各地方の文化を肌で感じるためには、各地域で行われている伝統的なお祭りを見るのもとても有効な手段です。
地域に根ざした歴史と情熱が入り交じるお祭りは、その場にいるだけで多くのことを教えてくれます。
なによりも心が揺さぶられますよね。そんな日本の祭りは、7月、8月の夏の時期に多く開催されていますが、11月に行われるという時期的にちょっとめずらしい祭りをご紹介いたします。
それは、佐賀県唐津市で開催される
「唐津くんち」。
祭り期間中は延べ50万人を超えるという唐津神社の秋季例大祭です。
唐津くんちってどんなお祭り?
11月2,3,4日の3日間にわたって行われる佐賀県を代表するお祭りです。
巨大な14台の曳山(ひきやま)が、太鼓や笛、かけ声とともに町中を練り歩きます。
この3日間は市内の多くの若者が祭りに参加するために市内中心部のお店は閉店していることが多いといいます。
この唐津くんちの曳山行事は1980年に国の重要無形民族文化財に指定されました。
一般的には、花や人形などで装飾されていることが多いですよね。
この装飾に地域の特色が色濃く映すものとなりますよね。曳山は、山車(だし)、祭屋台(まつりやたい)とも呼ばれています。
唐津くんちの由来と歴史
唐津くんちの正式名称は唐津神社の「秋季例大祭」。西暦755年、唐津大明神の神号を賜った事に由来すると言われています。
1661年ごろから神輿の御神幸(遷宮や祭礼に際して、神体が神輿などに乗って神殿や祭場に渡御すること。また神が臨幸すること。)が始まりました。
その後、現在の曳山行事が行われるようになったのは1819年のことです。
ある木彫師がお伊勢参りの帰りに見た祇園山笠に感激して仲間たちと「赤獅子」を作って唐津神社に奉納したのが最初と言われています。
その後 1876年までに町ごとに15台の曳山が奉納されました。しかし、その中のひとつ「黒獅子」は1889年の巡行を最後に消失しており現在は14台の曳山となっています。
日本の祭りの多くは京都の祇園山笠の影響を受けているといわれていますが、この佐賀県の唐津くんちも影響を受けたお祭りのひとつなんですね。
唐津くんちの見どころは?
現在の唐津くんちの見どころは11月3日の
「御旅所神幸」
です。
神輿を中心として重さ2t以上もある14台の曳山巡行は迫力満点です。
「漆の一閑張り」という技法で町ごとに制作されている豪華な漆の工芸品である曳山は、現在の制作費に換算すると1億〜2億にもなるといわれています。
祭り以外の日も曳山展示場に展示されており見ることはできますが、ぜひ役割を全うしている曳山の姿を見て欲しいと思います。
私は以前一度、唐津くんちを見に行ったことがあります。昔から受け継がれている曳山のすばらしさと参加している地元の人たちの祭りに対する誇り、愛する心を感じました。日常を忘れて没頭して見入ってしまった記憶があります。
とても素晴らしい祭りですので機会があったらぜひ足を運んでみて下さいね。
「唐津くんち」って最初「唐津くんのお家」って意味だと思ってた!
「くんち」っていうのは「収穫感謝~!」っていう意味がこもった『秋のお祭り』のことだったんだね~!