エレベーターホール問題とは?
あなたならどうする?
あなたがビルのオーナーだと仮定します。ある日以下の様なクレームを利用者から受けました。
早速エレベーターのメーカーに相談すると、以下の様な提案がなされました。
- エレベーターの増築
- 最新式の速いエレベーターへの変更
- 隣のビルと渡り廊下で行き来可能にし、それぞれのエレベーターを利用可能にする。
オーナーであるあなたは、決断を迫られています。このままでは利用者が出て行ってしまい、信用問題にも関わってきます。
さあ、あなたはこの問題をどのような方法で解決しますか?
上記はいまネット上で話題になっている
「エレベーターホール問題」
を引用したものです。
これはもともと、ある自己啓発書で紹介されていたエピソードだそうですが、「問題解決」について示唆に富んだ例として、様々なメディアで引用されています。
視点を変える
回答は実はとてもシンプルです。
どうやらこの話は実際にあったエピソードのようで、この解決策でクレームは解消されたとか。
筆者もはじめて回答を知ったときは、目からうろこ状態でした。
筆者が考えた回答は、「最新式のエレベーターに変える」だったのですが、「視点を変える」ことって必要なのだなあと感心しました。
まず、問題は何かを考えてみましょう。
問題は
「エレベーターの待ち時間が長い」
であることははっきりしています。
エレベーターのメーカーの提案は、全て
「問題はエレベーター」
であることを前提としています。
メーカーの立場としては当然の視点です。
でも、違う角度から考えてみることはできないでしょうか?
たとえば利用者の心理に注目してみると、何もないエレベーターホールで、ただエレベーターが到着するのを待っているのは、実際よりも時間が長く感じられるという心理が働くのではないかと考えることもできます。
つまり
「問題は利用者の心理」
という視点が成り立ちます。
この視点でもう一度問題を考えてみましょう。
エレベーターホールに何か変化があれば、利用者の心理も変えることができるのではないか。
「エレベーターホール問題」の回答は、
です。
もちろんこれが唯一の回答ではありません。
メーカーの提案通り、最新式の速いエレベーターに変えることで解決するかもしれません。
増設することでクレームが収まる可能性も充分あります。
この問題が、読む人に問いかけているのは
「視点を変えてみる」
というテクニックなのです。
「問題はエレベーター」という視点から「問題は利用者の心理」という視点に切り替えて考えてみると意外な解決策が導かれることがある、ということだと筆者は思います。
鏡の設置ならコストもかかりません。エレベーターを変えることを選択した筆者は、視点を変えてみることを覚えなくてはいけないようですね。
「エレベーターの待ち時間が長い」って考えると「問題はエレベーター」になっちゃうと。そこで「エレベーターの待ち時間が長いことに腹を立てた人がいる」ってところまで考えてみると、「問題は利用者の心理」っていう視点にもっていくことができると。現状を超正確に分析するのも大事なポイントなんだろね〜。