5月30日は
ごみゼロの日
そして5/30~6/5までの一週間は、
ごみ減量化・リサイクル推進週間
です。
全国の自治体や環境NGOなどが、この日の前後にいろいろなごみ減量化促進の啓発イベントや公共地の清掃活動などの“ごみゼロ運動”を行っています。
日本のゴミの排出量は、平成23年度の統計で、一般廃棄物が4,500トン、産業廃棄物はその10倍くらいあります。
捨てる場所がほとんどない日本では、70%以上が焼却されており、焼却施設数も焼却量も世界でダントツです。
そして、ごみを燃やすと出てくるダイオキシンの排出量も世界一です。
他の先進国に比べ、ごみ処理に使われる費用は10倍以上です。
燃やした後の灰を捨てる最終処分場がいっぱいになるのはあと数年とも言われています。
もはや、この先も日本が人の暮らせる国であるためには、ごみゼロへの取り組みは、必須の課題となっています。
ごみ対策先進国と日本の違い
ごみに埋もれて滅亡する人類
アメリカの著名な経済学者J.ガルブレイス(1908-2006)は
と言う言葉を残しています。
20世紀末頃から既に、ごみによって環境破壊が進むことや処分場不足の問題が、先進国を中心に深刻になっていました。
- 大量生産
- 大量消費
- 大量廃棄
を繰り返すことで経済発展を促してきた国のあり方を根本から見直す必要に迫られ、いろいろな試行錯誤をしながら、ヨーロッパではだんだんと使い捨ての生活を改める方向に進み、ごみ減量化を進めました。
日本のリサイクル重視の対策は15年古い
日本のごみ対策も、使い捨てをやめた循環型社会を目指して「3R」のスローガンを掲げています。
Reduce:リデュースごみ削減
Reuse:リユース再利用
Recycle:リサイクル資源に再生
の3つを進めようとしています。
特にリサイクルに関する法律がたくさん作られました。
しかし、このリサイクル法と同じ主旨の取り組みをヨーロッパでは15年以上前にやっています。
が、うまくいかずに失敗しています。
リサイクルはその過程でたくさんエネルギーを使います。
お金もかかり、再生品は使い捨て量産品より高くなり、売れません。
リサイクルを進めるだけで循環型社会にはならないのです。
日本でも案の定、リサイクル施設ばかり税金で作られても、回収されたペットボトルが放置されるなど、循環とは程遠い状況です。
ごみを出さない社会に変えないと結局だめ
4Rでごみそのものを出さないことが対策の最優先
日本のごみのリサイクルに出される率は決して低くはありません。
しかし、
したつもりで安心している人が多く、ごみになるものを買わない心掛けはあまり進んでいません。
再生品も流通せず、結局リサイクルもできていません。
取り組むべきは、再使用や資源再生に回すごみそのものを出さないこと。
それが最優先です。
ヨーロッパの環境先進国では、3Rに加えRefuse:リフューズごみを拒否することを出発点にした対策に切り替えることで、大幅な減量を目指しました。
ごみを作らない、売らない、買わない社会システム基盤がしっかり整備されているのです。
「燃やせばダイオキシン」「埋めると土壌汚染」
環境先進国では、とにかくごみを発生させないという意識が社会にも市民にも徹底されています。
- 物を製造する段階
- 売る段階
- 買った後の捨て方
についても厳しい規制があり、ごみの有料化も進んでいます。
生産者と使用者双方の責任の所在を明確にした法律があることで、作る側は後々責任を負わされるようなごみがでない売り方をするようになり、消費者は買う段階で不要なものは極力そぎ落とした買い方をするようになってきています。
食品も雑貨も個別量り売りの形態が普及し、ペットボトルもリサイクルではなくリユースするようになり、最近はそれもビンに移行してきています。
レジ袋どころか、パッケージ包装すら要らないという買い方が、だんだん広まってきているそうです。
働き過ぎの日本人、特に家事や育児の責任を担いながら働いている人たちにとっては、少しでも家事の負担を軽減して、その分子どもと過ごす時間を作りたい、という要求も切実なものがあります。
便利な使い捨ては罪悪と決めきれない事情も複雑にあるのが今の日本社会です。
それでも尚、リサイクル路線からの転換を目指し、企業と市民と行政が一斉に取り組める根本的なごみ削減対策が、今求められています。
最終処分場が行き詰るまでの時間はあまり残されていません。
リサイクルしただけで、エコってわけやないんやでぇ~
ゴミを作らないっていうのが一番大切やねん!