秋が少しずつ深まってきています。
紅葉の季節まではまだ少し間がありますが、そろそろ金木犀の香りが街に漂う頃でしょうか。
トイレの芳香剤という印象の人もいるそうですが、独特の甘くて強い香りは、心安らぐところも感じます。
アロマテラピーとしても、漢方の生薬としても使われることのある金木犀、実のところ、人間にはどんな効能をもたらしているのでしょうか。
食材としての金木犀
中国での食べられ方
中華料理には、
桂花(中国語で木犀の樹や花のこと)
の名前が付いた料理がよく見られます。
桂花豆腐、桂花蟹粉など主に卵料理によく使われる言葉ですが、これは鶏卵の黄色い色を金木犀の花に見立てて命名しており、実際に金木犀が入っているわけではありません。
一方、花びらを白ワインにつけて熟成させた「桂花陳酒」や、「桂花茶」は日本でもよく知られています。
花を砂糖漬けにした「桂花糖」や、花とはちみつをご飯と一緒に炊きこんだ「蜂蜜桂花飯」、根っこを料理した「桂花蓮根」などは、中国では一般的によく食べられているようです。
生薬としての効能
薬食同源という考え方が伝統的に根付いている中国では、食材となるもののほとんどは生薬としても扱われています。
桂花は漢方薬の観点からは、お腹を温め寒さを散らし、“気”の巡りをよくすることで、ストレス過多症状を改善する働きをするものとされています。
漢方の用語では、「温中散寒」「行気の力」などと言われる効能です。
精神をリラックスさせ、胃腸の働きを整え、血行をよくすることで、低血圧の症状や不眠症などを改善させます。
香りの効能
リラックス、鎮静作用に優れた金木犀
アロマテラピー的には、香りの効能というのは大きく分けて2種あり、覚醒・興奮作用をもたらすものと、リラックス・鎮静作用を促すものに分けられます。
ジャスミンなどは代表的な覚醒効果の強い香りで、眠気を覚まし、頭をすっきりさせたい時などに効果的です。
反対にリラックスしたい時にオススメなものが、ラベンダーや柑橘系の香りです。
金木犀は、強烈な香りですが、食材としての効能同様、リラックス系の強い効果を発揮します。
精神を安定させ、イライラや不安を軽減してストレスを小さくする作用が働くのです。
デリケートに抽出される金木犀の精油
中国では金木犀のお香商品もたくさんあります。
西洋では、精油を抽出して、アロマテラピーに使うことが多いようです。
植物から精油を抽出するには、多くは熱を加える水蒸気蒸留法を使いますが、香りがデリケートなものや採油率が低い植物は、有機溶剤を使って常温で抽出します。
この方法のほうが香りがより自然に近いものになり、成分の劣化も少なくなると言われています。
小さなもろい花ビラの金木犀は、この方法で抽出されています。
その鎮静効果の大きさからか、炎症を和らげる効果とか、お肌のアンチエイジングもある、などとも言われているそうです。
整腸作用も認められるので、便秘の改善や利尿効果、ダイエット効果まである、などと書かれているサイト記事もありました。
あまりに効能がいろいろあるので、「潜在能力」つまり“隠れた才能”を引き出す香りである、とまで言われていたそうです。
あんなに強い芳香で自己主張しているように感じる金木犀ですが、西洋では「謙虚」「謙遜」の花言葉を持っています。
香りのインパクトに対して、花が控えめなところからきているそうです。
ちなみに中国語の「桂花」は、
“雅な花”
の意味で、やはり「品」のようなものを感じる命名となっています。
触れるものの心を穏やかにする効果が、そんなところにも繁栄されているのかもしれません。
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