自称警察官に注意
不審な「警察官」に注意
警察官といえば市民の安全を守ってくれる頼もしい存在。制服警官がさっそうと歩いている姿は頼もしいし、安心すらします。
ところが、この心理を悪用した事例が発生しているようです。
ネット上でいくつかの体験談があがっていたのですが、深夜などの人通りの少ない時間帯に自転車に乗っていると、
「警察の者だが、その自転車は盗難車である可能性がある。詳しい話を聞きたいから車に乗りなさい」
と声をかけてくるというのです。
この自称警察官は、私服、制服の2つのパターンが有り、
「警察手帳を見せてください」
と申し出ても
「必要はない」
と応じてくれません。
振り切ろうとすると、ハンドルやかごを掴んで、逃げられないようにするという悪質な行為にまで及ぶとのこと。
警察手帳の提示は規則で定められている
国家公安委員会規則には「警察手帳規則」が定められており、
となっています。
警察官はたとえ制服を着ていてもこの規則は守らなければならないのです。
ですから
「警察手帳を見せる必要はない」などと回答するのは100パーセント偽物の警察官
です。
怪しいなと思ったら、断固として警察手帳の提示を要求しましょう。
でも、警察手帳が偽物である可能性も無くはありません。
警察手帳の基礎知識
現行のものは手帳ではない
警察手帳といえば、ドラマなどの影響で黒い表紙に「警察手帳」と書かれたものをイメージしがちです。
実は2002年にデザインが一新されています。
現行のものは手帳ではなく、二つ折りのカードホルダー形式になっており、上部が顔写真、氏名、階級などが記された「証票」、下部は警察本部名が記されたエンブレム(記章)になっています。
ちなみに表紙には「警察手帳」とは書かれていません。「警察庁」もしくは「警視庁」と記載されています。
警察手帳規則では提示の仕方までは定められていません。本物の警察官であっても表紙しか見せなかったり、チラッとしか提示しないこともありえます。
その際は、
「はっきりと見せてください」
と要求しましょう。
レプリカと本物の違い
レプリカの警察手帳も販売されているそうです。
コレクション目的ではありますが、残念ながら悪用する者もいることでしょう。
本物の本体は限りなく黒に近いこげ茶色です。
対してレプリカは大半が黒です。
また記章の部分がレプリカの場合、光沢がありますが、本物はつや消しです。
ただし、一見しては区別がつかないほど精巧なレプリカもありますので、上記の特徴だけでは真偽の判断がつかない場合も有り得ます。
この記事はすべての警察官を疑えと主張しているわけではありません。
しかしながら
「警察官になりすました悪意ある者」
が存在することもまた、事実です。
そもそも、何も調べず「盗難車の可能性がある」などと声をかけてくること自体、不自然です。
筆者は自転車で帰宅中に、警察官に声をかけられたことがありますが、
「盗難自転車の捜査にご協力いただけないでしょうか? 防犯登録をされていますね。念のため確認させてもらってもいいですか」
と非情に丁寧な対応でした。
ましてや、ハンドルやかごを掴んで逃げられないようにしたり、「車に乗れ」などという非常識なことは、いくら犯罪を取り締まるためとはいえ、絶対にするわけがありません。
もしあなたが、警察手帳の提示もしないのに警察官と名乗る不審な人物に遭遇してしまったら、即110番しましょう。それが最も安全な方法です。
警察だ、って名乗られても安易に信じられないわけだ。自称警察官・・・けしからん!