これまでは諸説あった
シンプルかつ奥の深い論争
シンプルな質問ですが、いまだその答えは出ていません。
ダーウィンとウォレスという二人の生物学者が論争を繰り広げ、現在もまだ続いています。
偉大なる縞の謎
は生物学者らにとっては永遠のテーマ、これまで様々な学者が、様々な説を唱えてきました。
諸説あるが決定打はなかった
- カモフラージュのため
- 体温調節のため
- 交尾
などの社会的機能を果たしている、など多くの説が存在します。
ですが、どれも有力な説には成り得ていません。
ファッションにも取り入れられているあまりにも有名な縞模様は白と黒のシンプルなものですが、その機能についてはどうやらシンプルなものではなく奥が深いもののようです。
筆者はカモフラージュのためだと思っていました。
それにしては白と黒という自然界では逆に目立ってしまう色で構成されていることは不思議でした。
吸血性昆虫から身を守るため
米研究チームの発表
このほど米国の研究チームが、論争に終止符を打つといっても過言ではないほどの有力な説を科学誌を通じて発表しました。
シマウマの縞の謎を解く扉が大きく開くことになるかもしれません。
ウマ科の動物の血を好み、病気などを仲介する吸血性のハエ、アブとツェツェバエの習性と関連があるというのです。
発表によると、これら吸血性のハエは色が均一の面に着地することを好み、逆に縞模様のある面を避けることが実験により明らかにされました。
シマウマの縞はハエの、この習性を利用して危害を避けるためのものである可能性が非常に高いということです。
つまり害虫を寄せ付けないための縞模様であるというのです。
間接的な証拠も
この説を裏付ける間接的な証拠もあります。
まずこれらのハエとシマウマの生息域が重なっていること、そして吸血性のハエの体内からシマウマの血液がほとんど検出されないということ。
これらの事実は新説を裏付けるものであり、少なくともこれまでに唱えられた説よりも科学的な根拠があるといえます。
とはいえ今回の発表はあくまでもひとつの説、研究チームは
と述べています。
今回の発表を受けて偉大なる縞の謎は新たなステージに進んだといえるでしょう。
人間が自然から学ぶことは多いと筆者は思います。
吸血性の昆虫が特定のパターンを嫌うという性質を持つことが分かっただけでも、この研究結果の持つ意味は大きいと思います。
春を迎えて花粉症に悩む筆者は、花粉を寄せ付けないパターンを持ったジャケットが開発されればいいな、なんて鼻をかみながらしみじみと感じています。
シマウマの白黒の縦模様には、こんな意味があってんなぁ~
ちなみにシマウマは、黒地に白地やで!