アンチエイジング 薬・サプリメント

サプリメント・健康食品の賢い選び方・付き合い方

Written by すずき大和

世の中不景気にも関わらず、「美容・健康食品」に関しては空前のブームが続いています。

「○○○がいいらしい」という口コミ情報や体験談がネット内にも溢れかえっています。

少しでも綺麗に、少しでも医者のお世話にならない元気な身体に、と願う人にとっては、非常に関心のあるところです。

そんなにいいなら試してみたいと思いつつ、どれもおやつを買うような値段で買えるものではなく、本当に効くのかどうか、偽物商品は混じっていないのか、選ぶのに躊躇している人もいるでしょう。

サプリメントや健康食品の正しい選び方と付き合い方について、改めて考えてみました。



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健康食品とはそもそも何なのか

薬と食品の間にあるもの

日本では、実は20世紀末まで、「健康食品」を規定する法律や指針が全くありませんでした。

起源も根拠も不明確、品質保証のしくみもないまま、メーカーが「これは健康にいいです」と言って売ればみな、「健康食品」と呼ばれました。規制がないので、まがい物や健康被害が出た製品もありました。

ようやく2001年4月になって、サプリメントなどの健康食品の中で、安全性や有効性について国が定めた基準を満たすものを「保健機能食品」として認可し、表示・販売をしていい制度ができました。

それまで口に入れるものは「医薬品」「食品」の区別しかありませんでしたが、新たにその中間となる位置付けが生れ、品質の規制が出来たのです。

トクホと栄養機能食品

保健機能食品の規定は大きく二つに分かれます。

  • 「お腹の調子を整える食品」
  • 「歯を丈夫で健康にする食品」

など、具体的な特定の保健効果が科学的に認められるものは「特定保健食品」の認可がされ、商品に指定のマークが表示されることになりました。

これがいわゆる「トクホ」マーク商品です。

また、身体の機能をうまく働かせるために必要な特定のビタミン・ミネラルの栄養成分を規定の基準含む食品は、「栄養機能食品」と表示していいことになりました。

これは、個別に国の認可を得る必要はありませんが、「栄養成分の機能」をちゃんと表示しないといけません。

保健機能食品ではない健康食品

保健機能食品以外にも、身体にいいものとして売られている食品はたくさんあります。

トクホに含まれる栄養成分やビタミン・ミネラル以外の成分を補うためのサプリメントもあります。

  • 「健康補助食品」
  • 「栄養補助食品」
  • 「栄養調整食品」
  • 「一般健康食品」

などと呼ばれ流通しています。

これらは、単独で効能が実証されておらず、医薬品やトクホのように“治療や機能改善の効能があると表示してはいけない”ものです。

しかし、それは全く意味のないものだということではありません。

栄養成分の補充にはなるものです。ただ、それを摂取しただけで何かにすぐ保健効果が表れるというものではないということです。

本当に身体にいい健康食品を選ぶための注意

食事で賄えない栄養素を補充するのが健康食品の役目

人間の身体は、普通に食事をして活動していれば、ちゃんと機能できるようにできています。

ただ、忙しい現代人の中には、バランスのよい食事をきちんと必要量食べるのが難しい人が少なくありません。

保健機能食品もその他の健康食品も、欠乏しやすい部分の栄養を効率的に補充するためにあるものです。

食品ですから、あくまでも人間の身体の自然調節機能を促進するものであって、病気を治したり、特定の機能だけを急激に高めることはできません。

それは「医薬品」の範疇(はんちゅう)です。継続的に摂り続けることで、だんだん身体の機能が良い方向に向かっていくもの、と認識することが、まず大事です。

自分の弱い所を補うものを見つける

足りない所、自分の弱い所を補充する栄養ですから、十分足りている部分の商品をたくさん摂っても、あまり効果は表れません。

栄養素によっては、過剰に摂取した分は全部排出されてしまうものも、多過ぎると逆に悪い影響が出るものもあります。

では、自分に足りていない栄養素はどう判断するのでしょう。

トクホなら、具体的な症状に合わせたものが選べます。「血圧が高めの方に適する食品」は、不足すると血圧が上がってしまう栄養素や、摂ると血圧上昇を抑える働きを助ける成分物質が入っています。

サプリメントで摂る時の注意

自分に合うトクホの成分表示を見て、そこに書かれた栄養素のサプリメントを選ぶと、もっと効率的に目的の栄養成分を摂れます。

しかし、人間の身体の中で何かの栄養素が働く時は、たいてい他の成分も使われます。

多くがビタミン・ミネラルです。特定の栄養成分だけをサプリメントで大量に摂ると、その成分が使われる際に一緒に使う栄養素が逆に欠乏してしまう恐れもあります。

トクホのように錠剤ではない食品は、何かしら他の栄養素も複合的に入っています。

本当は、素材を調理して作る食事ならだいたい偏らず摂取できるのです。が、それが難しい人がお手軽サプリメントを利用するというのであれば、できるだけバランスよく補完するよう心がけましょう。

最初はマルチビタミン剤のような栄養機能食品から使い始め、だんだん自分に必要な部分の比重を増やすようにするといいでしょう。

栄養機能食品のサプリメントの選び方

栄養機能食品の表示には、成分別にどんな働きをするのかが書かれています。

これも、自分に合うものを探す時の参考になります。

「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です」

これは、「お肌のアンチエイジングが気になる人」に向いています。

「銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です」

これは、「内臓の働きが鈍くなっている人、骨粗しょう症が気になる人」向けでしょう。

一度に大量に買うとお得!と進めるメーカーもありますが、身体の状態はどんどん変わっていきます。

どんなものが合うのか、様子を見ていろいろ試してみながら、その時の自分に合うものを選んでいくようにしましょう。

話題の特定物質・原料のサプリメントの注意

一般健康食品や栄養機能食品の中には、時として特定の物質や原料をウリにしたものが大ブームになることがあります。

最近では「コラーゲン」「プラセンタ」の人気が凄まじいです。どちらもアンチエイジングに効果的と評判になっています。

プラセンタについては、体調が良くなることも謳われています。

繰り返しますが、医薬品と違い、健康食品はそれ自体が機能改善効能のある物質である場合はまずありません。

そこに含まれる栄養素が、身体自身の機能改善作用を助けるものです。

コラーゲンとプラセンタの場合、そういう名前の効能成分があるのではありません。

ビタミンなどが入っていると、栄養機能食品と書いてあります。が、コラーゲンとプラセンタの効能が認可されているわけではないのです。

特定物質や原料をタイトルとして売っている健康食品の中には、ここを勘違いさせる宣伝をするものがたくさんあります。

効果があったとすれば、そこに含まれる栄養成分の中に身体が必要としていたものがあったのだと思われます。

しかしそれらの栄養素の多くが、その特定物質や原料だけに含まれるわけではないものが大半です。

その物質のサプリメントだけが特別に含んでいる、機能改善機能のある成分があるかのような宣伝に惑わされて、わざわざ高いものを買わないように気を付けてください。

健康食品は体を元気に保つ助けになるものですが、それだけに頼りすぎ期待しすぎるのは危険です。

生活全体が健全になることを一番に考えて使ってください。

まさケロンのひとこと

自分の弱い所を補うものを見つけて、バランスも意識する!・・・けっこう大変だ。
まずはマルチビタミン剤みたいな栄養機能食品からちょっとずつだね。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。