9月生まれ 誕生石・パワーストーン

パワーストーンの効力は本物?サファイアに運命を左右された人

Written by すずき大和

東洋でも西洋でも、昔から、宝石として珍重されるような美しい天然の鉱物には、秘められた力がある、と考えられてきました。

西洋では、昔から身に着けていると守護や開運の効果をもたらす「守護石」という考え方があり、特権階級の人々は幸運をもたらす力を秘めた宝石を欲しがりました。

日本では、1984年に、宝石研磨機を開発している会社が

「パワーストーン」

という造語(和製英語です)を作って発表した所、たちまち流行し、その力にあやかろうと、お守りのように宝石を身に着ける人が増えました。

とはいえ、スピリチュアルパワーというものは、科学的に証明しにくいものですから、

「パワーストーンて、本当に効果あるんですか?」

と改めて問われると、その効き目は絶対に保証されるような類のものではありません。

ただ、世界には、特別な力を宿していると思わざるを得ないような宝石の話、というのも時に存在します。

マリー・アントワネットが持っていた「ホープダイヤモンド」の話も有名です。ただし、これは持ち主を次々破滅させていく“呪いの宝石”でした。

9月の誕生石「ブルーサファイア」は、世界中に様々ないい伝えが飛びぬけて数多く残る宝石です。中でも有名な、ナポレオンの運命を左右したといわれる石の話をご紹介しましょう。



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皇帝の石/ナポレオンとサファイア

ナポレオン一世の激動の人生

フランス革命後、革命政府軍の中から

『ナポレオン・ボナパルト』

が台頭し、クーデターで権力を握って軍事独裁政権を作りあげ、革命後の混乱を収拾しました。彼は革命理念の全ヨーロッパへの拡張を目的とした征服戦争を展開し、ヨーロッパの大半を支配下におきます。1804年には皇帝にまで即位します。

が、1812年のロシア遠征に失敗して以後、情勢は急転し、征服してきた地域で次々解放戦争が起きて、国民の信望も失い、やがては皇帝の座を追われることになります。結局は流刑となり、みじめな晩年の末に52才で亡くなります。

このナポレオンの人生の節目に、

世界を制覇する力を宿したブルーサファイアが関与している、

という話があります。

カール大帝の守護石

ローマ帝国が支配していた古代から、ゲルマン人の大移動によって、中世に移り変わっていった時代、現在のフランスで起こったフランク王国が、徐々にイギリスを除く西ヨーロッパ全土に勢力を広げ、古代のローマ文化・キリスト教文化・ゲルマン人の封建社会を結び付けた「ヨーロッパ世界」という文化圏を作り上げました。

王国全盛期の王が

『カール大帝』

です。800年にローマ皇帝の戴冠を受けて、西ローマ帝国を継承しました。

カールの父ピピンが王だった時、イタリア半島を教皇領として献上したお礼に、ローマ法王から大きなブルーサファイアを贈られました。後に王位と共に息子に受け継がれます。カール大帝が西ヨーロッパを治め、皇帝になったことで、この宝石は

「皇帝の石」

と呼ばれるようになり、

“持つものを必ず皇帝にする秘宝”

として、以後1000年以上にわたり、フランク王国の宮殿があったアーヘンの町(今のドイツ)の寺院に納められていました。

ジョゼフィーヌとナポレオン

ナポレオンが皇帝になった直後、妻のジョゼフィーヌが寺院に招かれ、秘宝のサファイアを見せてもらいました。寺院は見せるだけのつもりでしたが、ジョゼフィーヌが、ナポレオンのドイツ征服にあたり寺院から献上すると約束していた聖遺物として、このサファイアを所望しました。世紀の秘宝はいとも簡単にナポレオンの手に渡ります。

そんな秘宝であるにも関わらず、既に皇帝になっていたナポレオンは、サファイアをジョゼフィーヌに与えます。

ジョゼフィーヌは貴族の生まれでしたが、子持ちの未亡人となり、生きるためにナポレオンの上官の愛人をしていました。一軍人だった時代のナポレオンが一目ぼれし、軍功の褒美のような形で結婚したのです。ジョゼフィーヌとしては愛のない結婚だったため、夫以外の男性との浮気をし続けました。

実は、サファイアには

“浮気を封じ込める力が宿っている”

ともいわれています。

その効果かどうか、ジョゼフィーヌは、以後ナポレオンに尽くす良き妻になりました。

しかし、今度は皇帝となったナポレオンが、多くの女性と浮名を流すようになります。

やがて、子供のできなかったジョゼフィーヌは、ナポレオンの政略結婚のために、自ら妻の座を退きます。その潔さに感服したナポレオンは、ジョゼフィーヌに宮殿と侍従と年金を付けて離婚します。

その後、ナポレオンは陥落の一途をたどります。人々は

「ナポレオンが皇帝の石を持つ妻を手放したためだ」

と噂するようになりました。新しい妻はナポレオンの流刑と共に去り、彼は一人みじめな最期を遂げることになります。

一方、ジョゼフィーヌは“ナポレオンに捨てられた女”として同情を買い、政府と連合軍から丁重に扱われ、宮殿はサロンとして賑わいました。

裕福な老後を過ごしたジョゼフィーヌの連れ子の娘は、やがてナポレオンの弟の后になり、後の皇帝ナポレオン三世を産みます。もちろん、彼は祖母から譲られた「皇帝の石」を受け継いでいました。

“世界を制覇し、愛する人の心もくぎ付けにする”

そんな力を持つサファイアの有名な逸話です。

パワーストーンて、ほんとにあるのかもしれません。

まさケロンのひとこと

そうだ!サファイアだ!これで世界はまさケロンの手に!!

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。