花粉症

花粉症じゃない人も要注意!スギ花粉は肌バリアを破壊する!

Written by すずき大和

寒さ厳しい大寒の時季を乗り越え、早春の兆しを感じるようになると、いよいよ「アレ」の季節です。日本人の多くを悩ます、春の問題児

『スギ花粉』

のシーズンが、今年もまたやってきます・・・・。



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花粉症皮膚炎を起こしやすくする物質発見!

花粉症皮膚炎

花粉症といえば、くしゃみ、鼻水、のどの痛み、目の腫れなどの症状が多いですが、アレルギーの強い人の中には、顔や首などの肌が炎症したり痒くなったり・・・と、皮膚のトラブルが表れる人も少なくありません。女性の中には、肌荒れ症状がひどくて化粧ののりが悪くなるのが悩みの種、という人もたくさんいます。

「花粉症皮膚炎」とも呼ばれるこれらの症状については、以前から、皮膚科のお医者さんや化粧品会社の商品開発の人たちなどから指摘され、ケアを呼びかける情報が多く出されてきました。

花粉症皮膚炎を起こしている肌の特徴

  • 目や鼻の周りの肌がくすんだり赤くなったりしている
  • ニキビのような湿疹がでている
  • マスクや眼鏡が触れるところがヒリヒリしてくる
  • 肌がしぼんだような感じになり、毛穴やキメの荒さが目立ってみえる
  • 表面が白く粉を吹いている

これらの花粉症皮膚炎がおきている肌の表面は、「肌バリア」が破壊されている状態になっています。

皮膚の一番外側は、外からの異物の攻撃などの刺激から肌を守り、皮膚の水分が乾燥することを防ぐ役目を担っています。この働きが肌バリアです。

  • 冬の乾燥した外気の中では、肌も乾燥しやすい
  • 乾燥すると肌バリアはもろくなる
  • 花粉症によって目をかいたり鼻をかむ時にこすることで、肌バリアが壊れる
  • 肌バリアが壊れたところに花粉が付くと、アレルギーの人は腫れや湿疹がでる

花粉症の人が皮膚炎を起こすメカニズムは、こんな風に考えられてきました。

  1. 乾燥した環境が肌バリアを壊しやすくし、
  2. 肌バリアが壊れると皮膚炎が起きやすくなり、
  3. 皮膚炎が起きると乾燥が促進され、
  4. 乾燥すると増々肌バリアが壊れる

そういう悪循環状態ですね。

スギ花粉そのものに、バリア破壊効果があった!

2016年1月、皮膚科学雑誌に、

「スギ花粉に含まれる抗原タンパク質『Cry j1』が肌のバリア機能を低下させることを発見」

という報告が掲載されました。発表したのは、資生堂などが参画する研究チームです。

通常、肌のバリア機能が一時的に低下しても、肌本来のもつ回復力によって、元の状態に戻っていきますが、スギ花粉が付着すると、Cry j1の働きによりその回復が遅れ、その分バリア機能が低下するそうです。


つまり、肌バリアが壊れているから花粉症皮膚炎を起こすのではなく、

“花粉が肌に付くことによって、肌バリアが壊されていた”

という一面があったのです。

スギ花粉を肌に付けないようにするケアが大切

肌バリアを保つケアだけで安心できない

これまで、花粉症皮膚炎を防ぐためのケアとしては、保湿力を上げる手入れなど、肌バリアを壊さないように保つことが最重要ポイントといわれてきました。

“潤いケアばっちりで肌バリアがしっかりしていれば、花粉は撃退できる”

と思われてきた面もあります。

が、花粉そのものにバリア破壊力があるのだとすれば、そもそも花粉を肌に付着させないようにすることも大切です。

例えば、「洗いすぎは乾燥を促進するから」と、ファンデーションなどの化粧をしていない時は、洗顔しないで化粧水などを付けていた人もいるようです。が、花粉が付いていたらその上から乳液などを重ねてしまうより、ちゃんと洗って花粉を落としてから潤いケアしたほうが良さそうです。

花粉の季節の外歩きに要注意

タンパク質Cry j1の肌バリア破壊効果は、花粉症になる人もならない人にも働きます。

例え、鼻水などの花粉症症状がでない人であっても、花粉の飛散している時季の外出時は、耳の周りや首まで丁寧にクリームを塗って、マスクを着用するなどして、肌に直接花粉が付くことを極力防ぐようにしましょう。帰ったら丁寧に手を洗うことも忘れずに。

これらは、男性でも同じです。男性でも、かゆみや腫れやカサカサ肌になります。

肌バリア機能とスギ花粉の関係解明はまだこれからも続く

肌の健康と若さを保つには、肌バリア機能を維持していくことがとても大切です。

資生堂のニュースリリースによると、今回の実験・研究の過程で、肌バリア機能の低下を引き起こすスイッチとして、特定のタンパク質分解酵素や受容体が関与していることを示す結果も得られた、と発表されています。

今回の実験によって得られた知見は、スギ花粉抗原とバリア機能低下の関連の解明だけに留まらず、アトピー性皮膚炎や肌荒れの根本治療につながる基礎知見として、今後も肌バリア機能の仕組み解明を進めていく、とのことです。

様々に人々を悩ませているスギ花粉、まだまだ知られざる謎も多く、今後もいろいろな方面での解析が進むでしょう。仕組みがわかれば、無害化する方法もいつかは確立される日がくるかもしれません。

人類の未来のため、各方面の研究者の皆さんには、大いに頑張っていただきたいと願います。

まさケロンのひとこと

実はスギ花粉ってとんでもなくおそろしいものなんじゃ。。スギの手入れも大事だよね。

masakeron-sorrow


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。