を通って外の世界に出てくれば、あっという間に病原体にやられてしまいそうですが、そうはなりません。赤ちゃんは「へその緒」を通じてお母さんから免疫をもらって生まれてくるのです。そして、生まれてから半年くらいは、「母乳」の中にもお母さんの免疫成分が含まれています。

生まれたての赤ちゃんは、とても弱い存在ですが、大人のお母さんと同じくらい病気にかかりにくくなっています。

お母さんの免疫パワーは期限付き

病原体だらけのこの世で、物を食べたり空気を吸ったりして生きていると、日々からだは病原体と接触し、戦って追い出し、免疫力を養っています。赤ちゃんも、お母さんの免疫に頼るだけでなく、毎日少しずつ自分でも免疫を作り出しています。

お母さんからもらった免疫の効力は、生後半年くらいでなくなっていきます。母乳も半年くらいたつと免疫が含まれなくなります(赤ちゃんが育つ栄養はずっと十分含んでいます。母乳をあげる意味がなくなるわけではありません)。

半年くらいたち、赤ちゃん自身に簡単に病原体で死んでしまわない程度の強さが身に付いた頃に、お母さんの免疫が切れます。そこからは、赤ちゃん自身が病原体と戦う体験をすることで自分の免疫を作っていくようになるのです。ワクチンなどの予防接種がこの時期からスタートするのはそのためです。

冬生まれの赤ちゃんが半年たつと、夏になっています。その頃、風邪をひくとか、体調を崩しやすくなることが、「寒い時期に生まれた子は暑さに弱い」ように感じられるひとつの要因です。夏生まれの子が寒さに弱いように見えるのもしかりです。

子供は薄着で育てると免疫力がつく

外気温は免疫力と関係ないのか?

冬景色


では、生まれた季節と暑さ・寒さの耐性は、全く関係ないのでしょうか?

夏生まれの子供は、生まれたての時からたくさん汗をかくので、冬生まれの赤ちゃんより汗腺が発達しやすい、という傾向はあります。夏生まれの子のほうが、暑さに強いというのは、一概に間違いではありません。

ただ、体温調整能力も、経験値によって上がっていきます。冬生まれの子でも、外遊びでからだを動かすのが好きな子は、たくさん汗をかく経験をして、汗腺が発達しやすいでしょう。

寒さに対する耐性も、寒い中での体験が多い子供は、体温をあげる機能が発達します。が、暖房設備など整った環境で冬を過ごす現代人は、冬生まれだからといって、生まれたての時季に寒さを余計に体験しているとは限りません。寒さに強いかどうかは、幼少期の育てられ方の違いのほうが、影響が大きいかもしれません

薄着で育てるほうが風邪をひかない

薄着の子供


冬場の子供を寒さに強いからだに育てるには、薄着で育てるのがいい、という話はよく聞きます。寒いからといって、外出時に厚着をさせてばかりいると、かえって風邪をひきやすい、といわれています。

これは医学的に根拠のあることで、風邪への免疫力をつけるには、薄着をさせて寒さの体験をさせることも大事なのです。

もともと子供は大人より体温が高いので、着込む必要はありません。厚着をさせることで運動しなくても汗をかき、それが冷えて風邪をひきやすくなることもあります。

薄着をさせ、からだを動かすことで暖かくなるように習慣づけていくと、皮膚の表面が暑さ寒さを敏感に感じ、血管の拡張・収縮作用で微妙な体温調節を行う機能も高まります。それは同時に自律神経のバランスも発達させます。

厚着をさせて皮膚の表面が鈍感になると、自律神経の働きも鈍くなりやすいです。自律神経のバランスが崩れれば、冷え性や頭痛、下痢や便秘などの体調不良にもなりやすくなります。

1月生まれですが、スキーやスケートなどよりこたつでゴロゴロのインドア派の私が寒さに弱いのは、ぬくぬく横着に冬を生きてきたから・・・まあ、納得ですね!?

まさケロンのひとこと

やっぱり過酷な環境を生き延びたほうが強いんだろうか。となると日本人はどんどん弱っちくなっていっちゃいそうな・・・・。

masakeron-surprised


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。