春眠暁を覚えず、なんて言葉がありますが、春といわず、早起きってかったるいものです。
以前、政府が「朝活」なるものを推奨しましたが、イマイチ流行りませんでした。忙しさに追われる現代人、睡眠時間を削ってまでリア充する気になれなかったのかもしれません。
ショートスリーパーになれた!・・・実は睡眠不足症候群
世界で一番睡眠時間が短いのは東京
OECDの2014年調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間43分でした。これは世界で2番目に短いそうですが、都会暮らしの雇用労働者の感覚では、
「そんなに寝れば十分じゃん!」
です。
同じ年、民間が行った都市生活者の調査によると、
東京居住者の睡眠時間は平均5時間46分!!
で、文句なく世界一の短さでした。一番長かったのはメルボルンの7時間5分ですから、やはり都会暮らしというのは、寝てるとやってられないようです。
ショートスリーパーになろう!ブーム
睡眠時間が短くとも、元気に健康に暮らせるからだになれたら、どんなにいいか・・・ということで、ここ10年くらいの間、
「ショートスリーパー」になるためのハウツー
が、地味に密かにブームです。
ショートスリーパーとは、短い睡眠時間でも健康を害さず、起きている時間を長く有効に使っている人のことで、ナポレオンとかエジソンも、3時間睡眠だった話は有名です。
ある程度までは、人間は訓練で睡眠時間を縮められる、というのが通説です。ネット内を見ても、「ショートスリーパーになるための~」的な記事が毎年量産されています。
寝なくてもなんとかなってる!という幻想
そんな記事に触発されて睡眠時間を削っていった人も、日々の仕事や育児やSNS付き合い(今これ、睡眠を削る理由の上位です)に振り回され結果的に短時間睡眠の人も、毎日4時間そこそこの睡眠でなんとか生活を回しているケースがたくさんあります。睡眠不足は、確かに“慣れ”により、だんだんからだがついていくようになってしまいます。
が、そうやって短い睡眠時間でもなんとかなっているように見えても、実は確実にからだには疲労が蓄積し、様々な面で生産性を下げている場合がほとんどです。
日中激しい眠気に悩まされている人はいうに及ばず、眠くなくても、
- 身体がだるい
- 集中力が続かない
- イライラして周りに当たる
- 胃腸の調子が悪い
- 便秘
こんな症状が慢性化している人は「睡眠不足症候群」である可能性が極めて高いです。
睡眠は時間より質って本当?
本当のショートスリーパーは“寝だめ”なんていらない
3時間睡眠でOKなショートスリーパーなんて、特殊な遺伝子でもない限り、普通は訓練でなれるものではありません。
「睡眠は時間より質」なんて言葉もよく見ますが、本当に上質な睡眠が習慣付いているなら、からだはそのいい睡眠リズムを保とうとするはずです。しかし、短時間睡眠慣れしている人も、休日はいつもより2時間、3時間長く寝ていませんか?
からだが“寝だめ”を必要としているのならば、それは、“平日は睡眠不足”であることを表しているのです。寝なくてもなんとかなっていると思っているのは錯覚です。
眠りが深ければ短くていい、とはいえない
睡眠にはノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)があり、波のようにそれを繰り返しています。初めの3時間のノンレム睡眠はとても深く(余波[じょは]睡眠)、それ以後はだんだん浅くなります。
徐波睡眠は脳を休ませるためには絶対必要です。では3時間以降はなくても大丈夫かというと、そんなことはなく、筋肉や内臓は、眠りの深さに関わらず、ある程度の時間休まないと疲労回復できません。
脳とからだの両方を休めるためには、徐波睡眠だけでなく、“浅めのノンレム睡眠も必要”なのです。
わかっているけど、それでも夜7時間寝るなんて無理!
睡眠不足症候群かもしれないけれど、頑張らないといけない
健康なからだを保ち、生産性の高い仕事をするには、やっぱりちゃんと寝ないとダメなのです。が、そうはいっても、どうしても夜の睡眠時間が長く取れない人はいるでしょう。
夜6時間未満しか寝られない人は、昼間に上手に昼寝や仮眠を取ることで、睡眠不足症候群を多少解消することができます。横になるなどできるだけリラックスした状態で、30分くらいの仮眠が取れると、日中の眠気やだるさがだいぶ違ってきます。
通勤電車での正しい寝方!?
昼休みに一人静かに昼寝できそうな場所が取れない人は、通勤の電車で、始発駅から乗るなどして座れると、ちょうど良い30分仮眠ができるかもしれません。が、
仮眠するなら、朝の出勤電車にしてください。
帰りの電車では寝ちゃダメです!
実は、仮眠する時間帯が遅くなると、夜の徐波睡眠が減ってしまうのです。短い上に徐波睡眠をしっかりとることすらできないと、本当にからだがボロボロになります。
夕方以降に寝てしまうと、徐波睡眠は半分くらいに減ります。全く減らさない仮眠の時間帯はだいたい午前11時までだそうで、やはり朝の通勤電車というのが一番良さそうです。
だからといって、座るために始発駅で並ぶ分、30分早く起きなきゃ!になるのも本末転倒です。何とか夜の睡眠時間保って、健康に生活しようと思ったら、こんな風にだらだらweb記事見ている時間削るほうが手っ取り早いのかも・・・!?
とはいっても、帰りの電車の方が眠くなっちゃうんだよね~難しい!!