千葉県、異議申立て
少なくとも36件の事例が発覚
中国で千葉県内の地名が商標登録されていることが分かり、ニュースとして報道されています。
県の調査によると、4月現在で少なくとも36もの千葉県内の地名が登録されていることが発覚。千葉県は中国商標局に異議申立てを行っており、現在審議中とのこと。
柏、浦安、八千代、印西、行徳、成田、香取、多古、房総、御宿などがすでに登録済みであることがわかっています。
ただし、地名と表記が同じ中国語の言葉も存在するため、すべてが地名を意識したものではないようです。
たとえば「千葉」も商標登録が確認されているのですが、中国語で「非常に美しい」という意味があります。
自治体にとって、対策は大きな負担
発明者ではない第三者が特許を受けることを「冒認出願」といいます。
日本の特許法に照らし合わせると、地名を商標登録することは、ざっくりと判断すれば、認められません。
冒認出願となった時点で、許可はおりないのです。ただし、これは日本の特許法でのはなしであって、中国では通用しません。
そのため異議申立てを行い、審議しなければならないのです。
中国による地名の商標登録は以前から問題になっており、監視体制の強化に乗り出した自治体もありますが、コストが足かせとなっています。
中国の動向を監視するためには、現地の協力が必要不可欠です。中国人、もしくは中国語に堪能なコーディネーターを常駐させておくと、コストが掛かります。
また、千葉県のように異議申立てを行った場合も、結果が出るまで長い時間がかかり、経済的な負担もけっして少なくありません。
地名を商標登録する目的は
特産品に影響が
日本の地名を商標登録。その目的はどこにあるのでしょうか?
それは
地元名産品のコピー
です。
6年前に「山梨勝沼」が中国で商標登録されていることが発覚しました。山梨県の調査によると、出願の分類は「アルコール類」だったのです。
山梨県・勝沼といえばワインで有名。「勝沼ワイン」というブランドも発売されています。この商標登録は勝沼ワインを意識した戦略としか考えられません。
中国の知的財産権、著作権に対する自由奔放な振る舞いは、以前から問題視されてきました。
中国を非難するつもりはありません。世界を舞台とした競争で勝つためには、これぐらいしないといけないのかもしれません。
でも、競争に勝ちたいのであれば、自国内でれっきとした名産品を生み出し、正々堂々と勝負に出てほしいとも思います。
将来、利益を生み出すかもしれないという思惑もある
中国の商標法では「東京」や「大阪」といったメジャーな日本の地名は商標登録が認められていません。
そのため、テレビなどで見かけた地名を片っ端から商標登録し、もし将来使えそうな地名があった場合、高値で権利を売るという、ブローカーの存在も指摘されています。
今回報道された千葉のケースは、あくまでも氷山の一角、実際にはかなりの地名が登録されている可能性があるというのですから、困ったものです。
中国産の「勝沼ワイン」が登場する日も近いかもしれません。みなさんはどう感じましたか?
中国と日本の「常識」の違いは感じるよね。
正々堂々と勝負してるだけじゃ世界競争には勝てない・・・本当にそうなのかな?