9月2日は
宝くじの日
です。
買ったまま忘れられている当選券の引き替え漏れを防止するため、お手元の宝くじの番号確認を再度呼びかける日となっています。
番号を見てもらう動機づけの為、過去1年のはずれくじ番号の中から、再び再抽選を行い、景品をプレゼントしてくれる「宝くじの日お楽しみ抽選」も行われます。
宝くじは安易に大金が儲かる賭博?
マザー・テレサも推奨した集金技
かつて、マザー・テレサは、ローマ教皇から高級車をプレゼントされた時、
「これで宝くじをしましょう」
と提案しました。
宝くじはあっという間に売り切れ、約1500万円の寄付が集まりました。
マザーはそのお金でハンセン病患者のための施設を作ることができました。
宝くじというものは、品物をそのまま売るよりも、ずっと高い金額が集められることが多いです。
売上金の中から賞金を出せば、券の印刷と売買の経費、宣伝費くらいしか元手がいりません。
他の公営ギャンブルと比べても、安易に設けやすくなっています。
昔から、短期間で多くの人たちから抵抗少なくお金を集めたい時に、宝くじは利用されました。
宝くじは地方自治体の大切な収入源
こんなことを商売でやってしまうと、真面目にモノやサービスを適正価格で売る人たちと比べ、不公平な事態が発生する心配があります。
そのため、多くの国では宝くじは公的機関が発売し、収益は公共のために使うと定められています。
日本でも、江戸時代は社寺だけが修繕費用等を賄う目的で行うことが許されました。
戦時中には、既に経済的に困窮した国民から戦費を絞り取る手段として、国が発売しました。
現在は、総務省認可の地方自治体(都道府県と指定都市)が発売し、収益の約40%が公共事業等に使われています。
損得感の割り切りと国への信頼感がデメリット許容の分かれ目
宝くじは本当に人の幸福に役立つものなのか?
一攫千金の夢を見られて、外れても収益が社会のために役立つなら、支払い損になってもいいと思う人もいるでしょう。
当たれば大きな額が得られる宝くじもありますし、競馬やパチンコのようにそれに溺れて破産してしまうほどの中毒性はない点も、支持される理由です。
外国のくじの中には賞金の上限がなく、
何百億円
も当たるものがあります。
あまりの高額さに、当選した人が家族崩壊等に至るケースも見受けられ、問題視されています。
日本では、前後賞合わせても数億円なので、あまり問題にされないようです。
配当率50%未満は低すぎる?
宝くじの総売り上げの中で当選金として支払われるのは、
全体の約48%
でずっと推移しています。
他のギャンブルに比べ、この配当率は極端に少ないものです。
もともと集金目的のしくみですから、経費と宣伝費以外の収益のほとんどを配当するギャンブルと異なるのは当然です。
が、配当率50%未満ということは、買う立場では、半分は確実に損をすることが明確な賭けということです。
実際は高額当選者が極端に得する分、損する人の割合はもっと高いです。
当選確率に従ってシュミレーションするサイトなどを見てみると、当たるには、高いお金をつぎ込まないといけない実態が如実に映し出されています。
こんなに当たらないのに、いかにも「当たるかもしれない」と煽り立てて買わせるのは悪徳商法に他ならない、と感じる人も実は少なくありません。
外国では「宝くじは貧乏人に課された税金」と言っている人もいます。
低所得者ほど一攫千金に一縷の望みをかけて宝くじやギャンブルにお金を投じる傾向があるからだそうです。
収益の使われ方の問題
また、賞金金額は昭和の頃に比べて数倍にも膨れ上がっています。
が、配当率は変わっていません。
ということは、発売数もそれだけ伸ばしており、収益金額も膨れ上がっているわけです。
膨大な収益の使われ方については、公共事業であるのに、実は具体的な明細が公表されていません。
民主党政権の時、この宝くじ収益の行方が事業仕分けの中で多く問題視されたのを覚えているでしょうか。
震災復興などの事業に使われているのも確かですが、指摘された中には、宝くじ関連公益法人にも360億円が流れていた事実がありました。
法人内では、旧自治省(今の総務省)出身の理事長の報酬が何千万円も支払われているという、天下りの実態も多く見受けられたのです。
いくつかの事業や法人が廃止となりましたが、自民党政権に戻り、利権構造そのものについては今も尚メスが入れられない状況です。
夢を買えるメリットを楽しむ人の中には、問題点を気にしない人も多いでしょう。
一方で、問題を重要視して不買運動を起こす人もいます。
買う買わないは個人の問題ですが、国のやることのしくみやお金の使い方を考えるには、宝くじ事業にはいろいろな側面が内在されているのは確かです。
買う人も、買わない人も、ちょっとその辺に興味をもって見ることが大事かもしれません。
宝くじの収益の使われ方、気になるな~。
「収益はいくらで、震災復興にこれくらい使いました」とか公表してくれたほうが買ってくれる人も増えるんじゃないかな?