宇宙

土星/SNS映え(?)しそう!遠いのに親近感ある惑星

Written by すずき大和

都会暮らしの人が、夏休みなどに自然豊かな場所へ出かけると、夜の暗さと夜空の星の多さに圧倒されることがあります。人工衛星も見えるくらいの澄んだ空では、

「星が多すぎて星座が見つけられない!」

なんて人もいます。

そんな時は、星座じゃなくて「惑星」を探してみましょう。

金星から土星までは0等星より明るいので、満天の星空でも、星座早見盤などなくても、見つけやすいです。

もちろん、東京のような明るい空の下から抜け出せない人も、惑星なら見つけられます。気持ちをリフレッシュさせるのに、空を見上げてみませんか。

明星(金星)を見つけるのは簡単ですから、外惑星(地球より外側を回る惑星)探しに挑戦してみるのはどうでしょう。1番近い火星は日々どんどん場所を変えますが、遠く離れている土星は、比較的安定した場所で見えているので、まず土星探しから始めてみましょう。



スポンサーリンク

遠いけれど、魅惑の土星

土星ってどんな星?

土星は太陽系の6番目の惑星です。

惑星の中では木星の次に大きく、直系は地球の約9倍、たい積は764倍もあります。

太陽からの距離は14億2940万km。これは、地球と太陽の間の距離の約9.5倍にあたります。それだけ離れると太陽の熱(電磁波)が届きにくいので、惑星表面は−170℃くらいしかありません。

巨大なガス惑星なので、表面といっても地面はなく、最も上層のガス(アンモニアの結晶)が、白や黄色の縞模様に見えています。

土星と地球のイメージ:並べるとこんなに大きさが違います

土星と地球


土星観察のハイライト

土星は約30年かけて太陽を1周します。

2010年代の土星は南の低い空を春の星座から夏の星座のほうへ少しずつ動いてきました。

2018年~2020年頃は、射手座から山羊座の辺りにあります。星座がわからなくても、夏の間、南の方角の低い空に輝くクリーム色の明るい星が土星です。6月から10月くらいにかけ、南中時刻は真夜中過ぎからだんだん宵の頃へと早まります。

2018年の夏は、6月28日に満月と土星が隣に見えます。それ以降も、夏の星座が見える間、右上のほうに木星も同時に見えます。うんと低い空まで見えれば、左下に火星も見えます。木星と土星の間に、さそり座の赤い一等星アンタレスが見えるので、それを目印に探してもいいでしょう。

2020年の冬至の頃には、20年に1度の木星と火星の大接近が見られます。日本ではぎりぎり日没直後の短い間だけなんとか見られます。

土星の輪

土星の一番の特徴は「輪」が見えることです。

ゆえに、最もフォトジェニック(最近でいうところの「SNS映え」)な惑星として、昔から印象深く記憶されてきた星です。

輪の一番外側の円の大きさは、土星本体の約2.3倍のところまで広がっています。輪は大小の氷の粒などが集まってできています。

土星は地球と同じように自転軸が傾いているため、地球から見ると輪の傾きが少しずつ変わります。公転周期が30年なので、約15年ごとに傾きがなく赤道を真横から見る時期がやってきます。しかし、輪は、厚みがあまりに薄いので、真横になると見えません。15年に一度、輪が消えてしまうのです。

土星と輪のイメージ:土星が相撲の土俵サイズなら輪の厚さは模造紙一枚分

土星と輪


反対に、一番傾きが大きい時は、輪が最もよく見えます。

2017年がその一番傾きの大きい時でした。もう3~4年くらいは輪が良く見える時期が続きます。家庭用の望遠鏡で十分見えます。輪が見てみたい人はぜひこの期間にどうぞ。

ちなみに、次に輪が消えるのは2024~2025年頃ですが、2024年12月には、土星食(月の後ろに土星が隠れる現象)で土星本体も消えてしまう現象が見られます。

土星と宇宙科学の進歩

輪の発見

土星の輪を望遠鏡で初めて見たのは「ガリレオ」でした。1610年のことです。

当時は、まだそれが輪だというところまではわからず、ガリレオは「土星には耳がある」と発表しました。

1655年に、オランダの「ホイヘンス」が、それが「輪」であることを初めて発見しました。

1675年には、フランスの「カッシーニ」が輪の中にすき間があることを発見し、輪はA環とB環2つあると認識されました。

その後の観測で次々新たな隙間が見つかり、輪の数もCDE・・・と増えていきました。

1979年~1981年には、宇宙船(無人探査機)による調査が3回行われました。近づいた画像から、今までわからなかった輪と隙間の様子がわかり、衛星もたくさん発見されました。

カッシーニとホイヘンス

1997年に打ち上げられた無人探査機「カッシーニ」は、2004年、初めて土星の軌道上に乗り、以後13年間に渡り調査を進めました。

詳細な調査映像がたくさん送られ、土星の解明が格段に進みました。

一番大きな衛星「タイタン」には、探査機「ホイヘンス」を投下しました。ホイヘンスは、月以外の衛星に初めて降りた探査機となりました。

二番目に大きな衛星「エンケラドス」の表面から水蒸気のようなものが噴き出す映像も送られてきました。今、エンケラドスに地球外生命が存在する可能性について研究されています。

カッシーニは、燃料が尽きるまで調査を続け、2017年、土星に衝突して使命を終えました。

カッシーニの働きを称え、NASAではこんなPVを発表しています。

今は土星の一部となったカッシーニ、ちょっと感動的です。進行中の火星探査も凄いですが、人類の土星愛はこれからも深まっていきそうです。

まさケロンのひとこと

タイタンに居住可能!?とかいうニュース記事をいつだかみたけど、いつか本当に地球以外のどこかに旅立つ日もくるんだろうな〜。スゲェな人間。

masakeron-normal


スポンサーリンク

あなたにオススメの記事

筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。